鶴岡法斎のブログ

それでも生きてます

アルケミーの道程・2

2009-06-28 12:57:16 | 雑記
07年末、自分はすでに連載が終わっている身でありながら辰巳出版の忘年会に行った。案内が届いたものの、直前まで行くべきか悩んでいた。もう忘年会は始まっているのに新宿にある神田うのの嫁ぎ先であるパチンコ屋でだらだらスロットを打っていたりした。
やっぱり行こう、と決めて居酒屋に。編集者、マンガ家、ライター、いろろいな人に出会った。
そのなかでもカネシゲタカシさんとの出会いは自分にとってかなり大きいものなのだがそれはまた別の話だ。

二次会が終わった時だったか、自分は編集長のIさんに近づいて出来るかぎり静かなトーンで、
「白夜さんで仕事するっぽい」といった。
「本当、いくらでもやってください。頑張ってください」
「ありがとう」
皮肉なもので長年一緒にやってきていてこの時に、いろいろな意味での別れ際のこの時に一番いい感じで作家と編集者の阿吽の呼吸が完成されたような気がした。

さて年が明けて自分は沖ヒカルさんと出会う。一緒にスロットを打った。そこら辺のやりとりは白夜書房から出ている「キュイン倶楽部」の単行本であかいこうじさんがとてもいいマンガにしている。この時にあかいさんに描かれた似顔絵は本当に素晴らしく似ていてロフトプラスワンで白夜書房のイベントがあったときに初対面の人に「あかいさんのマンガに出てましたよね」と2人からいわれた。

それが一段落して自分は銀河番長にWさんを紹介される。彼が担当編集者となり、マンガ原作をやろう、というのだ。時期は08年の冬、2月くらいだったかと記憶している。
自分にとっては「いつもの喫茶店」である新宿中村屋の地下。
そこでまたまた銀河番長は銀河らしい不可解なことをいってくる。
「自分は鶴岡さんが書いたラブロマンスが読みたい」と。
この時に銀河番長はある映画を喩えに出したのだが自分はその映画を見ていなかった。
「すみません、それは見てないです」と正直にいい、お互い具体的な例を出し合いながら話を進める。
「イビツな純愛」というテーマがうっすらと見つかった。
ロクデナシの恋でも可。

そして自分はプロットを作成することになる。
だが誰が作画担当なのかまだ決まってないのだ。

さらにここで別の物語が挿入される。自分が07年夏からある編集者の薦めにより書き下ろしていた小説、それの出版が暗礁に乗り上げていた。
ちなみにその小説の一部がこれだ。

また自分は失恋した直後であったり、病名が定かでない病気は国立病院で検査入院しなくてはいけない状況だったりしていた。そして金がない。

この白夜との仕事と突然思い出したようにずっと昔に書いたプロットを引きずり出したメディアファクトリーの編集が「やっぱり切断王やろうよ」といってくれたこと。このふたつの希望が自分を生かしてくれていた。

08年の初夏から夏にかけてふたつの仕事に希望を託し(しかし失恋は懲りずにマメなくらいしていた)、病院では電気コードを大量に付けられての検査。
そして大坪ケムタと知り合ったのもこの頃だったはず。

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