拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

久々のヨーロッパ

2011年06月18日 | ヨーロッパの風
 ヨーロッパの真ん中に位置するスイスに住んで今年で20年、生活に追いまくられて・・という
 のは真実ではないが、毎日の生活の中でことさらヨーロッパを意識することは、慣れという
 こともあってか最近ほとんど無かった。
 しかし、今日我々二人が招かれた家の中に一歩入った時、ヨーロッパの香りがいっぱいに
 漂い、ボクは今ヨーロッパにいるんだ・・・という感に久しぶりに打たれた。

 これって例えてみれば、西洋人が和風の民家を訪ねたとき受ける感銘のようなものだろうか。
 
 10人の人がブランチに招かれ、長いテーブルに整えられた朝食のパンは外の雨模様と対照的に
 ランプに照らされて暖かく美味しそうに我々を迎えてくれた。
 玄関に入ってすぐ目を奪われるのは右側にある2階に続く木製の階段と吹き抜けの高い天井。

  その家というのは、妻ニコルの父親側の親戚に当たる人でスイスフランス語圏ではコーラスの指揮者
 としてかなり有名な人で、昔農家だった家を買って改良した家に奥さんと二人で住んでいる。

 ボク自身も17,8年前に一度訪ねていたが、昔はボクの感受性が弱かったのか何も覚えていないのが
 不思議なくらい、今回はヨーロッパの豊かさみたいなものを強く感じさせられた。
 
 それはもちろん80歳を越えたこの二人の夫婦の趣味の良さが大いなる原因であると思うが、
 家の内外、庭の手入れなどを楽しんでいることがヒシヒシと感じられるのだ。

 二人とも音楽を愛し、それは生活の糧ともなっているが、文化と田舎の自然の恵みを上手く
 調和させたその生活スタイルは、日本の和式に一脈通じながら同時にヨーロッパの豊かさ
 を感じさせる。