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猫ちゃんと節約したい独り身おばさんの暮らし

ちょっと臆病な猫のユキちゃんと一人暮らし歴20年以上の
やる気ないパートのおばちゃんの暮らし

図書館で借りた本 チャールズ ディケンズ オリバーツイストとBBC

2021-07-10 11:37:00 | 図書館で借りた本 小説
オリバーツイストは、孤児で
救貧院で生まれ、
養育院で育ちます。
養育院は、酷い環境で、寒さで
体調を崩している子が多く、
食事もお粥しかありません。
体罰もありこんな環境だったら、
誰だって荒んでしまう…
オリバーはとても良い子ですが、
ちょっとした事から
奉公に出されますが
そこでもいわゆる先輩に
理不尽な仕打ちを受けたり
色々トラブルになって、
出て行ってしまいます。
それからスリをする
子供達に会いまた色々な
事件に巻き込まれます。

オリバーが本当にかわいそうで
いつになったら幸せな暮らしが
出来るのか!とヒヤヒヤしながら
読みました。
ディケンズは子供の時苦労して
いるので、苦境に立たされた子を
書くのがとても上手いです。

実はこの本は児童書で漢字に
ふりがなをふってありますが、
なかなか難しい言葉も使っています。

沽券に関わるとか…

出てくるキャラクターも個性的で
かなり登場人物は多いです。
オリバーとあまりかかわりのない
人もいたりします。





Amazonプライムビデオで、
BBC のドラマのオリバーツイストも
見ました。2話完結で、
1話1時間25分くらいなので、
かなりはしょっています。
出て来ないキャラクターも
いるし、キャラクター設定も
原作と違います。
なので、原作を知っていると
かなり物足りないさを感じますが
映像は素晴らしいので、
おすすめです。

特に衣装!
ナンシーの衣装が特に素敵でした。
あとわんちゃんの、ブルズ アイは
原作だと獰猛な感じですが、
ドラマでは凄く可愛いです。

演じている俳優さんも皆さま
良かったです。

原作と別物と割り切って観ると
とても面白いです。

やあ、オリバー・ツイスト(字幕版)を観ているよ。Prime Videoを今すぐチェックする
https://watch.amazon.co.jp/detail?gti=amzn1.dv.gti.44bb1341-2399-da48-bbd6-994b894ce9fc&territory=JP&ref_=share_ios_episode&r=web




図書館で借りた本 ワイルドフェルホールの住人 アン ブロンテ

2021-07-04 13:13:00 | 図書館で借りた本 小説


ダウントンアビーが好きな人なら
ワイルドフェルホールの住人と
聞いてピンと来るでしょう!

シーズン2のクリスマススペシャルで
メアリーがクイズをジェスチャーして、
イザベルが正解します。

シャーロットや、エミリーの
作品は読んだ事が、ありますが
アンの作品は初めて読みました。
ちなみ私は嵐が丘より
ジェイン エアの
方が好きです。

この作品は、嵐が丘や、
ジェイン エアの
ような、
衝撃的なシーンはありません。

しかしアンは、姉妹の中で
一番現実的で、ワイルドフェルホール
も今の小説や、映画やドラマに
一番近く感じます。

ちょっとあらすじを…
少々ネタバレですが…

ワイルドフェルホールという古い屋敷に
ヘレン グレアムと、息子のアーサーが
引越してきます。
旦那さんがいないので、近くの住人は
良からぬ噂を立てます。

ギルバート マーカムは、未亡人の
ヘレンに恋をします。
しかしヘレンは、偽名を使っていて、
未亡人ではありません。
ギルバートに、ヘレンは、過去を
知ってもらうために、若い時書いた
日記を渡します。

ヘレンは、叔父様、叔母様に育てられ、
反対を押し切り、ほぼ一目惚れの
イケメン、アーサー ハンディトンと
若い時に結婚します。

結婚して、旦那が、こういう旦那は
勘弁して!というリストがあったら
それを全部やってしまうダメ男と
分かります。
そのダメっぷりが完璧すぎる…

しかし、この時代の女性は
耐える!とにかく辛抱強い!
ヘレンが信仰心が強く、
絵に描いたような
良い人なんです。

この時代イギリスでは、
女性が浮気したら、
離婚できるけど
男性が浮気しても離婚は出来ない
と法で決まっていたり、
人前で字を書いたり、1人で
散歩する女性に嫌悪感を抱いたり、
女性に凄く不利な状況や
偏見がありました。
感情を出したりするのも
良くなかったのでしょう。

しかしヘレンは息子アーサーの
ために家を出る事にします。
その後旦那が体調が悪くなり
ヘレンは戻る事に…

この本は、みすず書房の
ブロンテ全集、9巻で
解説もついています。
とても素晴らしい本ですが、
今は入手困難らしいです。

実はブロンテ姉妹は、お兄さんが
いました。
兄、ブランウェルは、家庭教師先の
夫人といい関係になって、解雇され、
酒や、アヘンにはまり、
どうしようもないダメな奴で、
ヘレンの旦那は、兄の事を
書いたかもしれません。

アンが家庭教師で上流階級の生活を
見た経験も生かされています。

この作品は、アン ブロンテが
経験を元に本当に書きたい事を
忠実に書いています。

708ページとかなり厚いですが、
女性ならではの繊細な情景描写と
心理描写が秀逸で、今まで読んだ
ブロンテ姉妹作品の中で一番好きです。





追記…熱海市伊豆山の災害に遭遇した方
お住まいの方に心よりお見舞い申し上げます。実家に帰る時に必ず通る道です。


図書館で借りた本、日の名残り、ノーベル賞文学賞受賞 記念講演 カズオ イシグロさん

2021-06-20 07:54:00 | 図書館で借りた本 小説
2017年にノーベル文学賞を受賞した
カズオ イシグロさん
のブッカー賞を受賞した
日の名残りは、執事の
スティーブンスが主人公。

ダウントンアビーのファンの
皆様!この本を是非読んで
いただきたいです!

ダウントンアビーの時代より
かなり後の出来事になります。
ダウントンアビーの1920年代
も貴族や使用人の存在が
危ぶまれていました。

スティーブンスはイギリスの貴族に
使え、著名人と歴史的な会食の
サービスを行ったりしましたが、
今はアメリカ人に使えています。

主人が留守をする事になり
スティーブンスは主人の車を
借りて旅に出ても良いと
言われます。
彼は旅先で一緒に働いていた
女中頭のミス ケントンさん
に20年ぶりに会う事になっていて、
旅をしながら今までの人生
を思い出します。

執事の品格とは?を常に考え
根っからの仕事人間な感じは
まさしくダウントンアビーの
カーソン!
カズオ イシグロさんは
人物を徹底的に分析して
行動や、セリフを考えて
いて、スティーブンスの
回想での彼目線で少し矛盾した
所や、女中頭との会話など、
本当に違和感なく自然です。

ラストにある人から
言われるセリフが印象に
残りました。

“いま手にしているものに満足し、
感謝せねばなりますまい。”

“いつも後ろを振り向いて
いちゃいかんのだ。
後ろばかり向いているから
気が滅入るんだよ。
昔ほどうまく仕事が出来ない?
みんな同じさ。
いつかは休むときが来るんだよ。”

今がいかに大切か。
この本は、人生を40年、50年と
重ねて来た人の方が身に染みる
と思いました。

ノーベル文学賞の受賞記念講演の
本は英語と日本語で書いてあります。
カズオ イシグロさん、
ロックミュージシャンを
目指していたそうで、
作家を目指してどの様に人生を
送ってきたかを話していて
とても興味深かったです。
この本を読んでから作品を読むと
少し視点が変わり面白いかも
しれません。










図書館で借りた本 遠い山なみの光 カズオ イシグロさん

2021-06-01 07:07:00 | 図書館で借りた本 小説


この物語はカズオ イシグロさん
のデビュー作だそうです。
2017年にノーベル賞文学賞を
受賞。ドラマ化された作品もあります。

彼はお父様の仕事の関係で
幼少期にイギリスに渡り
日本語はあまり得意では
無いと言っています。
かなりエリートな家族だと
察します。

ちょっとネタバレがあります。

この作品でメインに語る悦子の
家庭もイギリスで生活し、
やはりどちらかと言うと
裕福な感じで、悦子の旦那さん
や義理のお父様もエリートな
感じです。
しかし悦子の娘は、自殺を
してしまいます。
作者は、娘の事を詳しくは
書きません。
その時の状況は少し書いてありますが
娘さんの亡くなる前の心情は
一切書いてありません。

悦子は妊娠中に出会った
佐和子と娘の万里子の事
を思い出します。

佐和子は一人身で、お金に困っていて、
娘の万里子の事も放置で、
訳の分からない外人男性と付き合って、
挙句の果てにはアメリカに行くとか
言い始める…
バカ母なんです。
娘はまだ小さいし、この状況を
逃げ出す事は出来ないので、
意味不明の問題行動を起こしたり
します。
それでも佐和子は割と無関心。
アメリカに行くのは娘のためにも
なると悦子には言うけど、
結局自分のことしか考えていない。

万里子は、何でそう言う事を
するのか、どう言う気持ちなのか
は全く語りません。
猫が好きで猫を引越しても
飼っていいかは
真剣に聞くけど、ダメな事が
分かると、どうにもならない
事に絶望し残酷な事をしてしまう。

作者は多分ダメな親に逃げ出したい
葛藤の中暮らす経験は全く無いと
思います。

なのに万里子の描写が
恐ろしいくらい
上手いです。
絵を描くのが好きで、猫好きで、
親の都合で引越しを繰り返し
同じような状況から
逃げ出したいと思っていた
自分と万里子がかぶり、
この似たような状況を経験した
人にとってこの本は凄すぎて
辛いかもと思ってしまいました。
本当にリアルすぎるのです。

ダメ母、佐和子の描写も上手いです。
佐和子は良い家柄のお嬢様だった
ので、かなりプライドは高いです。
英語に堪能でインテリ。
妊娠中の悦子にたいして、自分
は経験済みだから些細な優越感を
もつ様な会話や、
自分のやってる事を悦子が
分かっていて、自分を見下している
事を感じて探る様な会話をしたり、
こういう女性がやるだろうと言う行動
を完璧に書いています。

他のキャラクターも、彼らの
人格を細かく分析して
そのキャラクターが
言わない様なセリフ、
やらないような行動は
一切書いてありません。

とくに多くの
テレビドラマや、漫画などは、
作り手の都合でキャラクターを
動かしてしまい、
違和感を感じるセリフや
シーンがあったりしますが、
この作品は全くありません。

そしてキャラクターは
多くを語りません。
語りませんが、物語を
読んでいくうちに
彼らの心情が痛いほど
わかってしまう。

凄い作品だと思います。








図書館で借りた本 チャールズ ディケンズ 二都物語

2021-05-31 22:43:00 | 図書館で借りた本 小説
フランス革命の時代、イギリスと
パリの二つの都市での物語
なので、二都物語。

なるべくネタバレ少なめに
したいですが、結末は
書かないと私の1番言いたい事が
書けないので、これから
読む方はスルーして下さいませ。
知らない方が絶対良いです。

はじまりはイギリス、ドーバーから
この時代のイギリスの治安の
悪さは最悪で、気楽に旅行
に行けるご時世ではありません。

追い剥ぎ、武装強盗は茶飯事で、
家族が街を離れる時は、
家具を一旦家具屋に、預けよう!
って治安悪いのにも程があります。

フランス革命は、池田理代子先生の
ベルサイユのバラの
知識程度しかない私は、
フランスの普通の市民を巻き込んだ
狂気に驚愕しました。
ディケンズは、かなり念入りに
フランス革命の情景を調べていて、
かなり鮮明に書いています。
書いているディケンズも
トラウマになったのでは
ないでしょうか…

市民が初めは、悪魔のような
貴族をやっつけるために
暴動をおこしたはずが、
貴族は誰でも処刑しろ!
怪しいやつは処刑しろ!
しかもその処刑を見る事が、
娯楽になってしまっています。
彼らは、現在の私たちが
Amazonプライム・ビデオなどで、
非日常的な映像を楽しむ感覚で
処刑を観ています。
集団の一度やったらエスカレートする
暴力や残酷さの狂気を
ディケンズは巧みに文章にしています。

ラストは、チャールズ ダーニーと
そっくりのシドニー カートンが
彼を助けて彼のかわりに断頭台に
立って、こうすればみんな幸せに
なれると言う彼の想像で話が
終わります。

ちょっと待てよ!シドニー!
絶対にそうはならないですよ!
チャールズは、あの時何で
自分は…と後悔したまま一生を
過ごすとおもいますよ。
かなりの負い目を背負って一生
生きていく事になりますよ。
シドニーを知っている
奥様のルーシーマネットも
同じぐらいショックでしょう…
決してめでたし、めでたしとは
ならないでしょう。
その後彼らは、本当に
幸せになれるのか?
ではその他にチャールズを
助ける方法はなかったのか?

ディケンズは答えを述べていません。
読者がそれぞれ考えるしか
ないのです。
ディケンズの書かない凄さが
ここにある気がします。

iBookで、、佐々木直次郎氏の
翻訳が読めます、かなり古い時代の
本で、はじめに…序の章で、

⭐︎“自己犠牲的な深い愛によって
進んで断頭台の下に立つ弁護士シドニー・カートンは、疑いもなく近代…”

落ち言っちゃてるよね?
佐々木氏…とびっくりしてしまいました。
自己犠牲的にしてはあまりにも
唐突なのです。
シドニーの心情に関して
あまり本文で、説明がありません。
なので混乱した私ははじめから
もう一度読み直しましたが、
やはり何で!!と思ってしまいます。

私の好きな吉田秋生先生の
漫画バナナフィッシュの
ラストと同じぐらいの衝撃で
読み終わってもずっと考えてしまいます。



⭐︎抜粋: 
二都物語
チャールズ・ディッケンズ & 佐々木直次郎
https://books.apple.com/jp/book/%E4%BA%8C%E9%83%BD%E7%89%A9%E8%AA%9E/id569141805
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