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図書館で借りた本 チャールズ ディケンズ 二都物語

2021-05-31 22:43:00 | 図書館で借りた本 小説
フランス革命の時代、イギリスと
パリの二つの都市での物語
なので、二都物語。

なるべくネタバレ少なめに
したいですが、結末は
書かないと私の1番言いたい事が
書けないので、これから
読む方はスルーして下さいませ。
知らない方が絶対良いです。

はじまりはイギリス、ドーバーから
この時代のイギリスの治安の
悪さは最悪で、気楽に旅行
に行けるご時世ではありません。

追い剥ぎ、武装強盗は茶飯事で、
家族が街を離れる時は、
家具を一旦家具屋に、預けよう!
って治安悪いのにも程があります。

フランス革命は、池田理代子先生の
ベルサイユのバラの
知識程度しかない私は、
フランスの普通の市民を巻き込んだ
狂気に驚愕しました。
ディケンズは、かなり念入りに
フランス革命の情景を調べていて、
かなり鮮明に書いています。
書いているディケンズも
トラウマになったのでは
ないでしょうか…

市民が初めは、悪魔のような
貴族をやっつけるために
暴動をおこしたはずが、
貴族は誰でも処刑しろ!
怪しいやつは処刑しろ!
しかもその処刑を見る事が、
娯楽になってしまっています。
彼らは、現在の私たちが
Amazonプライム・ビデオなどで、
非日常的な映像を楽しむ感覚で
処刑を観ています。
集団の一度やったらエスカレートする
暴力や残酷さの狂気を
ディケンズは巧みに文章にしています。

ラストは、チャールズ ダーニーと
そっくりのシドニー カートンが
彼を助けて彼のかわりに断頭台に
立って、こうすればみんな幸せに
なれると言う彼の想像で話が
終わります。

ちょっと待てよ!シドニー!
絶対にそうはならないですよ!
チャールズは、あの時何で
自分は…と後悔したまま一生を
過ごすとおもいますよ。
かなりの負い目を背負って一生
生きていく事になりますよ。
シドニーを知っている
奥様のルーシーマネットも
同じぐらいショックでしょう…
決してめでたし、めでたしとは
ならないでしょう。
その後彼らは、本当に
幸せになれるのか?
ではその他にチャールズを
助ける方法はなかったのか?

ディケンズは答えを述べていません。
読者がそれぞれ考えるしか
ないのです。
ディケンズの書かない凄さが
ここにある気がします。

iBookで、、佐々木直次郎氏の
翻訳が読めます、かなり古い時代の
本で、はじめに…序の章で、

⭐︎“自己犠牲的な深い愛によって
進んで断頭台の下に立つ弁護士シドニー・カートンは、疑いもなく近代…”

落ち言っちゃてるよね?
佐々木氏…とびっくりしてしまいました。
自己犠牲的にしてはあまりにも
唐突なのです。
シドニーの心情に関して
あまり本文で、説明がありません。
なので混乱した私ははじめから
もう一度読み直しましたが、
やはり何で!!と思ってしまいます。

私の好きな吉田秋生先生の
漫画バナナフィッシュの
ラストと同じぐらいの衝撃で
読み終わってもずっと考えてしまいます。



⭐︎抜粋: 
二都物語
チャールズ・ディッケンズ & 佐々木直次郎
https://books.apple.com/jp/book/%E4%BA%8C%E9%83%BD%E7%89%A9%E8%AA%9E/id569141805
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