
年末にディーター・ラムス展に行ってきました。
『純粋なる形象―ディーター・ラムスの時代機能主義デザイン再考』@サントリーミュージアム天保山
ディーター・ラムス、という人は、HPから引用すると、
「1955年以来、ブラウン社(BRAUN)において40年以上にわたり500を超える製品をデザイン・監修してきた」人です。
今回のデザイン展では、
「ラムスのデザイン哲学を解明する上で貴重となる製品はもちろん日本初公開のスケッチやプロトタイプ、モックアップなど300点を超える資料とともに、その背景となった幾多の歴史的デザインや美術作品もあわせて展示」されました。
この展示会の存在を知ったとき、物凄い興奮を覚えましたわけですが、
その理由を改めて考えてみますと、大体以下の4つになりました。
①実際に売られていた「製品」が、美術館で展示される、という点。
②BRAUN社が、「ドイツ」で生まれ、約90年間続く老舗メーカーであること。
③BRAUN社の製品が、ラジオ・スピーカーなどのAV機器のみならず、シェーバーや調理器、時計やライターなどのいわゆる「生活家電」まで生産されているということ。
④デザイナー、ディーター・ラムスがBRAUNの「社員」であるということ。
何だかバラバラな話になりそうですが、
とりあえず、上について少しずつ説明を書いてみようかと思うとります。

①実際に売られていた「製品」が、美術館で展示される、という点。
展示品は、普通に売られていた製品ばかり。何よりもこのことが僕を興奮させます。これは、消費・廃棄される運命にある工業製品を大きな時間軸で見直すという「生産」と「消費」の歴史の把握でもあり、様々なインテリアショップに足を運んでもなかなか実際目にすることができなかった海外製品を一挙に見ることのできる夢のウィンドーショッピングでもあります。
同時に、ウォークマンもipodもない当時から現在の製品まで長い時間で製品を見ると、今では当たり前としか感じられない製品の「原型」、スタンダード・デザインが生まれる瞬間を再発見することができます。今何気なく使っているドライヤーはなぜこんな形をしているのか、その答えは製品の歴史を連続して見る他にないのだということです。
②BRAUN社が、「ドイツ」で生まれ、約90年間続くメーカーであること。
1919年 バウハウス創立、 1921年 BRAUN創業
1953年 ウルム造形大学創立、1955年 ラムス入社
これらは全てドイツにて起こっていることです。この「時を同じくして」という時間の流れは、決して偶然とは思えません。生産を機械の手に委ねるという「機械化大量生産」と、機能性を重視し装飾を排除するという「モダニズムの興隆」は同時に起こるべくして起こっているし、上記の教育機関の創立と優秀な人材の創出も無関係ではないハズです。また、90年間続いている、という点も重要だと思います。
③BRAUN社の製品が、ラジオ・スピーカーなどのAV機器のみならず、シェーバーや調理器、時計やライターなどのいわゆる「生活家電」まで生産されているということ。
モノは、何よりも生活を支点に考え出されなければなりません。「工業製品のもつ役割」はそこにあると思います。三洋エネループの充電式カイロは、電気を熱に変えるという基本的な原理を形にしたに過ぎませんが、それでも話題になったのはそういうことなのではないでしょうか。
また、そもそもデザインからすれば、生活用品、日用品にとって、工業製品と家具や建築との間に境界はないのではないでしょうか。
④デザイナー、ディーター・ラムスがBRAUNの「社員」であるということ。
これは、彼がインハウス・デザイナーであるという意味ですが、外部の人間かどうかの違いについては何もわかりません。ただ、少なくとも、彼の業績は、デザインだけではなくデザインと技術・プロセスとのかけ算だったのではないか、という気がしたのでとりえず書いておきます。

『純粋なる形象―ディーター・ラムスの時代機能主義デザイン再考』@サントリーミュージアム天保山
ディーター・ラムス、という人は、HPから引用すると、
「1955年以来、ブラウン社(BRAUN)において40年以上にわたり500を超える製品をデザイン・監修してきた」人です。
今回のデザイン展では、
「ラムスのデザイン哲学を解明する上で貴重となる製品はもちろん日本初公開のスケッチやプロトタイプ、モックアップなど300点を超える資料とともに、その背景となった幾多の歴史的デザインや美術作品もあわせて展示」されました。
この展示会の存在を知ったとき、物凄い興奮を覚えましたわけですが、
その理由を改めて考えてみますと、大体以下の4つになりました。
①実際に売られていた「製品」が、美術館で展示される、という点。
②BRAUN社が、「ドイツ」で生まれ、約90年間続く老舗メーカーであること。
③BRAUN社の製品が、ラジオ・スピーカーなどのAV機器のみならず、シェーバーや調理器、時計やライターなどのいわゆる「生活家電」まで生産されているということ。
④デザイナー、ディーター・ラムスがBRAUNの「社員」であるということ。
何だかバラバラな話になりそうですが、
とりあえず、上について少しずつ説明を書いてみようかと思うとります。

①実際に売られていた「製品」が、美術館で展示される、という点。
展示品は、普通に売られていた製品ばかり。何よりもこのことが僕を興奮させます。これは、消費・廃棄される運命にある工業製品を大きな時間軸で見直すという「生産」と「消費」の歴史の把握でもあり、様々なインテリアショップに足を運んでもなかなか実際目にすることができなかった海外製品を一挙に見ることのできる夢のウィンドーショッピングでもあります。
同時に、ウォークマンもipodもない当時から現在の製品まで長い時間で製品を見ると、今では当たり前としか感じられない製品の「原型」、スタンダード・デザインが生まれる瞬間を再発見することができます。今何気なく使っているドライヤーはなぜこんな形をしているのか、その答えは製品の歴史を連続して見る他にないのだということです。
②BRAUN社が、「ドイツ」で生まれ、約90年間続くメーカーであること。
1919年 バウハウス創立、 1921年 BRAUN創業
1953年 ウルム造形大学創立、1955年 ラムス入社
これらは全てドイツにて起こっていることです。この「時を同じくして」という時間の流れは、決して偶然とは思えません。生産を機械の手に委ねるという「機械化大量生産」と、機能性を重視し装飾を排除するという「モダニズムの興隆」は同時に起こるべくして起こっているし、上記の教育機関の創立と優秀な人材の創出も無関係ではないハズです。また、90年間続いている、という点も重要だと思います。
③BRAUN社の製品が、ラジオ・スピーカーなどのAV機器のみならず、シェーバーや調理器、時計やライターなどのいわゆる「生活家電」まで生産されているということ。
モノは、何よりも生活を支点に考え出されなければなりません。「工業製品のもつ役割」はそこにあると思います。三洋エネループの充電式カイロは、電気を熱に変えるという基本的な原理を形にしたに過ぎませんが、それでも話題になったのはそういうことなのではないでしょうか。
また、そもそもデザインからすれば、生活用品、日用品にとって、工業製品と家具や建築との間に境界はないのではないでしょうか。
④デザイナー、ディーター・ラムスがBRAUNの「社員」であるということ。
これは、彼がインハウス・デザイナーであるという意味ですが、外部の人間かどうかの違いについては何もわかりません。ただ、少なくとも、彼の業績は、デザインだけではなくデザインと技術・プロセスとのかけ算だったのではないか、という気がしたのでとりえず書いておきます。

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