はみ出し行政書士日記

破天荒(?)な行政書士が、遭遇する様々な事件に挑戦する日々の実態+α

価値を見出すもの

2006年06月26日 23時38分36秒 | つぶやき
人間誰もが、何かに価値を見出す。
そして、その価値のために行動する。
いわゆる「価値観」が誰にでもあり、それは十人十色である。

今日、依頼主から思わぬ言葉を聞いて、この「価値」ということに想いを廻らせた。

依頼主は、私を含めて4件相見積もりを頼んでいたそうな。
単なる見積もりのみならず、仕事に対する姿勢や考え方、人間性など色々な部分を見たいという話は前にも言われていて、私もそういった部分で評価してもらえたのだとすれば、行政書士冥利に尽きると思っていた。

で、今日打合せが終わる頃、他の競合相手に関する話を依頼主が少しだけした。
5月に施行された会社法に絡み、他の行政書士が、書類の準備をする段階で、新しい法律なので、慣れていない人はミスを何回もするというような営業トークをしていたらしい。

確かにその通りだと私も思うし、正直な話私も新しい法律について完璧に知識を得ているわけではないから、ミスも出るかもしれない。そんなに自信も無い。
いや、むしろ暫くはミスが出て当たり前なのだ。先日、司法書士の友人に話しをしたら、「暫くはしょうがないよね。肝心の役人や公証人ですら確実ではないのだから。」と。

でも、それって誰でも同じで、何しろ当局ですら統一見解が明確に出ていないで、毎週のように通達やら何やらで修正を加えている状態では、そんなミス云々を営業トークで使っている場合ではないのだ。

もしかしたら、そういった張本人も何度もミスをするかもしれない。
それよりも、その後のリカバリーを如何にするのか、その部分について今日の依頼主は価値を見出していたのかもしれない。

言われてみれば、最初のミーティング(つまり、私が依頼主に品定めをされているとき)では、直接的な仕事の話よりも、仕事の幅をどう広げていくのか、お互いの共通認識をつくることばかりしていて、具体的に何を用意して、どういう手順で仕事を進めていくのか、という話は全体で見れば数パーセント程度しかしていなかったようにも思う。

他の人がどうだったのかは知らないが、いつも脱線話やら夢物語り?に夢中になって、大事な話が後回しになってしまう私の営業法(と言うほどご大層なものではない!)もまんざらでもないのかもしれない。

人は思わぬところに価値を見出すものだ。
昔の営業マン時代を思い出した出来事でした。
勝って不思議な価値はあり、負けて不思議な負けは無し。