4月21日の中級では、新型のABS付きCB1300に乗りました。
その印象です。
当然のことながらエンジンは快調で、またアクセルの反応が良くなっているようです。旧型は2000回転のあたりでドンつきがあったのですが、そこのところがマイルドというか、連続的なトルクの変化になっていて、そういう意味ではアクセルコントロールがやりやすくなっているように思えます。ただ、トルクそのものは大きいので不用意に開けるとやはりリアが流れることは変わっていません。
フロントサスがやわらかいように感じました。サスペンションが新しくてスムーズに動いているということなのか、もしくはセッティングが変わったのかはわかりません。ただ、旧型と同じように倒し込んでいくと、歯止めなくどんどん倒れ込んでいく感じがあります。一度だけだと思うのですが、ステップセンサーに止まらずクランクケースとシフトペダルまで接地するという場面もありました。ですからブレーキをかけながら倒し込んでいくような時にはあっさりとステップを擦ることになります。そういうサスペンションの状態と関係しているのでしょうか。
コーナリングの最後にスピードが落ちたところでセルフステアでペタンとハンドルが切れてしまうことがありました。こういう現象は旧型の1300、ホネ900、CB750のそれぞれでも起こるのですが、ちょっと起こり方が違うという感じがしました。これについては後述します。
問題のABSですが、直線でブレーキタッチを試してみるような時には、あまり違和感はありません。コーススラロームで強めにブレーキをかける場所ではABSが働く場合が多い、つまり結構普通に走っていてもABSは作動します。そのために制動距離は目測よりも短かったり、長すぎたりすることがあるようです。
つまり、コーナーへのアプローチでは無意識に進入速度を合わせるようにブレーキを調整していると思うのですが、ABSによってブレーキが緩むとそれに対するライダーの反応としてブレーキを強める(「あっ、突っ込む」と思って)のだと思います。
もう一つ、ロックしにくくなるということで、リアブレーキを使い易くなり、多用するようになるように思います。リアブレーキに頼ることでやはりスピードが落ちやすくなるのと、同じように緩んだことに対して強めに調整するという動作が入りやすくなるように思えます。
また、ABSが作動していても、バンクしている時にリアブレーキを強めに踏むとスリップして外に流れるということは同じですから注意する必要があります。
総じて、リアブレーキを使い過ぎないようにすることがポイントなのかもしれません。
さて、恥ずかしながら、この日、2回同じ場所で転倒してしまいました。せっかくの新車をと、お叱りを受けそうですが、失速ゴケですので、車両のダメージはありませんのでご安心ください。ただ、後で色々考えてみると上記のような車両の特性に自分のスタイルが悪いほうにかみ合ってしまったように思えますので、あえてレポートしておきます。
場所は図の④の部分です。アプローチはかなりスピードがあがるところで、強いブレーキングから大きめの右旋回から小さい右旋回につながりそこでZターンで左に切り返すというところです。
で、何が起こったかと言うと、パイロンCのところで小さく回ってまさにアクセルを開けてバイクを起そうとする直前にハンドルが右にペタンとフルロックまで切れて、切れたフロントタイヤがブレーキになり、そこでバイクが目一杯寝ていたためにバイクを起こせず失速ゴケするというパターンです。
一回目はそこでアクセルを開けてリアを滑らせながらも立て直したのですが、二回目はどうしようもなく転倒。そばで見ていたM本さんに「さっきと同じですね」と言われ苦笑いしながら復帰。ところが次の周も同じことが起こってしまったのです。そのときは、なぜ、その同じ場所で切れ込みが起こるのかわからないまま、アクセル開かない症候群に陥り、回復するまで10周以上かかる羽目になりました。
それは滑るとかぐらつくという挙動ではなく、一瞬にしてコントロール不能になってしまうことと、1年前の怪我が状況は違うのですが、アクセルを開けすぎてハンドルが勝手に切れてハイサイドしたことのトラウマとつながっているので、私個人としてはかなりきつかったのです。
色々と原因と対策を探ったのですが、下図のように、bとcを二つに分けてcにアプローチするスピードをきちんと作ってからcを回るとハンドルの切れは起こらないことがわかりました。その下の図は、もとのラインと比較したものです。
現時点で考えている原因はこういうことです。
1)そもそもラインを難しくしていた。
2)ABSによって、自分が考えているイメージよりも実際には失速していた。そのため、自分の意思と関係なくセルフステアが起こった。
3)失速はアプローチの時点ですでにスピードが不足しているか、もしくは旋回中に引き摺っているブレーキの効きでコーナリング終盤のスピードが不足したかのいずれか、もしくは両方の可能性がある。
で、対策は色々考えられます。
1)ABS付きは「練習にならない」とか何とか言って乗らないようにする。
2)ラインを変える。常にアプローチスピードを再調整できるようなラインを選ぶ。
3)失速する分を計算してアプローチ速度を高める。
4)バイクを寝かせないコーナリングをする。
5)この日のK島さんの教えにあった様に、体のタメを作ってリーンアウト気味に切り増すような操作を積極的に行い、セルフステアがペタンと来る前に自分の手でフルロックを作ってしまう。
6)リアブレーキを使わない。
7)早めにパーシャルを作ってしまい、多少膨らんでも、コーナリングのスピードを維持する。
8)鬼軍曹コーナリング(一気にバンクさせながらハンドルもフルロックまでこじってしまい、ただしスピードは落とし過ぎない天晴れなコーナリング)
アイデアはあっても実際にその通りにできるかどうかが問題です。次回から、順々に試してみようと思います。
その印象です。
当然のことながらエンジンは快調で、またアクセルの反応が良くなっているようです。旧型は2000回転のあたりでドンつきがあったのですが、そこのところがマイルドというか、連続的なトルクの変化になっていて、そういう意味ではアクセルコントロールがやりやすくなっているように思えます。ただ、トルクそのものは大きいので不用意に開けるとやはりリアが流れることは変わっていません。
フロントサスがやわらかいように感じました。サスペンションが新しくてスムーズに動いているということなのか、もしくはセッティングが変わったのかはわかりません。ただ、旧型と同じように倒し込んでいくと、歯止めなくどんどん倒れ込んでいく感じがあります。一度だけだと思うのですが、ステップセンサーに止まらずクランクケースとシフトペダルまで接地するという場面もありました。ですからブレーキをかけながら倒し込んでいくような時にはあっさりとステップを擦ることになります。そういうサスペンションの状態と関係しているのでしょうか。
コーナリングの最後にスピードが落ちたところでセルフステアでペタンとハンドルが切れてしまうことがありました。こういう現象は旧型の1300、ホネ900、CB750のそれぞれでも起こるのですが、ちょっと起こり方が違うという感じがしました。これについては後述します。
問題のABSですが、直線でブレーキタッチを試してみるような時には、あまり違和感はありません。コーススラロームで強めにブレーキをかける場所ではABSが働く場合が多い、つまり結構普通に走っていてもABSは作動します。そのために制動距離は目測よりも短かったり、長すぎたりすることがあるようです。
つまり、コーナーへのアプローチでは無意識に進入速度を合わせるようにブレーキを調整していると思うのですが、ABSによってブレーキが緩むとそれに対するライダーの反応としてブレーキを強める(「あっ、突っ込む」と思って)のだと思います。
もう一つ、ロックしにくくなるということで、リアブレーキを使い易くなり、多用するようになるように思います。リアブレーキに頼ることでやはりスピードが落ちやすくなるのと、同じように緩んだことに対して強めに調整するという動作が入りやすくなるように思えます。
また、ABSが作動していても、バンクしている時にリアブレーキを強めに踏むとスリップして外に流れるということは同じですから注意する必要があります。
総じて、リアブレーキを使い過ぎないようにすることがポイントなのかもしれません。
さて、恥ずかしながら、この日、2回同じ場所で転倒してしまいました。せっかくの新車をと、お叱りを受けそうですが、失速ゴケですので、車両のダメージはありませんのでご安心ください。ただ、後で色々考えてみると上記のような車両の特性に自分のスタイルが悪いほうにかみ合ってしまったように思えますので、あえてレポートしておきます。
場所は図の④の部分です。アプローチはかなりスピードがあがるところで、強いブレーキングから大きめの右旋回から小さい右旋回につながりそこでZターンで左に切り返すというところです。
で、何が起こったかと言うと、パイロンCのところで小さく回ってまさにアクセルを開けてバイクを起そうとする直前にハンドルが右にペタンとフルロックまで切れて、切れたフロントタイヤがブレーキになり、そこでバイクが目一杯寝ていたためにバイクを起こせず失速ゴケするというパターンです。
一回目はそこでアクセルを開けてリアを滑らせながらも立て直したのですが、二回目はどうしようもなく転倒。そばで見ていたM本さんに「さっきと同じですね」と言われ苦笑いしながら復帰。ところが次の周も同じことが起こってしまったのです。そのときは、なぜ、その同じ場所で切れ込みが起こるのかわからないまま、アクセル開かない症候群に陥り、回復するまで10周以上かかる羽目になりました。
それは滑るとかぐらつくという挙動ではなく、一瞬にしてコントロール不能になってしまうことと、1年前の怪我が状況は違うのですが、アクセルを開けすぎてハンドルが勝手に切れてハイサイドしたことのトラウマとつながっているので、私個人としてはかなりきつかったのです。
色々と原因と対策を探ったのですが、下図のように、bとcを二つに分けてcにアプローチするスピードをきちんと作ってからcを回るとハンドルの切れは起こらないことがわかりました。その下の図は、もとのラインと比較したものです。
現時点で考えている原因はこういうことです。
1)そもそもラインを難しくしていた。
2)ABSによって、自分が考えているイメージよりも実際には失速していた。そのため、自分の意思と関係なくセルフステアが起こった。
3)失速はアプローチの時点ですでにスピードが不足しているか、もしくは旋回中に引き摺っているブレーキの効きでコーナリング終盤のスピードが不足したかのいずれか、もしくは両方の可能性がある。
で、対策は色々考えられます。
1)ABS付きは「練習にならない」とか何とか言って乗らないようにする。
2)ラインを変える。常にアプローチスピードを再調整できるようなラインを選ぶ。
3)失速する分を計算してアプローチ速度を高める。
4)バイクを寝かせないコーナリングをする。
5)この日のK島さんの教えにあった様に、体のタメを作ってリーンアウト気味に切り増すような操作を積極的に行い、セルフステアがペタンと来る前に自分の手でフルロックを作ってしまう。
6)リアブレーキを使わない。
7)早めにパーシャルを作ってしまい、多少膨らんでも、コーナリングのスピードを維持する。
8)鬼軍曹コーナリング(一気にバンクさせながらハンドルもフルロックまでこじってしまい、ただしスピードは落とし過ぎない天晴れなコーナリング)
アイデアはあっても実際にその通りにできるかどうかが問題です。次回から、順々に試してみようと思います。
僕は新車のABS付き車両は、とにかくサスがよく動くしアクセルにリニアにトルクが出てくるので、後輪のABSの利きやすさのデメリットは目をつぶり、「絶賛派」なのですが、@sushiさんが転倒したというb~cのところ、原因は
・サスがよく動く(フロントの縮み側のみならずリアの伸び側も)ので、今まで以上にキャスタ角が立ち、舵角の切れ込みが強くなった
のもあると思います。新車については CB1300 のみならず CB750 も同様で、乗り味が気持ちよい反面『操作ミスも如実に挙動に表われる』と思いました。これは NEON さんも同意見でしたね。
なので、この b~c、自分がこのコースを走っていないので確たることは言えませんが、「早い時期からアクセルの遊びをとって、『FIを目覚めさせておく』」ことが良いように感じます。
余談ですが、僕が新車に乗ったのは 22 日の上級でしたが、通常バリアブルがそれまでの 105% (当社比)ほどスムーズに走れたような気がしました(笑)
>サスがよく動く(フロントの縮み側のみならずリアの伸び側も)ので、今まで以上にキャスタ角が立ち、舵角の切れ込みが強くなった
さっそく鋭いご指摘をありがとうございます。
サスのセッティングというよりは、フレッシュであることがフロントの沈みを強くさせて、結果としてキャスタが立ったというのは、かなり正しいのではないかと思います。
ステップなどの接地の仕方からみてサスの沈みが強く出ていることは確かですから、実感と合ってますね。
③から④にかけては、スピードがのるところで、フロントサスが目一杯沈み込むところです。ですからここで最もハンドルの切れ込みが起こりやすくなったというのは、肯けるところです。
ちなみに、光Ginjiさん。この場合、セッティング調整としてフロントの縮みを強め、リアの伸びを抑えるようにするとハンドルの切れはマイルドになると思いますか?
そもそも、コーナリングの最後にセルフステアが(旧型と比べて)想定以上にペタンと利いてしまったという動作は感じましたか?
このブログの読者さんで新型のCB1300ABSやCB750を経験された方で、同じように感じた方はおられますか?
似たような感想をおっしゃっていた方もおられるので、もしかしたら色々な経験があったのではないかと思います。
できれば情報をお寄せいただいて、みなで共有しませんか?
> フロントの縮みを強め、リアの伸びを抑えるようにする
については、多くの人が、
・フロントの圧側を強める
・コシを出すため、油面を上げる
・不等ピッチのバネ(HyperProなど)を入れる
セッティングを好むことから、フロントの踏ん張りを強める傾向にありますね。
リアについては、圧側、伸側とも「タイヤが路面にしっかり追随する」よう、比較的弱めにするケースが多いかと思います。
「セルフステアがぺたんと」利く感じは、むしろ僕には望ましく感じられましたね。いつもターン後半でバイクが起きすぎる乗り方がある程度抑止されて、「スムーズ感」が出ていたように思いました。
(その代わり、無駄なミス操作は、ターン後半のバイクを起こそうとする加速フェーズなのにハンドルがフルロックまで切れ込む、などのおかしな挙動として素直に表われてしまいました。)
いずれにせよ、『動くべきところがちゃんと動く』のは、セッティグのベースとなる『基本整備』なので、これがしっかりなされている車両で練習することは、ライディングの「センサー」を磨くチャンスである、ということだと思います。
>その代わり、無駄なミス操作は、ターン後半のバイクを起こそうとする加速フェーズなのにハンドルがフルロックまで切れ込む、などのおかしな挙動
ということは、やはり、コーナリングの最終局面で意図に反してハンドルが切れ込むということはあったのですね。
上記コースアウトの⑧のような細かいオフセットでも同じような切れ込みはあったのですが、そこら辺は低速のセクションですね。それでバイクが立っているのと、ブレーキが強くないので、切れ込み方が弱い。そういうところではそういう切れ込みを予想しながら積極的にハンドルを切っていくという動作は楽しかったのですが‥‥‥‥。
しかし④では、ともかくバイクが目一杯寝ていて、体では起こしようがなかったという印象です。
いやいや、精進と挑戦のテーマが尽きないですね。
運転するだけで精一杯。そこまで余裕ありませんが、
私も非常に興味あります。
バイクに合わす。バイクを合わす。どちらも間違いではなく正しい方法と思います。色々と試して発見するもの楽しい事でしょう。
でも、最後には元の状態、メーカー指定の標準値に戻してくださいね。
私のような凡人には、万人向け仕様でないと混乱してしまうんです。恥ずかしながら。
>色々と試して発見するもの楽しい事でしょう。
でも、最後には元の状態、メーカー指定の標準値に戻してくださいね。
私自身も、HMSで乗るときにチューニングということは今までにはしたことがないので、この話題には興味津々です。
たまに、左右不均等であったり、ノーマル位置にないことがあって、講習前の点検項目の一つですね。まあ、過去の経験では終了後の清掃の時にそういう状態で走っていたことに気が付くことも多いのですね。(笑)
私が知る限りでは、フロントのプリロードの調整は、縮み側の内側のスクリューがセンター位置、伸び側の外側のボルトが4段目と聞いたように思いますが、それでよろしかったでしょうか?