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安全性の確保の視点(3)

2006年11月04日 | 中級テクニック
 環境要因的なリスクに関して、もう一つの話題です。上級の常連の人たちは皆知っているのですが、旧コース全般(特に4番から5番のエリア)では、水捌けを良くするために路面に傾斜がついています。上図のバリアブルのコースで言うと、中央を境として矢印の方向に下がる傾斜がついています。

 最近の上級クラスでも、⑧のところで2名の転倒者が出ました。⑧の走り方はちょっと独特の要因がありますから、一概には言えませんが、ブレーキングやライン取りの方法やそれがもたらす結果とは別に環境的な要因も影響した可能性があります。つまり⑦から⑧に向っては「下り坂」になっているということです。

 下り斜面でUターンをしようとすると、自分が考えているよりもバンク角が大きくなります。そうすると倒し過ぎたり、あるいはアクセルの開け過ぎでスリップアウトする危険性が高くなります。
 図の⑧⑩⑫の左ターンは下り斜面のターンになります。⑨⑪の右ターンは上り斜面のターンになります。

 もしかしたら、あなた自身の経験として、⑧⑩⑫ではステップを擦るが、⑨⑪では擦らないということがあって、それで左ターンはうまくいくが、右ターンは苦手だというような印象を持つことがあるかもしれません。
 それには、いくつかの要因があります。もともと⑩⑫は旋回半径が大きいのでどちらかと言えば「寝かせて回る」コーナーになります。⑨⑪は小さく回らなければいけないので「立てて小さく回る」傾向が出ます。ただ、⑩⑫を小さく回れる人もいます。それだけでなく、傾斜の違いによってそういうコーナーの特性が増幅されることもあるということです。



 このような路面の特性は、上図の①のコーナーのようなケースでは端的に出るようです。①は、アプローチスピードが高く、そして、上り斜面から下り斜面に差し掛かるところでブレーキングに入り、そこから下り斜面でのUターンになるわけです。そのために、頑張り過ぎるとフロントからでもリアからでもスリップアウトする可能性があるわけです。
 実際に、このような設定で、大きな転倒を目撃したことがあります。
 上り斜面から下り斜面に差し掛かって、いわば山を越える形になり、フロント荷重が抜けたところからブレーキングをするためにブレーキングに無理がかかった可能性があります。そこから下り斜面のUターンになったのでフロントかリアが抜けたのだろうと考えられます。
 まあ、このようなことは、上級の中でも極めて挑戦的なライディングを試みる局面であるかと思いますが、ステップをするかどうかというった反応として表れるので、ちょっと意識してみると、自分のライディングスタイルを理解するのに役立つだろうと思います。

 皆さん、ご精進あれ !!


PS:念のため、追記しておきますが、通常、HMS受講時にはイントラさんが、あぶないところはちゃんと警告してくれますし、そういうことを避けるようなレイアウトを設定してくれます。安全に関して、HMSサイドでは(私から言わせれば必要以上、、、、と言いたいくらい)気を使っています。このような斜面でなく、平らな所でも頑張り過ぎれば転倒するのは当たり前です。ただ、その「当たり前」の限界に対する微妙な違いがあるので、そこは参加者一人ひとりが自覚しないといけないですね、というのが私の言いたいことです。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
何度もすみません。 (イチロー)
2010-10-22 20:43:43
セーフティの解説はよくわかりました。
こちらでは、このようなレイアウトは経験していませんが、スタート集合地点の手前のゴールは減速しています。

[立てて小さく回る]
この方法はどこかにありますでしょうか?
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>イチローさん、 (@sushi)
2010-10-22 22:20:52
スキル体系の目次~基本操作編
ラインC
http://blog.goo.ne.jp/sushi306/e/7e54d28fb4b40a3e02492674b2b78eb3
「立てて小さく回る」を参照してください。
この話は、ABCの比較などいくつかのエントリーがあります。

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