目次のページを見ていただくとわかるのですが、最初に目次を立てた時から置いておいた項目で「ステロイド」というのがあります。「行き詰ったときに」とありますが、コーススラロームがイメージ通りに上手く走れなくてひどく落ち込んだ時に試してみると良い特効薬みたいなものがあると考えていました。
ステロイドというと、オリンピックのドーピングとかを連想して、イメージが悪いので「カンフル」と言い直した方が良いかもしれません。急性の症状に対して、すぐに効く薬ということを考えています。
そういうものが幾つかあるはずだと思って、目次の大項目に立てたのですが、今日に至るまで、最初に考えた二つの項目以上のものを思いつけません。そこで、そろそろ記事にしようと考えました。
一つ目のステロイド(カンフル)は、「スピードを落とす」ということです。
4番あたりのオフセットスラロームでは調子よく走れるのに、コースが変わって市街地に行くと、とたんにイメージ通りに走れなくなるということが、中級の半ばで走っている頃にはよくあります。その頃には、オフセットパイロンのようなラインの制約がないスペースで、自分が都合の良いように走っている時には、セルフステアが利いて、うまく回れるようになっています。ところが、市街地に行くと芝生のブロックによって、旋回半径が規制されるようになります。そして要求される旋回半径が、自分が上手く回れるパイロンスラロームでの旋回半径と異なっている(多くの場合は、それよりも微妙に広い)時に行き詰まりを感じるようになります。
もっとうんと大きな旋回半径(公道で走るような)であれば、無意識的にパーシャルスロットルを作り、何気なく回ってしまうのですが、1速の1000回転から2500回転の間で走るような小さな旋回半径ではアクセルの操作は微妙なものになります。中級の半ばくらいのスキルでは、そこがうまくコントロールできないのです。しかし、そのくらいのポジションにいると、自分が実際に上手に回れる半径とそうでない旋回半径を識別するほどの経験がありませんので、「何だか理由が分からないけどうまく行かない」というフラスト状態に陥りやすいのです。
そういう時に試してみるべきことがあります。
その第一弾が「スピードを落とす」です。意気地ないことのように思えるかもしれませんが、理屈はこうなります。以下は4コマ漫画です。
市街地のコースを走る時に、好ましいのは回るべきコーナーブロックの三つの角を舐めるように綺麗な円弧を描けることです。全てのコーナーブロックに対してこのように膨らまず、失速せずというスロットル操作、倒し込み、セルフステアができているようであれば、それは立派に上級のテクニックを身につけていることになります。特に難しいのはスロットル操作です。
実際にはなかなか難しくて、中級の半ばのスキルでは、あるコーナーはうまく回れても、別のコーナーは上手く回れないということになります。
大抵の場合は、自分のスピードで入ろうとすると、膨らみ過ぎてしまうのです。
それは、旋回のイメージに合わせて進入速度を作るのですが、速度が高いと倒し込みが遅れたり、セルフステアが入りにくいために膨らんでいるのです。ですから腕が上がって、きちんと倒せるようになると目標ラインに乗れるのですが、なかなかそこまでいかないのですね。
こういう時に、悩んでしまうと、手前の道幅を利用して余裕を作りたくなります。そこで進入ラインを変えてみるわけです。
実は、この結果として、ラインはさらに難しくなってしまいます。手前を膨らませることによって、後半がさらに膨らむラインになってしまうのです。こうして「気持ち悪い」ラインになってしまい、このコーナーに対する苦手意識が形成されます。
そこでカンフルを打たないといけないのですが、それが「スピードを落とす」ということなのです。
スピードを落とすのは、スピードを落とすことによって小さい旋回を作ることが目的です。オフセットパイロンを回る時に、このような小さな回転半径で回ることができているわけですから、その得意とする旋回半径を作って敢えて複合コーナーに仕立て直すことで、ラインのコントロールを取り戻すのです。
一番目の図のように回ろうとしても回れずに三番目の図のように走ってしまうよりは最後の図のようにラインを崩してでも、自分がちゃんとコントロールして走れるラインを作る方がずっと良いのですね。そのためには、自分が考えているよりもうんと速度を落として、その分小さく回り、そこでもう一度「景色を確かめる」のです。
まあ、このようなラインを意図的に走っているときに、イントラさんが後に付くと、「あそこはもっと滑らかに回りましょう」とか「道幅をしっかり使い切りましょう」といったアドバイスをもらうかもしれません。しかし、私の想像では、多くのイントラさんが、「ラインを工夫しているんだな」と理解してくれる可能性も高いと思います。
これはカンフルですから、上の理屈はピンとこなくても、ともかく調子が悪くて
自分のラインになっていないと感じたときは、まず、スピードをしっかり落として小さく回るということを試してみると、何かが変わってくる可能性があります。
ぜひ、試してみてください。
こちらは関連する記事です。
走りやすい回転半径を見つける
コントロールしやすいラインを見つける
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ステロイドというと、オリンピックのドーピングとかを連想して、イメージが悪いので「カンフル」と言い直した方が良いかもしれません。急性の症状に対して、すぐに効く薬ということを考えています。
そういうものが幾つかあるはずだと思って、目次の大項目に立てたのですが、今日に至るまで、最初に考えた二つの項目以上のものを思いつけません。そこで、そろそろ記事にしようと考えました。
一つ目のステロイド(カンフル)は、「スピードを落とす」ということです。
4番あたりのオフセットスラロームでは調子よく走れるのに、コースが変わって市街地に行くと、とたんにイメージ通りに走れなくなるということが、中級の半ばで走っている頃にはよくあります。その頃には、オフセットパイロンのようなラインの制約がないスペースで、自分が都合の良いように走っている時には、セルフステアが利いて、うまく回れるようになっています。ところが、市街地に行くと芝生のブロックによって、旋回半径が規制されるようになります。そして要求される旋回半径が、自分が上手く回れるパイロンスラロームでの旋回半径と異なっている(多くの場合は、それよりも微妙に広い)時に行き詰まりを感じるようになります。
もっとうんと大きな旋回半径(公道で走るような)であれば、無意識的にパーシャルスロットルを作り、何気なく回ってしまうのですが、1速の1000回転から2500回転の間で走るような小さな旋回半径ではアクセルの操作は微妙なものになります。中級の半ばくらいのスキルでは、そこがうまくコントロールできないのです。しかし、そのくらいのポジションにいると、自分が実際に上手に回れる半径とそうでない旋回半径を識別するほどの経験がありませんので、「何だか理由が分からないけどうまく行かない」というフラスト状態に陥りやすいのです。
そういう時に試してみるべきことがあります。
その第一弾が「スピードを落とす」です。意気地ないことのように思えるかもしれませんが、理屈はこうなります。以下は4コマ漫画です。
市街地のコースを走る時に、好ましいのは回るべきコーナーブロックの三つの角を舐めるように綺麗な円弧を描けることです。全てのコーナーブロックに対してこのように膨らまず、失速せずというスロットル操作、倒し込み、セルフステアができているようであれば、それは立派に上級のテクニックを身につけていることになります。特に難しいのはスロットル操作です。
実際にはなかなか難しくて、中級の半ばのスキルでは、あるコーナーはうまく回れても、別のコーナーは上手く回れないということになります。
大抵の場合は、自分のスピードで入ろうとすると、膨らみ過ぎてしまうのです。
それは、旋回のイメージに合わせて進入速度を作るのですが、速度が高いと倒し込みが遅れたり、セルフステアが入りにくいために膨らんでいるのです。ですから腕が上がって、きちんと倒せるようになると目標ラインに乗れるのですが、なかなかそこまでいかないのですね。
こういう時に、悩んでしまうと、手前の道幅を利用して余裕を作りたくなります。そこで進入ラインを変えてみるわけです。
実は、この結果として、ラインはさらに難しくなってしまいます。手前を膨らませることによって、後半がさらに膨らむラインになってしまうのです。こうして「気持ち悪い」ラインになってしまい、このコーナーに対する苦手意識が形成されます。
そこでカンフルを打たないといけないのですが、それが「スピードを落とす」ということなのです。
スピードを落とすのは、スピードを落とすことによって小さい旋回を作ることが目的です。オフセットパイロンを回る時に、このような小さな回転半径で回ることができているわけですから、その得意とする旋回半径を作って敢えて複合コーナーに仕立て直すことで、ラインのコントロールを取り戻すのです。
一番目の図のように回ろうとしても回れずに三番目の図のように走ってしまうよりは最後の図のようにラインを崩してでも、自分がちゃんとコントロールして走れるラインを作る方がずっと良いのですね。そのためには、自分が考えているよりもうんと速度を落として、その分小さく回り、そこでもう一度「景色を確かめる」のです。
まあ、このようなラインを意図的に走っているときに、イントラさんが後に付くと、「あそこはもっと滑らかに回りましょう」とか「道幅をしっかり使い切りましょう」といったアドバイスをもらうかもしれません。しかし、私の想像では、多くのイントラさんが、「ラインを工夫しているんだな」と理解してくれる可能性も高いと思います。
これはカンフルですから、上の理屈はピンとこなくても、ともかく調子が悪くて
自分のラインになっていないと感じたときは、まず、スピードをしっかり落として小さく回るということを試してみると、何かが変わってくる可能性があります。
ぜひ、試してみてください。
こちらは関連する記事です。
走りやすい回転半径を見つける
コントロールしやすいラインを見つける
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「オフセットスラロームでは調子よく走れるのに、コースが変わって市街地に行くと、とたんにイメージ通りに走れなくなる」
「何だか理由が分からないけどうまく行かない」
「気持ち悪い」ライン
全部当ってる・・・orz
前回からCB400に変えて練習し始めたのは、先々の上級を目指し、新しい乗り方を導入してペースアップを図る為なのですが、ひとつにはとりわけ市街地コースで余裕を持って走り小さいターンを練習して上手くなる為に自分で考えた特効薬でもあります。意外と効きそうな気がしているのですが・・。
カクッとまわった方がいいのか
スムーズにつなげたほうがいいのか
クリッピングをどこに?とか
たまにコースから脱輪してました
確かにいろいろ試す為にあるスクールですから
次回やってみます
>ビギナーライダーさん、
市街地コースは結構微妙で、好きになる時期と、好きになれない時期がありますね。
それは、本文で書いているように、倒し込みの速さ、バンク角、アプローチスピード、車両の特性、ブレーキングの加減、ハンドルの切れ角などがうまくマッチするコーナーとそうでないコーナーが分かれてくるからだと思います。どんな旋回半径でも確実に回れるようになると良いのですが、私自身、かなり納得できるようになったのはごく最近なのです。
これはとても奥が深いテーマですね。頑張りましょう!