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クラスの選択(上級のスピード)

2006年08月17日 | 全般
 これから上級に挑戦しようと思っている方達の最大の関心は、上級のスピードについていけるか?ということでしょうね。私もそう思っていました。ただ、今では、速さよりも正確さが優先ではないかと考えています。前稿で述べた通り、基本はコースをこわさないこととミスコースをしないことです。細かいコースで、そのような精確な操作ができるかどうかがまず重要だろうと思います。提供されるサービスの水準そのものがレベルダウンするということは好ましいことではありません。

 ミスコースをしない前提として、コース案内で「千切られることのない」スピードで走るということになりますが、そこに関しては中級で走っていてもある程度のスピードの水準に達している必要があります。
 上の図は、筆者が独自の方法で計測している走行タイムを基準にして、上級、中級の人のスピードの分布を推計したものです。実際には一人ひとりを測ったわけではないですし、ましてや他のクラスの人の計測は直接的には無理です。
 これはあくまで筆者の経験による推計値だとお考えください。また、話の都合上、多少単純化したり誇張して表現しているところもあります。

 この図で見ると上級グループの特徴は、先頭と後尾の間のタイム差が小さくまとまっていることです。山が二つありますが、左側の山は俗に「特上」と呼ばれている一握りの人達で、本当に速いです。右側にもおっと大きな山がありますが、毎月2回以上参加するような常連さん達の間では、コンマ何秒という程度の差しかつかないような、いわば実力伯仲状態にあります。
 従って、上級グループは最大で7秒程度のタイム差の間で走っています。もちろん、これは常連さんの集まりを想定したもので、ご新規さんが入ってくればその分布は変わります。
 これに対して、中級の分布は、もっと幅が広いものになります。最速から最後尾までにこの例では約20秒の速度差があります。実際にはさらに幅が広がることもあって、遅い方では80秒から90秒という人がいることもあります。速い方で言うと、中級の単独開催日で上級クラスの人が参加すると、図の三段目のような分布になります。いずれにせよ、中級には相当速い人からかなり遅い人まで分散していて、スピードのばらつきは大きくなります。

 コース案内で「千切られる」と表現しましたが、「千切られる」というのは概ね前走車と6秒離れれば「千切られかけている」状態であり、11秒離れれば「完全に千切られた」状態だろうと考えられます。6秒と表現した意味は、もともと隊列で走っている時には車両間隔が最低1秒あって、そこから5秒遅れるということです。
 コースの走行スピードは57秒で走っている時には平均で秒速7.9メートル時速28kmとなります。従って、6秒で50メートル弱、11秒で90メートル弱、離されている計算になります。
 どんな感じになるかということは下の図を参考にしてください。



 この図では丸数字で示されたライダーは約4秒間隔でコース上を走っている状態をイメージしています。従って⑧と⑥の間は約8秒、⑧と⑤の間は12秒ということになります。⑧と⑥くらい離れるとコースを見極めることが困難になり、⑧と⑤では、前走車の状態はまったく見えなくなります。ましてや必死に追い付こうとしているので視線が近くなり、コースの先を読むというのはもう無理でしょう。

 しかしいくら上級と言えども、コース案内でいきなり飛ばしていくということはありません。通常2周くらいはゆっくり走ってコースを覚え、それからペースを上げてラインを探っていくことになります。だからその2周でコースを覚えてしまえば、千切られかけてもそのこと自体は問題にはなりません。
 2周でコースを覚えるためには、コーススラロームのレイアウトに慣れている必要があります。ある程度の回数、中級に参加してコーススラロームのコースがどのように組み立てられているのかを理解する必要があります。もちろん、当ブログのコースレイアウト図で研究されるのもよろしいかと思います。慣れてくると、横から眺めただけでもある程度のレイアウトは把握できます。(一方で、これだけ通い詰めても、時として、えっ!と驚かされるような目新しいレイアウトが出てきます。これもイントラさん達の凄いところだといつも感心します)

 ということで、ミスコースしないために、速やかにコースレイアウトを把握できるようにコーススラロームの経験を積むという課題を加えました。で、スピードの問題ですが、できれば遅れは5秒以内にとどめたいところです。これはもちろん私の個人的見解です。参加を決めるのはご自身の判断ですが、10秒遅れると相当苦労されると思います。

 5秒以内という時間を最初の図のタイムスケールに当てはめると61ないし62秒程度で中級の中では上位3分の1位までのグループになります。10秒となると中級の真ん中よりも後ろということになります。
 ただ、このタイムスケールは中級基本バリアブルを基準にしていますので、もっと上級らしい細かいコースになるとタイムは変わってきます。上級の常連さんはコースが細かくなってもスピードが落ちませんが、細かいコースに慣れていない人はがっくりとスピードが落ちてしまうことがあります。

 前回の記事と合わせて、少し上級参加へのハードルを高くしてしまったように思えて気が引けます。このブログのテーマは「いつかは上級へ」ということ目指して頑張ろうということですので、どうも趣旨に反していますね。
 そこで、次回は、遅くても上級に参加する秘訣?と言いますか、ある種のエチケットについて書くことにします。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
遠い道 (TNA)
2006-08-17 10:46:10
全く感覚的な話なのですが、現状の私は、上のスピード分布図上で恐らく70~72あたりに位置していると思います。



今のところ、中級に長~く通って基本的な技量を上げる事のみに関心があり、上級に上がる事については少しも意識していない状態ですが、それにしても遠い道である事が解ります・・。



こちらのブログで、現実に対する心構えを造り上げた上で今後の長期的計画を立てて行くことができ、大変幸いです。
>TNAさん (@sushi)
2006-08-17 21:35:10
TNAさん、こんにちは。

伸び代が大きいということは、楽しみが多いということですよね。上記の数字は全くの目安で私だけが個人的に使っている数字ですが、練習すると一歩一歩前進していくことが実感できます。特にTNAさんのポジションは(ややご謙遜とは思いますが)一番変化が現れやすい(私の場合は、その辺では一回ごとに変わっていくのが実感できたと思います)ところですから、やりがいがありますよ。



そして、上のスケールで60を切る位になると(それまでとは違って)上級のことが気になって気になってしかたがなくなるのです。



どうぞTNAさんもとことん深みにハマってください。



指標 (さしみ)
2006-08-18 12:46:46
sushiさんこんにちは



いつも拝見させていただいております。



今回、自分の位置がどの辺りかという良い指標をいただいたような気がします。

中級参加時に、上級の方が前を走られていると、間髪を入れずに追従するのですが、たいがい4分の1コース離されてしまいます。

16秒も離されている計算になりますね。

いくら頑張っても追いつかないわけです・・・。



早い=ミスをせずきっちり走る、というのを最近ようやくわかってきたので努力はしているのですが、なかなか道は険しいようです。



いつかは!憧れの赤ゼッケンを目指して!!精進いたします。
>さしみさん (@sushi)
2006-08-18 22:38:22
さしみさん、こんにちは。



 いつも長い文章にお付き合いいただいてありがとうございます。タイムを測るというのは、速さばかりを気にするということで良し悪し両方あると思います。それでも、ある種客観的に状況を把握できるという点では良かったような気がします。最近ではストップウォッチを忘れると落ち着きません。こんなことは誰にもお勧めできる方法ではありませんので、結果を他の方にも利用していただければという思いでチャートにしてみました。



>早い=ミスをせずきっちり走る

やはり、それが基本で、コースによらず自分のペースが常に維持できるように操縦の精度を上げることが大切ですね。



>いつかは!憧れの赤ゼッケンを目指して!!

いいですね、早くいらしてください!



なるほどー (RR)
2006-08-18 23:21:39
一連の上級チャレンジシリーズ、なかなか目にすることのない常連さんの本音をよくぞ語ってくださいました。なるほど、ペースの違いそのものが本質的な問題ではないのですね。



年初に桶川で行われたジムカーナの練習会で似たような話がありました。当日の参加者がとにかくパイロンを倒しまくるので、スタッフは「パイロンを倒されないように」とだんだんコースを緩くしていき、仕舞いにはスピードの乗る切り返しが直線になったり、キツいZ字が穏やかなS字になったり。たまりかねたスタッフの一人が流れを止め、「どんどん練習にならない簡単なコースになっていくけど、それでもいいんですか?」と参加者を一喝



タイムスケールですが、速い人が50秒足らずで駆け抜けるセッティングの市街地コース(とみもさんと頭を捻った例の貸し切り中級HMSです)で、上級ボリュームゾーンにいる人と中級先頭グループのタイム差が実測で4秒ほどありました。おそらくスケールの54~55あたりと58~60あたりに該当する人たちなので、推定とおっしゃいながらも境界付近の精度はかなり高いと思います。



コースで千切られる感覚・・・私見だと2秒遅れで「ぜんぜんついていけない」、4秒遅れだと「ぶっちぎられた~」でしょうか。@sushiさんの提示された5秒はかなりぎりぎりの線かもしれません。私もいつかは手駒の1000RRですいすい上級を走れるようになりたいものですが、、、最近少々自分のバイクをもてあまし気味(^^;)



前に着いていけない→必死で走る→フォーム崩れる→さらに遅くなる→二次曲線的に疲労蓄積→パイロンタッチや転倒の危機迫る! な負のスパイラル、上位クラス初挑戦者のほとんどが経験してきたんでしょうね。でもこのblogを読んだ人は、きっとステディな走りで実り多い上位クラスデビューを飾れることでしょう 初級から中級へのステップアップを考えている方にも参考になるいいエントリだと思いました。



P.S. 私の上級初参加も平日追加開催でした。参加者は上級常連4名+中級挑戦者3名、イントラはNGCさんとY下さん。なんと贅沢な組み合わせだったのでしょう!

(長文ご容赦)
>RRさん (@sushi)
2006-08-19 23:11:53
 RRさん、こんにちは。



 桶川の中級のバリアブル基本コースは、実走450メートルで、平均速度は概ね毎秒8メートルだなんてことをすらすらと言える人は、イントラさんにもいないわけで、これは私しか知らないノウハウです。確かめてくれる人もいないだろうと思っていたのですが、そういえば、RRさんは貸切の時にビデオ記録されていたのですね。

 裏付けていただけるとはありがたいことです。



 また情報があればぜひ教えてください。

 色々と楽しみです。



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