倉敷市立自然史博物館では、特別展「昆虫とあそぼうよ」を開催中(~9/16)ですが、その展示の中には「カイコ」もいます。展示室でカイコを飼って、触れるようにしてあります。(世代を繰り返すので、現在は小さいカイコです)
触ったり眺めたり、こどもも大人も興味津々の様子です。サナギになりそうな幼虫は、この画面右奥の小さな仕切りの中に入れて、まゆが出来上がります。
特別展では、そのマユを使って指人形を作るコーナーもあって、下の写真のような様々な見本につられて、子どもたちが集まっていました。(次のマユができるまでストックが少なくなっています)
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さて、カイコを眺めるのみなかなか楽しいのですが、展示の中の「フン染め」は衝撃でしたのでご紹介したいと思います。
カイコが食べきった葉を取り除くと下にはフンが落ちています。それを集めて乾燥させたものを煮出すと、毛糸や絹の布を染めることができる。というものです。カイコの食草はクワだけなので、クワ色素エキスが凝縮したフンを利用して染め液を作り、無媒染、ミョウバン、鉄、など、媒染を変えて色の変化も実験してあります。
更に、実験好きのこの方は、様々な幼虫のフンを集めて、種類ごとにフン染めをした見本を展示してありました。(見本は全て絹布でした)
作例に使ってあった虫の種類と食草は以下のようなものでした。
(オオスカシバ・クチナシ) (イチジクヒトリモドキ・イチジク) (マイマイガ・カナメモチ)
(モンクロシャチホコ・ソメイヨシノ) (ネプチューンオオカブト・市販の腐朽材チップ)
(マイマイガ・ウバメガシ) (マイマイガ・モミジ) (ヒメクロイラガ・ヤマザクラ)
(イボタガ・キンモクセイ) (モモスズメ・ウメ) (キイロスズメ・ナガイモ)
(ヒメアカタテハ・ヨモギ) (アケビコノハ・アケビ) (セスジスズメ・サトイモ)
(ナミアゲハ・ミカン) (モンシロチョウ・ブロッコリー) (カイコ・クワ)
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虫のフンをカップ1杯集めるなんて、想像もつきません!それを10種類以上試してみるなんて・・・!それに比べれば、普通の草木染めは軽いものと思えてきました。
「フン」と聞くとくさいような気がしますが、植物だけを食べた幼虫の糞は無臭。サクラを食べたフンは桜餅の香りだそうです。しかも、毛糸の場合、染めあがると肌触りが大変やわらかくなります。
以上、「フン染め」という草木染ジャンルに衝撃を受けた報告でした。子どもが興味を持てば、夏休みの自由研究にもなることでしょう。
フン染めですか・・・
色々染の材料になるのですね。
ゾウのフンで紙を漉く話は読んだことがありましたが。
生きてるカイコを実際に見て触れるのもすごいです。
宮城県のどこかの小学校でカイコをお世話して繭の繊維で6年生が紙を漉いて卒業証書を作っているところがありますよ。
色々な体験ができていいですね。
見せてくださってありがとうございます♪
桜の木の下で、ピンセットでフンを集めた、という話も聞きました。そんな糸で布を織ったら、高価なものになりますね。。
カイコのお世話をほんの少ししましたが、見ていて飽きることがありません。子どもたちもとても熱心に眺めていくのが楽しいです。
カイコの文化を知っておくのは大切ですね。
染めた布がカイコから生まれた絹だというのもおもしろいと思いました。
私のまごの小学校でも、3年生が毎年カイコを飼育していて、うちも去年経験しました。
卵を数個ずつもらってひとりずつ飼育ケースで責任を持って育てるようで
学校が休みの日はそれぞれ自宅に持ち帰ってめんどうをみていました。
カイコが繭をつくり、それが羽化して成虫になるところまで見届けるもので
繭をゆでることはしませんでしたが。
虫嫌いの子もいたのでしょうけど、特に問題ないみたいでした。
生き物を身近に感じる教育はぜひとも続けていってほしいと思います。
ミントさんのコメントにある卒業証書づくりも素敵な取り組みですね。
お孫さんの学校の取り組みはすばらしいですね。
持って帰って世話するのは良い経験になること間違いなしでしょう。
生きものという観点、生活に利用できるという観点、様々なアプローチがあるものですね!
今回博物館では、固くなったマユの端を少し切ってサナギを生きたまま取り出して、マユはマユで利用、サナギは成虫になって交尾産卵へ、と分けていました。
私の世代は、小学校でかいこ飼っていましたね
文房具店でくわの葉っぱ売っていました、
思い出しました、それを糸にしたり、まゆで
細工の思い出しました。
カイコのこと、思い出を教えてくださって
ありがとうございました。
クワの葉を売っていたとのお話も
大変おもしろいですね。
そちらの地方だけのことなのか、
全国的なことなのか、興味がわきました。