バードバスの
朝日が射し込む陽だまりに
ツグミが佇んでいる。
毎朝やってきて
ゆっくりと水を啄ばむ。
そして縁にとまると、黙して動かない。
ぴょんぴょん飛び跳ねて
地面を動き回っている日頃のイメージと違って、
邪魔さえ入らなければ
軽く10分、20分はじっとしている。
ときおり首を傾げ
空を仰ぎ
まっすぐに前を向き…
ひたむきなその眼差し。
遠くの風に
耳を澄ませているような、
空ゆく光を
見つめているような。
なにを思っているんだろう。
北へ旅立つ春の兆しを
感じているのか。
それとも
冷たい朝の美しさや
あふれる光を
ただ享受しているのか。
そんなわたしの心を見透かすように、
ふとこちらを見る。
きっと、
言葉になどできず
また言葉にする必要などない
もっとずっと
美しく清らかな想念なのだろう。
翼あるものたち。
健気で潔く、崇高ないのち。
ほっそりした体型なのに
朝のバードバスでは
いつでもこのツグミボール姿。
寒いらしく、
羽毛をふくらませている。
ふんわりまんまるで可愛らしい。
その名の由来は、
日本では
さえずらずに口をつぐんでいるから。
ツンドラの森で
恋をするときツグミは
どんな歌を、歌っているのだろう。
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