どんなに若くったって死ぬときは死ぬ。齢を重ね老いて病を得て逝くまでのプロセスは死出の旅路のウォーミングアップみたいなもの、ないよりは、あったほうがいい。ぼくより若い人が先に逝く親しい人、疎遠な人みんな遠慮なく逝ってしまう今日は5年前に旅立った友人の命日。5年前の今日の夕方知らない番号で携帯が鳴った名前を聞いても、はあ?と思うばかりタチの悪いいたずらに思えた。ゆっくり話をして分かった。相手がしどろも . . . 本文を読む
ツレはぼくを「狂気の人」という。どこがそうなのか聞いても教えてくれない。「自分がいちばんよく知ってるでしょ」とひと言。好きこのんで狂気の人と暮らすツレは男気の人、奔馬の手綱さばきによほど自信があるんだろう、ちっとやそっとのことに動じる人ではないからさ。自分の周りにカミソリを呑むような鋭利な人はいない。芸能界で突出するのは先年亡くなった樹木希林さん。彼女は人を射すくめるというか、本質を見抜く人。希林 . . . 本文を読む
志村けんさんが亡くなった。こんな死にかたしたくなかったろうにむねんだね、せつないね。コロナ陽性が判明してから1週間もしないうちに、体調不良を訴えてから2週間たらずで永眠された。もしぼくが新コロナに感染したら志村さんと同じような死にかたをするんだろな...肺疾患、喫煙50年、糖尿病予備軍・・・ほかにもある救急の医師が言っていた持病持ちで高齢の患者が新コロナに感染すると、あっという間に手がつけられない . . . 本文を読む
画像は夜のお散歩で歩いた戸越銀座
太陽と月のどちらが好きかと問われたら、迷わず月。
他の月の本と比べてこの2冊は月の写真が多いからいい。厚木マンションの書架の前でどの一冊を品川に持っていくか、さんざ迷ってこれにした。(一度に一冊が鉄の掟)
ここには書棚もブックエンドもない。床に積むか、机の下に放り込むかの二択になるけど、まだまだ余裕があるのさ(^O^)
月の本:20 . . . 本文を読む
寝坊した。とりとめのない夢の中に力道山がいた。
ぼくが小学生時代のわが家はテレビがなかった。村にある唯一の食堂というかラーメン屋を営む同級生の女の子の家でテレビを見ていた。
彼女んちの風呂釜が調子わるいと風呂を借りに来る、母親同士が仲良しの家族ぐるみの付き合いだった。
白黒テレビは布におおわれ床の間の前に鎮座する。プロレスの放送時間になるとひとりふたりと村人が来て、せまい6畳間にすし詰めでも . . . 本文を読む
ISBN978-4-7630-1330-9 初版2014年2月6日 求龍堂発行布団の中で目が覚めて、あくびしながら横を向いた。二度寝のかまえは目があかないとき、眠くて眠くてまわりがかすんで見える。
要塞のような積読本(つんどくほん)背表紙の一冊が気になった。数年前に遠来の友が送ってくれた。栞と一緒のメモに達筆で「お前の好みだろ」と書いてあった。
「確かにそうだ」と口に出す前に、そのメモの達筆の . . . 本文を読む
2018年9月15日(75歳没)狂気の人がまたひとり泉下に旅だった。
彼女は自分の中の狂気をいたわり慈しみながら天然を装い何事もないように逝った。
内田裕也氏が云う「見事な人」というのがしっくりくる。彼が求めて求めてやまないモノを希林さんは持っていた。そんな気がする。
この二人はあの世に行っても切れない縁(えにし)希求と拒絶を繰り返す赤い糸。
ある意味うらやましい。希林さんは誰と結婚しても . . . 本文を読む
土曜日午後2時に雀友の車を待っていた。アルファード乗りの友人が3人の家を順番に回って拾う最後がぼくの家だった。
4人揃ったところで白提灯を注文してある仏壇屋に向かった。7月13日~16日の新盆に間に合うタイミングが今日の集いになった。途中の和菓子屋で供物を買う者、仏壇屋で木箱入り線香にする者などそれぞれが用意した供物の熨斗に名前を書くのはぼくの役目なのだ。
店が用意した熨斗紙に持参した薄墨と小 . . . 本文を読む
もうすぐ桜桃忌(6/19)。毎年5月の今頃になると今年は行こうか行くまいか迷う。距離的に三鷹は近いけど、心理的に遠いところ。
2011年9月半ば、古書店の店先で古い週刊誌を立ち読みしていた。「昭和23年太宰治と心中した山崎富栄の遺体」と題された表紙に視線が止まり、思わず買ってしまった週間朝日。
太宰治の心中相手がなぜ山崎富栄なのか、自殺未遂4回の太宰と知りながら岡惚れした山崎富栄は情死も辞さな . . . 本文を読む
鳥を見ると撮りたくなるのと同じで本でもチラシでも活字を見ると読みたくなる。月に10冊~15冊の本を読む。仕事用の資料を含めるともっとになるけど、義務感で読むのは右から左に流れて記憶に残らない。
小説を読めなくなってもう20年くらい経つ。では何を読むかというと、好きなのは人物評伝のたぐいで次にルポルタージュ、近代詩集、漢詩唐詩、エッセイ、雑誌、週刊誌、機関誌百科事典、専門誌、論文etc.
K . . . 本文を読む