goo blog サービス終了のお知らせ 

水滸聚義

中国古典『水滸伝』の紹介や考察を行っています

好漢紹介 孫新

2010-10-02 | 好漢紹介 地煞星8
  ちすうせい  しょううつち  そんしん
 地数星 小尉遅 孫新


 登州の居酒屋の主人。瓊州の軍人の家の出身。丈高く力強く、兄の孫立と共に唐の名将・尉遅恭になぞらえ、あだ名は小尉遅。槍と鞭の使い手。妻は顧大嫂。

 ある時、親類の解珍・解宝兄弟が無実の罪で投獄されてしまう。孫新・顧大嫂夫婦は、親類の牢役人楽和や登雲山の賊の鄒淵・鄒潤らとともに牢を破って解兄弟を救い出すことを企てる。登州の兵馬提轄である兄の孫立は反対だったが、孫新に半ば強引に説得されて牢破りに加わる。見事解兄弟を救い出した一行は、登州を離れ梁山泊へ身を投じようとする。おりしも梁山泊は祝家荘との戦中。一行は、孫立の知古の欒廷玉を訪れるふりをして祝家荘へ潜入。戦いのさなか、内部から祝家荘を攪乱し梁山泊軍を勝利に導いた。

 入山後は顧大嫂と共に、山の麓の見張りの居酒屋を営む。北京戦、東平府戦に参戦。北京戦では李応、史進と共に一隊を率いて戦った。また、顧大嫂、王英・扈三娘、張青・孫二娘とともに、田舎の夫婦のふりをして北京城に潜入し、合図と共に城内で暴れ回った。

 梁山泊での席次は第100位、東山酒店で情報の探知を行う。

好漢紹介 顧大嫂

2010-10-02 | 好漢紹介 地煞星8
  ちいんせい  ぼたいちゅう  こたいそう
 地陰星 母大虫 顧大嫂


 登州の居酒屋の女将。二、三十人の者が束になってかかっていっても敵わないほどの剛の者で、あだ名は母大虫。眉は粗く、眼は大きく、肥った顔。夫は孫新。解珍・解宝の母方の従姉。

 ある時、従弟の解珍・解宝兄弟が無実の罪で投獄されてしまう。孫新・顧大嫂夫婦は、親類の牢役人楽和や登雲山の賊の鄒淵・鄒潤らとともに牢を破って解兄弟を救い出すことを企てる。登州の兵馬提轄である義兄の孫立は反対だったが、孫新に半ば強引に説得されて牢破りに加わる。見事解兄弟を救い出した一行は、登州を離れ梁山泊へ身を投じようとする。おりしも梁山泊は祝家荘との戦中。一行は、孫立の知古の欒廷玉を訪れるふりをして祝家荘へ潜入。戦いのさなか、内部から祝家荘を攪乱し梁山泊軍を勝利に導いた。

 入山後は孫新と共に、山の麓の見張りの居酒屋を営む。北京戦、東平府戦に参戦。北京戦では扈三娘、孫二娘と共に一隊を率いて戦った。また孫新、王英・扈三娘、張青・孫二娘とともに、田舎の夫婦のふりをして北京城に潜入し、合図と共に城内で暴れ回った。東平府の戦いでは、乞食のふりをして城内に侵入、牢に捕らわれていた史進に差し入れをし、みそかの夜に内応するように伝えた。

 梁山泊での席次は第101位、東山酒店で情報の探知を行う。

好漢紹介 張青

2010-10-02 | 好漢紹介 地煞星8
  ちけいせい  さいえんし  ちょうせい
 地刑星 菜園子 張青


 孟州十字坡の居酒屋の主人。もと孟州光明寺の菜園の番人で、あだ名は菜園子。額とほお骨は高くとがり、ひげはまばら。登場時三十五、六歳。かつて、いざこざを起こし光明寺の仏僧を殺して寺を焼き払い、追い剥ぎに身を落とした。ある時、荷物を担いだ老人に襲いかかるが、返り討ちに遭う。老人は、若年の頃から追い剥ぎで世を渡ってきた人物で、張青は腕を見込まれ武芸を仕込まれ、老人の娘の孫二娘の婿に迎えられることになった。その後、十字坡に居酒屋を構え、旅人に痺れ酒を盛って、死体をばらして肉を売りさばくという裏家業をやっていた。

 ある時、妻の孫二娘がいつものように客に痺れ薬を盛り荷物を奪おうとしていたが、客の男にこれを見破られ逆に懲らしめられる。張青が慌てて詫びを入れにやってきて訊くと、その男は、孟州へ配流途中の武松だった。虎殺しの武松の名を聞き及んでいた張青・孫二娘は恐れ入り、武松を手厚くもてなし、義兄弟の契りを結んだ。その後、孟州で命を狙われた武松が、張都監一家を惨殺して逃げてくると、これを迎え、身を隠すために行者の身なりをさせ、青州二竜山の魯智深と楊志を頼っていくように勧める。その後、武松の誘いで張青・孫二娘夫婦も二竜山へ身を寄せる。青州の官軍との戦いを経て、二竜山の好漢たちは梁山泊に身を投じる。

 入山後は孫二娘と共に、山の麓の見張りの居酒屋を営む。北京戦、東平府戦に参戦、北京戦では孫二娘、孫新・顧大嫂、王英・扈三娘とともに、田舎の夫婦のふりをして北京城に潜入し、合図と共に城内で暴れ回った。東平府の戦いでは、王英、扈三娘、孫二娘とともに民家に伏兵し、絆馬索で董平を落馬させこれを生け捕った。

 梁山泊での席次は第102位、西山酒店で情報の探知を行う。

好漢紹介 孫二娘

2010-10-02 | 好漢紹介 地煞星8
ちそうせい  ぼやしゃ  そんじじょう
地壮星 母夜叉 孫二娘


 孟州十字坡の居酒屋の女将。追い剥ぎ強盗であった父親に武芸を仕込まれており、あだ名は母夜叉。父の追い剥ぎの弟子である張青を婿に迎える。その後、十字坡に居酒屋を構え、旅人に痺れ酒を盛って、死体をばらして肉を売りさばくという裏家業をやっていた。

 ある時、孫二娘はいつものように客に痺れ薬を盛り荷物を奪おうとしていたが、客の男にこれを見破られ逆に懲らしめられる。張青が慌てて詫びを入れにやってきて訊くと、その男は、孟州へ配流途中の武松だった。虎殺しの武松の名を聞き及んでいた張青・孫二娘は恐れ入り、武松を手厚くもてなし、義兄弟の契りを結んだ。その後、孟州で命を狙われた武松が、張都監一家を惨殺して逃げてくると、これを迎え、身を隠すために行者の身なりをさせ、青州二竜山の魯智深と楊志を頼っていくように勧める。その後、武松の誘いで張青・孫二娘夫婦も二竜山へ身を寄せる。青州の官軍との戦いを経て、二竜山の好漢たちは梁山泊に身を投じる。

 入山後は張青と共に、山の麓の見張りの居酒屋を営む。北京戦、東平府戦に参戦、北京戦では扈三娘、顧大嫂と共に一隊を率いて戦った。また張青、孫新・顧大嫂、王英・扈三娘とともに、田舎の夫婦のふりをして北京城に潜入し、合図と共に城内で暴れ回った。東平府の戦いでは、王英、扈三娘、張青とともに民家に伏兵し、絆馬索で董平を落馬させこれを生け捕った。

 梁山泊での席次は第103位、西山酒店で情報の探知を行う。

好漢紹介 王定六

2010-10-02 | 好漢紹介 地煞星8
  ちれつせい  かくせんば  おうていろく
 地劣星 霍閃婆 王定六


 建康府付近の居酒屋。足が速くあだ名は霍閃婆。イナゴのようにとがった頭、鋭い目つき。痩せており、水泳と棒術を好むが免許皆伝までには至らない。兄弟順は六番目。父と共に酒屋を営んでいた。日頃から梁山泊の宋江の仁義に厚いうわさを聞いていて仲間入りしたいと考えていた。

 梁山泊軍の北京遠征の際、宋江は背中に大きな腫れ物を患い、死の危険に陥る。張順は知り合いの名医安道全を山寨に迎えるために建康府へ向かうが、途中潯陽江で追い剥ぎの張旺と孫五に襲われる。張順は川に捨てられたところを逃げのび、王定六の酒屋にたどり着いた。王定六は張順の世話をし、これをもてなした。張順が安道全を上手く仲間に引き入れた後、王定六は張順が張旺を討つのに協力する。日頃から梁山泊の宋江の仁義に厚いうわさを聞いていて仲間入りしたいと考えていた王定六は、張順の勧めで父親と共に梁山泊へ向かい仲間入りすることになる。

 入山後、凌州戦では行方不明になった李逵の捜索に出た。また東平府の戦いに参戦。郁保四は王定六は郁保四とともに梁山泊軍の挑戦状を東平府の程知府へ届けた。しかし董平の怒りを買い、二人はずたずたになるまで棒で打たれて逃げ帰り、山寨で養生することとなった。

 梁山泊での席次は第104位、北山酒店で情報の探知を行う。

好漢紹介 郁保四

2010-10-02 | 好漢紹介 地煞星8
  ちけんせい  けんどうしん  いくほうし
 地健星 険道神 郁保四


 青州の盗賊。身の丈一丈、腰は幾抱えもある大男であだ名は険道神。二百人ほどの部下を引き連れ、青州で盗賊をしていた。

 郁保四は、梁山泊の楊林・石勇・段景住が北辺で軍馬を買い求め帰ってくる途中を襲い、二百頭の馬を奪い取り、これを手みやげに曽頭市に身を投じた。首領晁蓋の仇をまだ果たしていない梁山泊軍はいきり立ち曽頭市へ攻め込む。曽頭市は敗色が濃くなると、郁保四を人質に出し講和を求めた。いったん講和を受けた梁山泊軍だが、講和する気はさらさらなく、呉用は人質の郁保四を解いて降伏させ、計略を授けて曽頭市へと帰した。郁保四は、史文恭に「梁山泊は降伏する気はない、青州・凌州の援軍と力を合わせればこれをうち破れる」と伝え、曽頭市軍を誘い出し、これにより曽頭市は計に当たって大敗した。

 入山後、東平府の戦いに参戦。敵将の董平を見知っていた郁保四は王定六とともに梁山泊軍の挑戦状を東平府の程知府へ届けた。しかし董平の怒りを買い、二人はずたずたになるまで棒で打たれて逃げ帰り、山寨で養生することとなった。

 梁山泊での席次は第105位、もっぱら帥字旗を棒持する頭領。

好漢紹介 白勝

2010-10-02 | 好漢紹介 地煞星8
  ちもうせい  はくじつそ  はくしょう
 地耗星 白日鼠 白勝


 済州安楽村のばくちうち。あだ名は白日鼠。排行は大郎。かつて東渓村の晁蓋の元に身を寄せていたことがある。

 東渓村の晁蓋が、呉用、公孫勝、劉唐そして阮氏三兄弟の六人とともに義を結んで、不義の財である生辰綱(北京の梁中書から東京の太師蔡京へ送られる十万貫の誕生日の贈り物)を強奪することを企てたとき、白勝はこの策に協力を求められた。白勝は、酒を売りに行く商人に扮して、生辰綱を輸送中の楊志率いる役人一行に痺れ薬入りの酒を飲ませ、生辰綱強奪を成功に導いた。しかし、その後、白勝が事件に関わっていたという情報が漏れ、済州の観察使何濤が白勝の家を家捜しすると土に埋めた金銀が見つかった。白勝は妻と共に役所へ連行され、拷問に堪えかねて、生辰綱強奪に関わった晁蓋と仲間たちの素性を白状してしまい、晁蓋らは身を追われ梁山泊へ身を寄せることとなる。白勝は済州の死刑囚牢へ投獄されていたが、のち梁山泊の呉用の策で済州の牢からの脱獄に成功し、梁山泊に身を寄せた。

 入山後は歩兵の頭領を勤める。宋江が江州にて囚われの身となると、晁蓋らと共に江州へ乗り込んでいって、処刑間際の宋江を救い出した。つづく無為軍の戦いでは、侯建・薛永と共に城内に潜入した。その後、祝家荘戦、高唐州戦、曽頭市戦、東昌府戦に参戦。高唐州の戦いでは、楊林と共に雨のように矢を浴びせかけて高廉を負傷させた。曽頭市の戦いでは、劉唐と共に負傷した晁蓋を馬に乗せて血路を切り開いた。東昌府の戦いでは、東平府の宋江に援軍を求めに行った。

 梁山泊での席次は第106位、機密を伝達する頭領四員のひとり。

好漢紹介 時遷

2010-10-02 | 好漢紹介 地煞星8
  ちぞくせい  こじょうそう  じせん
 地賊星 鼓上蚤 時遷


 薊州界隈の泥棒。高唐州の出身。忍び込みの名手で、あだ名は鼓上蚤。体は柔らかく、眉は濃く鋭い目つき。かつて薊州の役所に捕らえられたことがあったが、牢役人の楊雄に救ってもらったことがあった。

 さっぱり芽が出ないある日、翠屏山で墓荒らしをしていると楊雄と石秀に出会う。二人は楊雄の妻の潘巧雲を殺したところで、梁山泊へ身を投じようとしていた。こそ泥生活でうだつの上がらない時遷は、二人に同行して梁山泊へ身を寄せることにする。三人は梁山泊のほど近く祝家荘の居酒屋に立ち寄って食事を摂るが、時遷は店の鶏をこっそり盗んで調理して食べてしまった。時を告げる大切な鶏を喰われた店の者は怒り、村の者200人が三人を捕まえに押し寄せる。逃げる途中、時遷は熊手に引っかけられて取り押さえられてしまい捕虜となる。逃げた楊雄と石秀は梁山泊に身を投じ、祝家荘と梁山泊の間に戦争が起こる。結果、梁山泊軍が祝家荘軍を打ち破り、時遷は救い出されて梁山泊へ仲間入りを果たした。

 入山後は、主に情報探知の酒場を担当した。対呼延灼戦では、徐寧を仲間に引き入れるため下山し、東京の徐寧の家に忍び込み家宝の賽唐猊を盗みだし、徐寧をおびき寄せた。北京の戦いでは、城内に潜入し翠雲楼に火を放って一斉攻撃の口火を切った。凌州の戦いでは、楽和・李雲・王定六とともに勝手に下山した李逵を探しに遣わされた。曽頭市の戦いでは、先行して曽頭市の様子を探った。また東昌府の戦いに参戦した。

 梁山泊での席次は第107位、機密を伝達する頭領四員のひとり。

好漢紹介 段景住

2010-10-01 | 好漢紹介 地煞星8
  ちこうせい  きんもうけん  だんけいじゅう
 地狗星 金毛犬 段景住


 北辺の馬泥棒。涿州の出身。髪は赤く、鬚は黄色く、あだ名は金毛犬。痩せていて、粗野な身なり。

 金国の王子の名馬・照夜玉獅子を盗み、それを手みやげに梁山泊に仲間入りしようとしていたが、その途中、曽頭市を通りかかったとき、曽家の五虎に照夜玉獅子を奪われてしまう。曽頭市の連中が梁山泊を討伐するべく気勢を上げてたため、段景住は梁山泊に身を寄せてこのことを伝えた。

 入山後は、北辺へ馬を買いに行く係を務める。楊林・石勇と共に北辺で二百頭ほどの馬を買ってくるが、その帰路青州の盗賊郁保四の一団に襲われ馬を奪われてしまい、逃げ帰ってこのことを報告する。郁保四は、そのまま曽頭市に身を寄せ、梁山泊と曽頭市に間に再び戦争が起こった。その後、東平府の戦いに参戦した。

 梁山泊での席次は第108位、機密を伝達する頭領四員のひとり。