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ボケは慰めになるか

桃の花が咲く頃妻の友が幾人かで話が盛り上がる。

私はお茶を準備するのみ。お呼びではない。

元気な頃の妻を思い出す。つい人間失格をPCで読む。

記憶と全く違った。試しに親しんだ安倍公房もひく。

あれほど取りつかれたように読んだはずの物が変。

中学の時トルストイに熱中、高校では図書館に詰めた。

それは変身でカフカに熱中。城、審判で三年が過ぎた。

その頃砂の女の映画が評判になっていた。

映画を観なかったが安倍公房を知り本を読む。

何処かカフカを連想させた。

砂の女を初めに読み不条理に惹かれた。それ以降時間を

見つけ読んだ。最後に妻の所に帰らず水を貯める方法を

思いつく。ここは納得できた。だが箱男、さくら丸の辺

りになると理解できない。

結婚してからも何度も読んだ。

 

それが昨日改めて読むと初めての感覚。頭がどうかした。

空白のまま。頭に入らない。頭が壊れた。

これがボケという物かも。最近見落としが多い。書類にも

大事な項目に目を通したはずがチエックもれに。

ボケは忘れる事と新しいものが入らないの同時進行のよう。

 

それでもまだ目の前の修理はできる。身の回りの事ができる

内はいいかと慰める。

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