負けるな知的中高年◆本ときどき花のちコンピュータ

「知の崩壊」とかいって、いつの間にか世の中すっかり溶けてしまった。
「知」の復権に知的中高年よ、立ち上がれ!

彼岸花がきらわれるのは人間の身勝手さによる

2004年09月17日 | 詞花日暦
自然に生活をしている生物は……
惜しげもなく利用したいものに利用さしている
――今西錦司(生態学者・人類学者)

 彼岸花はなぜか不幸な花である。人々に嫌われるさまは日本中に分布するなまえに表れている。シビトバナ(死人花)、ステゴクサ(捨子草)、ハヌケグサ(歯抜草)、ヤクビョウバナ(厄病花)ときりがない。火炎草や曼珠沙花などはまだまし。理由は花期に葉を落とし、花茎を直立させて赤く咲き乱れる姿のせいだろう。
 くわえて盛んな花なのに、けっして実を結ばないこと、花茎には苦い味の汁が滲み、繁殖する球根には「リリコンという毒分」含むこともあったろう。球根は水でさらせば、食用のでんぷんになる。飢饉のときなど、人々はこれで飢えをしのいだことをすっかり忘れてしまったのだろう。
 ついでに、江戸時代の西川如見著『長崎夜話草紙』からヒントを得た「赤い花なら 曼珠沙華 オランダ屋敷に雨が降る……」の「長崎物語」の「お春」も、ジャカルタに渡った不幸な少女。今西錦司は、自然には無駄も浪費もない、実を結ばなくても昆虫に役立つ花であればいいといっている。人間の「料簡のせまい自然観」に関係なく、彼岸花は咲き乱れている。

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10 コメント

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お尋ねします (菅原孝雄)
2004-09-17 10:53:04
あなたは彼岸花、

好きですか、嫌いですか?



ブログを検索すると、季節柄、彼岸花がたくさん登場。不思議に「キライ派」と「スキ派」に分かれています。で、あなたはどちら派でしょうか? その理由もお書き願えれば、幸いです。
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あまり好きではありません (みく)
2004-09-19 15:57:14
悲しい 想い出が甦って来るからです。 HPさわりしか読ませて頂いておりませんがまたお邪魔致します。
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いいお母さん (菅原孝雄)
2004-09-19 18:23:18
お立ち寄り、ありがとう。そちらにもお邪魔しましたが、いい家族の歴史といまがよく伝わってきます。うらやましいです。サイトもことばもよく抑制されていて、お作りになった人の性格を表しているのでしょうか。こちらは硬い内容で心安めにもなりませんが、たまにお立ち寄りください。少し前に愛媛県双海町出身の青年に四国でお相手いただきました。夕日の町で売り出しているんですって?

瀬戸内海のような多島海を見ると、時々刻々変わる光景に呆然としてしまいます。
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コメントありがとうございました☆ (人魚姫)
2004-09-20 02:36:26
はじめまして。初めての方からのコメントで本当に嬉しかったです!!

そしてこちらへおじゃましに来ちゃいました♪彼岸花の知識が増えました~☆

そしてほかの所も読ませていただいたのですが、どれもとても面白いです。すごく色んな知識が増えて楽しいです!!

これからちょくちょくおじゃまさせていただきます。

彼岸花についての感想の補足なのですが、私は『切ない』ものが好きで。少し悲しい、とか少し曖昧だとか、『少し~』と言う感情は『切なさ』に繋がる気がしませんか?とても悲しい、とか、とても辛い、だと切なくはなれない。切なさは色々なものの狭間に潜んでいて、私は、そんな切ない事が大好きで。切ない事は儚くて。

彼岸花はそんな切なさと儚さを感じさせてくれる気がするのです。ただ赤く綺麗に咲いていない。

知らない間に茎だけを伸ばして、赤い花を咲かせて。いっぱい咲いているのになんだか切ない感じがするのです。細い花びらだけが強調されて切ない感じです。勝手に咲いて勝手に白く枯れていくんですよ...。

なんだか上手く文章が書けてなくてごめんなさい...。判りにくい気がします...。

もしよろしければ、私のページにもまた遊びに来てください☆

身にならない話ばかりですが(^^;)
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あっ (人魚姫)
2004-09-20 02:53:59
一応、遊びに来て頂きやすいようにURLを...。さっきのコメントに付け忘れて...。それでは~☆
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お立ち寄り恐れ入ります (みく)
2004-09-20 06:23:44
菅原様 有難うございます。タイトルに魅せられて立ち寄らせて頂いたお部屋。 どの日も、最初のコメントが光ります、いいですね。 知識も無く、ストレートにしか表現出来ない私です。 

学ばせて頂きなさいと言う導きでしょうか。

出会いによって世界が広がります。 一日一日さかのぼって拝見させていただきますね。

早く新しい一日に漕ぎ付けたいと念じながら。
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彼岸花の好きな人は・・・ (人魚姫さん)
2004-09-20 07:35:22
今度はブログをさかのぼって拝読。大学生、何かのデザインを勉強している…。バイトも恋も忙しく、せつなく多感な世代なんですね。カタブツのお父さんの話を聞くつもりで、時折、訪ねてきてください。私は娘の心のうちを見守るようにまた拝見させていただきます。でも大切なことは、自分のデザイン作品を創ること。恋の悩みは作品に昇華するようにも思えます。
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みくさん (菅原孝雄)
2004-09-20 07:41:47
みくさんのようなお母さんがいるのを想像すると、家族も悪くないなあ、うらやましいなあと思います。自分の家族ってどうしてこうならなかったのかなあ。きっと、ご主人がいい方なんでしょうね。
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私は彼岸花が好きです (noppiki)
2005-09-24 21:20:43
彼岸花を見ると、何故か終戦直後に亡くなった妹を思い出します。2歳になる前でした。

母親にはつらい思い出も、当時5歳だった私には、よい思い出として残っています。

彼岸花を見つけると、妹を思い出し、立ち去りがたい気持ちになります。

家に持ち帰ると火事になると言われていたので、今も持ち帰ることはできません。



実は縁起が悪いとは思っていませんでした。

家に持ち帰ると土手が淋しくなるから、人の眼を愉しませるための戒めかな、と思っていたのです。

彼岸花は、土手で見るのが一番美しいと思います。



子供の頃は、よく彼岸花で聴診器を作って遊びました。大人たちもニコニコして見守ってくれていたように思います。
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noppiki様 (菅原)
2005-10-01 19:06:16
コメントが遅くなりましたが、書き込み、ありがとうございます。戦後の焼け野原でも、田舎の土手でも、必ず咲いていましたね。ここにコメントを寄せていただいた女性の方はおばあさまのお葬式と重なっているそうです。それにしても不思議な形の花ですね。やたらと目についたものです。
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