合衆国の法律には、機械を相手どって
訴訟が起こせる規定があるんですか
――スタニスワフ・レム(SF作家)
ポーランドの作家スタニスワフ・レムは、それほど一般になじみがない。最近、リメイクされた映画『ソラリス』の原作者である。むろんタルコフスキーの映画『惑星ソラリス』も同じで、この頃から日本にもやや広く知られた。ただし世界的には、前衛SF作家として高名である。
最初期の作品にサイボーグをテーマにした喜劇がある。舞台はアメリカ、さまざまな人体改造を受けたプロのカーレーサーが人体機器製造会社に訴えられた。裁判は冒頭から被告の認定尋問でもめる。召喚状が送付されたのは、「機械にか、それともこのおれ?」。訴えられているのは、れっきとした人間か「単なる物品」か。法廷は混乱の内に延期される。
サイボーグは『ターミネータ』『ロボコップ』のアメリカだけではない。人造人間『フランケンシュタイン』『ゴーレム』の古い歴史がヨーロッパにもある。人間が未来に託す科学の夢というより、むしろ人間喪失のほうが大きなテーマ。社会機構も人間も機械化された時代への警告と見るべきだろう。
訴訟が起こせる規定があるんですか
――スタニスワフ・レム(SF作家)
ポーランドの作家スタニスワフ・レムは、それほど一般になじみがない。最近、リメイクされた映画『ソラリス』の原作者である。むろんタルコフスキーの映画『惑星ソラリス』も同じで、この頃から日本にもやや広く知られた。ただし世界的には、前衛SF作家として高名である。
最初期の作品にサイボーグをテーマにした喜劇がある。舞台はアメリカ、さまざまな人体改造を受けたプロのカーレーサーが人体機器製造会社に訴えられた。裁判は冒頭から被告の認定尋問でもめる。召喚状が送付されたのは、「機械にか、それともこのおれ?」。訴えられているのは、れっきとした人間か「単なる物品」か。法廷は混乱の内に延期される。
サイボーグは『ターミネータ』『ロボコップ』のアメリカだけではない。人造人間『フランケンシュタイン』『ゴーレム』の古い歴史がヨーロッパにもある。人間が未来に託す科学の夢というより、むしろ人間喪失のほうが大きなテーマ。社会機構も人間も機械化された時代への警告と見るべきだろう。
結構いろいろと考えられますね。
クローンが登場してしまったら、もっと厄介なことになるのでしょうね。
人間としての尊厳も含めてですが。