天 主 堂 出 版  カトリック伝統派 

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幼な子に倣いて 聖女小さきテレジアの実践された愛の道 シルベン=ブスケ神父著

2015-04-30 04:46:41 | 幼きイエズスの聖テレジアが実践した愛の道
幼な子に倣いて 聖女小さきテレジアの実践された愛の道
LA PETTITE VOIE D'ENFANCE SPIRITUELLE
シルベン=ブスケ神父著 

はしがき

聖女小さきテレジアが、まだ生存しておられたら、本年(1930年)で57歳でありますが、彼女は24歳(1896年)で死去し、
その後、1923年に福者に列せられ、1925年、最高の尊称である聖者の栄えある称号を受けられたのは、聖会史上異例のことであります。
殊に感嘆すべきことは、その御死去後間もなく、全世界の隅々に至るまで、信者は一致して、司教を通じて教皇聖下に、小さきテレジアを福者の
列に加えられるよう請願したのは、めずらしいことでありました。

彼女は、これほどまでに、人々から尊敬されるほど人目につくような偉業を行われたのでしょうか?
いえいえ、決してそうではありませんでした。
これは、一つには、彼女の御取次ぎによって、霊魂上又は肉身上に恵みを受けた幾多の人々の心から自然に湧きいづる歓喜の叫びでもあったのでしょうが、
しかし、天主様がある者に奇蹟を行う恵みをお与えになる場合には、必ず特別の深い思し召しが在る事を忘れてはならないのであります。
なぜならば、ある聖人に奇蹟を行わせられるのは、それはその人に超自然の使命をもたせてあることを天主様が保証われているようなものであるからです。

聖女小さきテレジアも、やはり一つの使命をもっておられたのは疑うことができません。
彼女が世を去る少し前に、
「天に昇ってから薔薇の雨(恵み)を降らす」
という約束をされたとおり、その後、絶えず全世界に恵みの雨を降らされているのを見ても、
彼女が特別の使命をもっておられたことが明らかであります。