天 主 堂 出 版  カトリック伝統派 

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聖心聖月 6月は聖心の月 第11日~第20日(聖心のお悲しみ編)全30日

2015-06-11 06:00:13 | 聖心聖月 6月は聖心の月
第11日 聖心のお悲しみ その1

イエズスは、三位一体の天主の第一格であられる、聖なる御父にお別れを告げて、
楽しみ、喜び、幸福に満たされた天国を去り、
憂愁と災禍に満ちた涙の谷(この世)にお下りになりました。
このことは、聖心のお悲しみのはじまりでした。


三位一体の天主の第二格であられる聖なる御子は
天国におられ、天国は、幸福と喜びと楽しみに充ちあふれていました。
三等九品の(すべての階級の)諸天使は、燃え立つばかりの熱愛をもって三位一体の天主に奉仕し、
美しい音をかきならして、天主の御徳を讃美して歌うのでした。
このような幸福なる国を去って、この世に降られたことは、
まるで、太陽が前を去って、暗黒の淵に沈むような感じがいたしました。

三位一体の天主である聖なる御子が
この世にいらっしゃったとき、
少数の善人が、善業と徳行とをもって
聖心をおなぐさめ申し上げました。

その他の人々は、もっぱら虚栄を求めて、むなしい楽しみにふけっていました。
善をいやがり、悪を好み、悪魔は勢いづいて好き放題していました。

このような有様ですから、聖心は、大いにお悲しみになりました。

わたしたちは、わたしたちの救霊のため、栄誉と幸福とを棄てて、
この世に降ってくださった三位一体の天主である聖なる御子に深く感謝し、
三位一体の天主である聖なる御子イエズスに倣い、
自分のすべてを天主に献げないわけにはまいりません。

特に、自分の智慧、意志、記憶の3つをを犠牲として、
聖心に献げないわけにはまいりません。

これらをを献げた以上は、
悪事あるいはこの世のむなしい事のために自分の智慧を働かせてはなりません。
自分の智慧は、ただ、天国と天国の義を求めるためだけに使い、
聖なる御心のお好みになることを好むように自分の意志を使い、
天主の光栄と救霊とに必要な事物に留まるためにだけ、自分の記憶を使わないわけにはまいりません。


主よ、
わたしたちが、もし、
主の聖なる御心にかなうのなら、
主の御光栄のためには、どんな悪人の社会にも進み入って、
彼等の救霊のため、困難辛苦をも辞さないことを、お誓い申し上げます。

第12日 聖心のお悲しみ その2

イエズスが、イエルザレムの聖殿に奉献されたとき、
シメオン聖人が
わが主の御苦難を予言しました。
そのとき、苦痛の剣が聖母の御心を刺し貫きました。
このことは、2つ目の、聖心のお悲しみでした。

聖母マリアは、おさなごイエズスを抱いて、聖殿に到着し、
おさなごイエズス天主に献げなさいました。
そのとき、シメオン聖人はイエズスを抱き、予言して言いました。

「ああ、この、おさなごは、いさかいをを受ける標号に立てられるでしょう。
 そして、まさに、剣が、あなたの心を刺し貫くでしょう。」
このことをお聞きになって、
聖母マリアは、するどい剣で刺し貫かれるよりも
強い苦痛を御心に感じられました。

わが主イエズスも、聖母のこの苦痛をごらんになって、
聖心に聖母と同じき苦痛を感じられました。

それは、イエズスの聖心は聖母の御心と固く一致して、ほんのわずかの時にも
離れることがないからです。

だから、イエズスの聖心は聖母の御心のうちを、明らかにご存知です。
よって、シメオンの予言によって聖母が御心に傷を受けられたとき、
イエズスもまた、聖心に傷をお受けになったのです。
この傷は、十字架上において、
槍で刺されなさった後でも、癒えることはありませんでした。

わたしたちは毎朝、聖母に向って、
聖母が聖なる御子イエズスを聖殿にお献げになったように、
わたしたちのもっている一切のものをも、
聖なる御子の聖心に献げ申し上げることを祈らなければなりません。
聖心は聖母の清浄な御手によって、
献げられたわたしたちを、イエズスの聖心の内に納めてくださいます。
そして、聖なる御こころにかなわない、一切の汚れを、
イエズスの聖心から立ちのぼる火焔をもって焼き尽してくださいます。
憂い、苦しみ、辛いこと、困難にあう人は、
聖心の内へ入るのがよいのです。
必ず大いなる安らぎを得ることでしょう。

父母の悲しみとは、父母の子の悲しみでもあります。
子の悲しみとは、子の父母の悲しみでもあります。
わたしは、今、イエズスのの聖心と、
聖母の御心との御悲しみを見て、
私の心において、深くこのことを悲しみ申し上げます。
この悲しみは、すべて、わたしの罪がもたらしたものなのです。

主よ、
お願いですから、
わたしの心を改めさせて下さい。
再び罪を犯して、主の聖心と聖母の御心とを、
悲しませ奉ることがありませんように。
また、わたしたちを、憂い、苦しみ、辛いこと、困難にあうとき、
どうか、お慰めをくださいますように。

13日 聖心のお悲しみ その3

悪王ヘロデは、イエズスを殺そうと謀ったので、
わが主は、その難を避けるため、故郷をお去りになりました。
このことは、3つめの聖心のお悲しみでした。


ある人が知人を訪問したとします。
知人の門前において、面会を謝絶されるより不快なことはないでしょう。
イエズスは、万民に天国における幸福を授けようとして、
この世にいらっしゃいました。
でも、忘恩の民はイエズスを歓迎しませんでした。。
御誕生後まだ数日もたっていないのにもかからわらず、
わが主に、故郷を去らせてしまったのです。


聖マリアと聖ヨゼフとは、天使の御告によって、
わが主を殺そうとする
悪王ヘロデの悪だくみをお知りになりました。
そこで、急いで聖なる御子を抱いて
エジプトへ避け、難を逃れました。

このとき、イエズスは父母の悲しみをごらんになり、
深く聖心に御苦痛をお感じになりました。

また、イエズスは人を愛し、いたるところで恩恵を施しになったにもかかわらず、
ある場所では、イエズスは悪魔つきだと言われ、
ある場所では、サマリア人と言われ、
ある場所では謀反人だ、神を穢す者だと訴えられるなど、
いたるところで冷遇虐待を受け、
深くイエズスの聖心は、御苦痛をお感じになりました。

あの、聖ヨハネによる福音書にも、
「イエズスはご自分の領分にいらっしゃったのに、ご自分の領民は、イエズスを受け入れなかった」
と書かれています。

イエズスは慈愛の父、哀憐の主です。
だからすべて、貧困に苦しむ者は
イエズスの御救助を願うべきです。
必ず富ませてくださるでしょう。
処置判断に苦しむ者は、イエズスに御意見を仰ぐべきです。
必ずイエズスは、知識を照してくださるでしょう。
恐怖のうちにある者は、イエズスに御援助を求めるべきです。
必ず勇気を与えてくださるでしょう。

主よ
お願いですから、
わたしたちが、どんな冷遇虐待を受けても
聖心に倣って、
柔和謙遜をもって、冷遇虐待に耐えさせてくださいますように。

14日 聖心のお悲しみ その4

イエズスが世に出て、福音を宣べ伝えなさると、
ファリサイ派や律法学者が、イエズスを妨害しました。
これは、4つめの聖心のお悲しみでした。

イエズスは柔和、謙遜、忍耐を旨としておられました。
だから御自分の身の上にかかる恥辱、軽蔑、呵責などは
甘受されていました。
でも、人を救う行動を妨害されたことは、聖心が我慢できないことでした。

そこで、ファリサイ派や律法学者等は、モーゼの律法を保護するとの口実の下に、
イエズスに種々の悪名を付けて、イエズスの宣教を妨害しました。

そのため、わが主の熱心な御行動も、
多くの人の為には、無駄になってしまいました。
このことをご覧になって、
聖心は大いに悲しまれました。

また、将来においても、
イエズスご自身がお立てになった教会が、
悪人の迫害を受けて、
忠実なる使徒、つまり、かよわき羊が
猛悪な悪いオオカミに襲われ、苦しめられることを
ご覧に成りました。
そして、聖心は大いに御苦痛を感じられました。

また、その中でも特に、
一度その身をイエズスにささげ、
生涯イエズスに奉仕することを誓った者の中にも、
主に背いて聖なるみおしえを妨害する者があることを
ご覧になって深くお悲しみになりました。

イエズスはある日、
聖女マルガリタ マリア アラコックに御出現になり
イエズスの傷ついた聖心を、聖女に示しておっしゃいました。

「これは、私が最も愛するわたしの民が私に負わせた傷である。
私の特別の愛を受けた者の中にも、
財産をむさぼり、欲にふけり、傲慢で
天主のみこころに逆らうものがある。
私が、義なる怒りを発し、その者たちを罰することは
私の心にとって、大きな苦痛である。」


主よ、
お願いですから、
司教司祭に忍耐と勇気とを与えてください。
罪悪に打勝ち、自分に委託された霊魂を守護して、
その霊魂をを救わさせてくださいますように。

15日 聖心のお悲しみ その5

ユダヤ国の滅亡。
このことは、聖心の5つ目のお悲しみでした。

人の心に生じる悲しみの原因は、種々数多くあるので、一つに絞れませんが、
ある悲しみは、信仰上のことから生じるのです。
また、ある悲しみは、愛国心より生じるのです。
イエズスは万民を愛しされましたが、
特にイエズスの本国を愛して、その民の救霊と栄えとをお望みになりました。

でも、その民は頑固であって、
わが主の愛を退け、わが主の教訓を軽んじ、わが主の広い恩をないがしろにしたので、
ついに天罰をこうむり、
天主の選民は、最もいやしい民族となり、
天下に流浪し、
荘厳美麗の聖殿、堅牢不落の城郭もすべて灰燼となってしまいました。

イエズスはこれをご覧になって、
聖心に深い御苦痛を感じ給ひておっしゃいました。

「エルサレムよエルサレムよ、
 予言者を殺し、かつ、エルサレムへ遣わされた者を石で打ち殺す者よ、
 メンドリが、ヒナを翼の下に集めるように、
 わたしは、何度エルサレムのこどもたちを集めようと望んだことであろう。
 でも、エルサレムは受け入れなかった。
 見なさい、おまえの家は廃墟となってしまうだろう。」と。


ある日、イエズスは聖女マルガリタ、マリアに御出現されました。
イエズスの全身は傷だらけで、血まみれでした。
聖心も悲しみに沈んでおられるご様子でした。
聖女も深くこのことに感じいり、
悲しみに耐えきれなくて、言葉をも出すこともできず、ただ、イエズスの御足の下に伏していました。
その時にわが主は聖女マルガリタ、マリアにおっしゃいました。

「これらは、すべて、私の愛する私の国民が、私に負わせた傷なのだ。
 わたしが、特に恩恵を施そうとして、選んだ民が、わたしに対してこのようにしたのだ。
 かれらが、もしも悔い改めなかったならば、
 わたしは義の怒りを発して、かれらを罰しないわけにはいかない。」と。

わたしたちは、
わが主の愛国心に倣って、わが国を愛します。
主よ、お願いですから、
聖心に献じられている、この日本を顧みてください。
日本を憐れんでください。
日本の国民の心のモヤモヤを速やかに取り去ってください。そして、
まことの神を認め、
正しくまことの神に奉仕することができるように至らせてください

16日 聖心のお悲しみ その6

イエズスは、
弟子の一人である、忘恩無情のユダによって、
敵の手に売られました。
このことは、聖心の6つめのお悲しみでした。


イエズスは、聖体御制定の宴において、
弟子11人が、わが主イエズスに対する熱愛によって、
イエズスの聖心に大きなお喜びをお感じになりました。

それに引き換え、
謀反人ユダは、わが主を敵に売ろうと謀りました。
こういう、大罪の身でもって、至聖なる聖体を受けたので、
わが主は、毒矢で聖心を刺されたように感じなさいました。

忘恩無情のユダは悪い心で聖体を拝領しました。
つまり、涜聖の罪があるにもかかわらず、

あつかましくも、イエズスを抱き、接吻して言いました。
「我師よ、安かれ。」
(訳注:ユダのこの言葉で、イエズスは敵の手に渡り、十字架上で亡くなることになります)

わが主は前もって、聖体をもって、ユダの不潔な心中に下られ、
このとき、また、ユダの穢れた接吻の霊を受けられました。
聖心は、深い苦痛を感じられました。

後の世においても、大罪を犯しながら、最も聖なる聖体を拝領する者もまた、
皆、この御苦痛を聖心に加える者なのです。

ある日、聖女マルガリタ、マリアが聖体拝領の覚悟をして、
祈祷に心をこらしていたとき、
イエズスが聖女マルガリタ、マリア アラコックに出現なさっておっしゃいました。
「あなたは、
 不適切な聖体拝領者が、私の心に、
 どれほど苦痛を感じさせているかを、よく考えなければならない。」

聖女はこの聖なるみことばを聞いて、恐れと悲しみとに堪えきれなくなって、
涙を流して、慎んで申し上げました。
「わたしも、また、この罪を犯して、
 聖心に御苦痛を加えたることが何度もあったことでしょう。
 私は深く私の罪を悔やみ、私の罪を償うため、わたしの生命をも全く主に献げ奉る。
 主よ、お願いですから、
 主の御旨のままに、この、婢女をお使いください。」

イエズスは、再び、聖女マルガリタ、マリア、アラコックにおっしゃいました。

「あなたは、彼等忘恩者にかわって、
 深い熱愛と敬虔とをもって、聖体を拝領し、
 彼等忘恩者にかわって、深い熱愛と敬虔とをもって聖体を拝領し、
 彼等がわが聖体に対して犯した罪を償ってほしい。」

主よ、
お願いですから、
わたしたちに、謙遜、熱愛を尽くして聖体を拝領させてください。
そして、悪人が聖体に対して犯した不敬涜聖の罪を償わせてください。
わたしたちに、聖心のお悲しみを慰めさせてください。

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