天 主 堂 出 版  カトリック伝統派 

第2バチカン公会議以前の良書籍を掘り起こし、復興を目指す

カトリック信仰の基礎 荻原晃神父著

2015-01-18 06:33:35 | カトリック信仰の基礎
序にかえて

現代は全世界こぞって、様々な方面からカトリックに対して視線を向けるようになった。そして我が国においても、各階級の人々がカトリックの精神に触れようと望んでいるらしい。聖アウグスチノの懺悔録や聖フランシスコの伝やダンテの神曲やその他のカトリック文学及び教理書を読んだ人は、カトリックの何物であるかを略了解しておられるであろう。
が、この小冊子は、直接にカトリックの信仰に入るまでの根本問題の解決を簡単に紹介するのである。
自分は、この書が読む人の心を善良に、かつ、幸福にさせるために少しでも役に立つことを望むのである。現代の日本には、世界の思潮が押し寄せて渦を巻いている。人生の航路は益々困難になり行く。自分は、この本を読む人々がその困難な航路を安らかにきりぬけて、光明の港へ進み行くことが出来るようにと祈るのである。
また、すでにカトリックの信仰を持っておられる諸兄に一言するを許し給え。かりそめにも、学識ある信者は、自分の信仰を充分に証明できるように準備しておくべきではあるまいか。
「如何に人々に答えるべきかを知るべし」(コロサイ4:6)とは、使徒の言葉である。
「すべて人の前に我を宣言する人は、我もまた天に在す我が父の御前に之を宣言しよう」(マタイ10:32)とは、キリストの御言葉である。
我々は、常にこの言葉を忘れてはならない。
そして、もしも、本書がいささかなりとも護教の為に益するところがあれば、訳者は満足に堪えないのである。

 本書はシュミッツのアポロゲーティックを土台としてそれに他の2、3の本の抜粋を付加したものである。先年吾が友人等(上智大学で学んだ数名のカトリック学生)がシュミッツのアポロゲーティックを訳したことがある。その訳は本書の参考になった。

上智大学にて
 訳者識