聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

聖マリアンナ医科大学病院に勤める研修医たちの日々の情報をリアルにお届けいたします。

退院時サマリーを書かないといけない理由

2009-09-11 16:50:57 | Weblog
昔から研修医にとって難敵のひとつ
それが『退院時サマリー』
昔の紙カルテ(診療録)は何冊にも及ぶ診療履歴がある患者さんの退院となると
研修医同士で譲り合う?風習まであった
「おまえの方が受持だったろ?」「いや~退院のときにはキミが受持だろ~(笑)」なんてね
今でこそDPCで遅れようものなら指導医の厳しい口調での催促がきますが
そのような指導医にこそせんせ~も昔は書いてたの~って聞いてみたいな~

自慢ではありませんが
わたくしは1例も怠ることなく書き上げていますので
はい

近年ではポートフォリオ提出もあり
きちんと自分の受持患者さんの短期間のショーとサマリーなどを症例サマリーとして
きちんと挟み込むことが義務づけられてるからか
かなり書いてあるようには思いますが
それでも退院時サマリーとなるとどうでしょう?

振り返りの意味ではかなり重要なはずなんですけどね

さ~て
ところでなぜ退院時サマリーは必要か?
患者さんのためですって意見はもちろんですが
実は入院基本料に加算される項目に「診療録管理体制加算」っていうのがあります
DPC診断別定額払方式をとっている当院などではもともとの係数に含まれていまが
この「診療録管理体制加算」の要件には5つの項目あって
1)患者さんに診療情報の提供が現に行われていること
2)診療記録のすべてが保管および管理されていること
3)専任の診療記録管理者が配置され、その他に管理する体制が整備されていること
4)中央病歴管理室等の診療記録管理を執り行う施設ないし設備があること
5)入院患者について疾病統計および退院時要約が作成されていること
と規定されているのです

だから
ちゃんと書かないでいるとこの要件に抵触するので加算を算定してはいけないのです

研修医の先生の仕事?ってわけではありませんが
指導医の先生も含めてきちんと普段からまとめておく必要があるわけですね

ちなみに
自分で手術した記録を長いこと書かないために
どんなに研修医や指導医の先生が退院時サマリーを書いても
いつまでも病歴室に保管できず病棟に置きっぱなしってこともあるようです
いくら普段偉そうに指導していてもそんなことじゃダメ

そう言えば半年以上診療録が病棟に置きっぱなしで注意を受けたある診療科で
なぜか?って調べたら手術記録がない?術者が手術記録書いてないためってわかった
半年分です
困った~って思いたった指導医が術者のえら~い先生に直訴したら
『そんなの書いてられない!』って怒鳴られたって
普段から『なんでうちの科の提出率低いんですか!指導しなさい!』って怒られてた指導医
ほんとしょぼくれたって話し
それじゃ~かわいそうやってられません

もちろん!ボクじゃないですよ~うちの病院じゃないですよ~
噂ですから・・・・・ね~

とにかく
みんな遅滞なく書いておきましょう!

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