聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

聖マリアンナ医科大学病院に勤める研修医たちの日々の情報をリアルにお届けいたします。

研修における保険診療 応用編:入院中に知っておくべきこと

2010-04-25 02:36:18 | 指導医日記
さて夜間急患センターで研修している研修医の先生方
一生懸命に診察して記録とても重要なこと

患者さんの主訴を記載して
今回の受診動機について詳細に書き留める
もちろんパソコンを見つめ過ぎず書き漏らさずってとても大変ですよね
そのうちブラインドタッチで書き留めれるようになるといいですよね

医学生のときの実習ではすべてを記載する訓練を受けますが
お医者さんになったら要点をまとめて書くことも重要
これまた訓練

既往歴では他院の服薬状況や診療内容も聞くようにして書き留める
必要があれば必ず情報提供書を用意するというのは前回お話ししたようにとても大切
もちろん喘息やアレルギーなど治療によっては副作用は症状の悪化を来す可能性のあることは
ちゃ~んと聞きとめる

ま~ここまでは医学生の実習でも触れるので大丈夫でしょう

そこでここでは臨床医として研修医でも知っていて欲しいとことちょっと書きます

まず
研修医の先生たちは外来ではじめて縫合したときのこと
非常によく覚えてますよね?
綺麗に縫えたかな?とか
ダンダンに縫っちゃったけど・・・・・大丈夫かな?とかね

一生懸命頑張って患者さんの傷をよくしてあげた先生方
よかったね

でも・・・・その縫合した診療行為は保険診療上はどのように扱われたんでしょう?
わかりますか?
たとえば・・・・・頭部打撲でキズがあった
創部を消毒してガーゼで綺麗に覆って診療終了した場合と
診断名は?
そのキズが縫わざるを得なかった場合は?
そのときの診断名は?

まず
頭部打撲してキズがあったら
消毒だけでいいキズは「頭部挫傷(キズ)」ですが
縫合したら「頭部挫創(キズ)」と記載していただけると診査上わかりやすい
単に「頭部打撲」としか記載しないとそれは検査も処置も必要ない外傷とみなされます

またキズの消毒のみであればそれは保険上『創部処置』となり
創部の大きさで点数が違ってきますから必ず創部の大きさ・長さを記載しなければいけません
もし縫合したのであればそれは『創部処理』となります
その場合は長さと深さが大切です
皮下縫合を必要としたのかしていないのか
長さは5cm・10cmでそれ以上で違います

もちろん使用した医療用具・薬剤・消耗品は必ずチェックしておかなければいけません

そうそう僕が研修医のころは
夜な夜な看護婦さんたちに病棟の包交車の整理を手伝わされて
清潔不清潔操作を一緒に覚えたものでした懐かしい

この他にも診療したあと重要なことは
その診療行為も点数が発生していること
患者さんを診察した時間帯によっても加算が異なりますし
来院方法でも異なってきます

初診なのか再診なのかも重要です(もちろん時間外で再診というのはありえないので注意)

たまにあるのが
他の病院へ入院中の患者さんが一時外泊中具合悪くなって受診したなんてとき
それなのに保険で診療を受けてしまうと一人の患者さんが2つの医療機関を受診しているので
非常にややこしいことになってしまいます

などなど
ちょっとした簡単な診療行為ですが
指導医とふたりだけで処置をしたとか検査したなんて場合
カルテの記載がなければ全く詳細がわからないまま
タダで診療したことになってしまうのです

よく看護士さんがコストがとれない!なんて病棟で言ってるのを耳にするのでは?
きちんと診療しているのだからちゃんとコストは請求すべきです
だから夜間急などで診療を終えたら
必ず指導医の先生に診療録をチェックしてもらうと当時に
看護士さんにも確認してコスト漏れないかみるのも大事なこと

そういう目で明日からちゃんと自分のカルテをみて
オーダーで処置のところを覗いてみてくださいね

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