聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

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多摩病院臨床研修ニュース ~ポートフォリオ検討会~

2012-03-09 20:35:38 | お知らせ
ポートフォリオ評価の集大成であるポートフォリオ検討会が多摩病院で開催されました

臨床研修においては研修到達目標を意識すること
さらに研修医が到達目標を意識しながら自分のキャリアデザインに合わせて
その到達するための研修スケジュールを立てること
この二つが非常に重要です

もし研修医が単に研修修了のみを意識して
形ばかりのポートフォリオ作りを行ったとすれば
それは折角の成人学習理論や構成主義的な観点ではじまったポートフォリオ評価も
全くその成果が発揮されずに終わるでしょう

近年注目されているアウトカム基盤型カリキュラムですら
きちんと理解されず「行動主義」的に解釈されています
充分に理解されないままポートフォリオを使っても
決められた項目を見た・聞いた・触れたとチェックするだけのチェックリストと同じ

このような研修医や指導医から見れば
ポートフォリオは研修到達目標の評価表を束ねるだけ
つまり紙の無駄なのでしょう

事実
本学の研修医ですらそのような傾向が一部にあります
もちろん研修医だけでなく指導医にもまだ根強く残っています

世界で注目されているポートフォリオ評価は
ポートフォリオを作る過程において
研修医の学習の姿を
指導医と研修医自身が把握すること
さらに
研修医の自己評価力(つまり内省的・省察的な力)を指導医が養っていく機会を
構造的に体系立てていくアプローチです

そのために
定期的に研修医が自分のポートフォリオの中身を整理して再構築することが重要で
そのポートフォリオについて
指導や評価に関わる関係者も含めたこのような検討会が大切となります

それ故
ポートフォリオ検討会では
なぜこのポートフォリオを作ろうとしたのか
研修医それぞれがきちんと理解しながらプレゼンできなければいけません

そういう意味で
はじめての検討会は重要な意味があったと感じます
まだまだ難しい
理解されるには時間がかかる
それが第一印象です

昨年までの発表会は単なる研修の感想を述べるものであったと言えます
だからこその今回の検討会でした

残念ながらその主旨に反する内容となり
正直満足のいくものではありませんでした

本学の研修におけるポートフォリオ評価道のりがほど遠いことを実感させられました

おそらく
本当に彼らは他の施設で学ぶよりも多くの診療手技や知識は学ぶことができたでしょう
しかし
大切な専門職としての重大な何かを充分に理解することができないまま
医師としての第一歩を踏み出すことになってしまったのではないか
指導医として非常に申し訳ない気持ちでいっぱいです

一方で
それでも
質的な評価
真正の評価としてのポートフォリオ評価を行っているからこそ
指導医としてこのように反省をこめて感じることができたのだと受け止めています
これを糧に今後さらなる指導に役立てていきたいと思っています

そう気づかせてくれた研修医諸君に感謝します

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3 コメント

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残念でした (多摩病院評価者)
2012-03-09 22:09:24
正直な感想は、指導される先生のお気持ちが、研修医の先生方に伝わっているのかなということです。検討会の席上、お話が出ていましたが、皆さん勤務時間外に集まり、真剣に聞こうと思っていたのではないでしょうか。ポートフォリオについて10項目の質問事項があり、それを元に発表をすると聞いていましたが、最初の1年目の先生方より、修了されるはずの2年目の先生方の方が的外れな発表というのは些か拍子抜けしました。正直時間の無駄です。きちんとした発表をされた先生もいますが、最後にはポートフォリオを否定する発言もあり、残念に感じました。
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医師の前に社会人として (評価者A)
2012-03-10 01:39:47
研修に関わる多くの指導的立場の方々がいる中で、卒業して間もないたかだか2年の臨床経験しかない研修医が、自分の研修について発表する場であったと思います。司会をされた先生や会場で聞いている指導医からの注意にも関わらず、へらへらと笑いながら、だらだらと発表する姿は、医師である前に社会人としてどうでしょうか。正直、このような先生方が研修していたかと思うと情けなくなります。協力する気もなくなります。考え直して、態度を改めて欲しいと思います。これをチェックする方がコメントを承認されるかわかりませんが、研修終了させるべきなのでしょうか。マリアンナの研修はすばらしいとおっしゃっていたT先生の話がむなしく聞こえます。研修医の先生方は反省してほしいと思います。
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コメント有り難うございます (番長)
2012-03-11 23:03:42
まずはこれまでの指導が十分ではなかったことをお詫びします。研修医もわかっていても行動できない部分があろうかと思います。医師は医師が育てるのではなく、病院全体で育てていくべきものであると心から思っています。ぜひ、今後とも皆様の熱い指導をよろしくお願いします。今後もこのブログを読ませていただき、母校の将来を見守りたいと思っております。今後、指導にあたる若い指導医の先生たちへのご指導ご声援をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
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