聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

聖マリアンナ医科大学病院に勤める研修医たちの日々の情報をリアルにお届けいたします。

自分を変えた瞬間を残す

2010-12-27 18:11:29 | Weblog
本学では研修2年間で印象深かった症例のうち
とくに自分の医師としての今後に大きく影響した症例を自分なりに分析して書く
『Significant Event Analysis(SEA)』なるものを
自分のポートフォリオに挟み込んで提出することが義務づけられています

うわ~面倒くせ~なんて思っている研修医や医学生もいるでしょうね

でも本学の研修医はそれを承知でマッチングで希望してきます
たしかに本当に理解しているかは疑問だな

このSEAを他学の指導医にも読み込んでもらうために
来月に行う指導医養成WSにいくつかコピーを持って行くことにしました
もちろん氏名は消してありますからご安心を

さて
その中身を久々に読んで正直感動したのでちょっと書いてみました

とにかく
これを教授会で配付資料にした~い
タウン誌で川崎市民に紹介した~い

ほんとそう思える内容なのです

正直な自分の気持ちに向き合い自分の言葉で書いたその内容に何か心が揺さぶられます

病気に苦しむ患者とともに悩んだ日々のことや
それを取り巻く周囲の人々との医師としての立場でのやりとりでの苦悩
医者になることに自信を失いかけてきたころに患者さんや家族に言われた『感謝の言葉』
治療に限界があることに気づいたときに自分が何をなすべきか逃げずに考えたこと
生活保護を受けている患者さんの治療においてまずすべきことは薬ではなかったこと
経鼻胃管を抜いて退院する患者の笑顔に最善の医療とは何かと知ったとき
ディスポ使い捨ての経鼻胃管を洗って熱湯消毒して使うおばあちゃんの言葉に衝撃を覚えたこと

などなど

書いているだけでちょっと涙腺が緩んできます

たしかある病院からの報告では
『SEAは研修医の手技向上に影響しない』っていうのがありました
それって何を目的にするかではないかな?と思います

先日述べた記録することで『はまり所』を見つける
そのはまり所が技術的なことなのかそうでないのか
その違いではないか?と感じますがどうでしょう?

少なくとも最初は強制で書かざるを得ないポートフォリオかも知れませんが
実際にはこのように変わってきます

それをこうやって実感できるだけでも
ここで指導医しててよかったな~って思います

年取るとダメですね・・・・・

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。