聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

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研修における保険診療 基礎編:入院中に必要なこと

2009-08-20 13:09:30 | Weblog
いよいよ選挙活動が始まりました

医療費・年金問題や医師不足などの研修制度見直しなど
僕たち医療者にも大事な問題も山積しています
ニュースでも地域医療の問題点を指摘する内容のものが放映されています

選挙はちゃんと考えていかないとね

さてさて
今出来ることを考えてみましょう
現場の僕たちがもっと保険診療だという意識をもつ
請求できるものも請求しないで過ぎていることが多いのではって思いませんか?

前回は入院時にすることを解説しましたが
今回は入院中にすることを少しお話します
研修医だけではなく知らない指導医も多いと思うので
こんなこともレセプトの審査では注意してますよってこともお話しします


まず
基本は診療録というものは患者さんの診療の記録であった
原則として診療録に記載のないような事項は
診療報酬は支払われないということ
だから病院への査察のときに
心電図モニターの記録とその所見が記載されていないと注意されます

注意すべきことは大学病院は包括なので
研修医の先生が記載しなくてもなんとなく過ぎてしまいますが
ほかの病院はそうはいきません
医師として一人前になるための研修期間ですから
まずは心電図や酸素飽和度のモニターもすべて診療報酬として
請求しているということを知ってくださいね
そう言えば心電図モニターのことをレセプト上ではなんて記載されているかご存じですか?
「呼吸心拍監視」です
これも一般病院でないと知る機会がないかも知れないですね

酸素も投与しないで漫然と酸素飽和度をモニターすること
これはしっかり査定の対象です
よく病状詳記というのを先輩医師が書いていますよね
つまり自分たちの診療はこう意味で行ったんです
と解説を加えて居るんです
だからこの詳記を書きたくても研修医の先生たちが
指導助手の先生たちと考えて行った診療行為であっても
きちんと記載なければ詳記にかくことができず
結果的に一生懸命行った医療行為であっても請求上認められず
査定されるなんてことが見受けられるのです
だから注意しましょう

たとえば抗てんかん薬や一部の抗生剤で血中濃度を測定して
きちんと患者さんの治療に役立てている場合は
特定薬剤治療管理料というのが算定できますが
これも2剤使えば2回算定できるのに
これを請求していない場合もある
これは患者さんサービスとは意味が違います
もちろんこれも月1回なのに安定するまで頻回に測定しても認められません
そのような場合詳記に記載する必要があります

「そんなの医事課でやってよ~!」
これって自分の診療行為を知らない人に説明しなさいって
無理を言ってるのと変わりません
それなら面倒だからやらないよ~いいの?病院損するよ?
いえいえ
そんな事言っても先生はちゃんと患者さんを治療したいのだから
きっとその必要な検査をしてくださるはず
だったらちゃんとカルテに記載して
その説明をその都度詳記に書き加えておけば
月末に苦労しなくて済みますよきっと

処置範囲も重要です
外科系研修医の毎日のお仕事である処置
これも処置範囲で点数がことなります
それも病名で推察されてしまいますから
たとえばたくさん挫傷部位がある場合はそれぞれの病名と
できれば創部処置が大変だった~!と詳記を記載するのがベスト

レセプトの審査をする先生たちも
基本的に行われた診療が正しいという前提でチェックしています
だからどのような理由で行ったのかを詳記で知りたいということ
ただ単なるサマリーみたいな詳記はあまり意味ないようですよ

それと
絶対に知っておいて欲しいこと
原則として保険診療なので
薬の処方において
適応病名がない場合や禁忌での使用
さらに不適当な用法や過剰投与はすべて認められません
有名な胃薬で潰瘍治療薬は
注射薬と内服で適応疾患が異なっています
それを知らずに査定されることはしばしばです

ですからすべて詳記が必要です
これを知らない指導医や指導助手のもとでは
ただ処方しとけよ!ってことでは勉強になりませんから
自分で処方する薬の適応病名がきちんと病名にあるかチェックしましょう
その場合すべての病名をつらねていくと
実はこっちの薬の適応だけどこれには禁忌だなんてことがあります
よ~く考えて処方するべきなんです
奥が深いですね

ということで
今日はここまで
また気が向いたら書き込みます
気長にお待ち下さい
だれも待ってない・・・・・かもね

研修における保険診療 基礎編:入院時に必要なこと

2009-08-20 00:05:39 | 指導医日記
久々の当直で疲れてます

さて先月書き込んだレセプトの話し
まだまだ浸透してないようなので
しつこく再信しておきたいと思います
診療技術と同じようにとても大切なことなので
ちょっと目を通しておいてくださいね

とにかく臨床現場では大事な保険診療のことが理解されていないため
重要な情報の記載が抜けてしまっていることが多い

だから今日はちょっとポイントをお教えします
ちょっとだけ今後の研修に役立ててください
するといつか病院も余裕が出来て
少しだけUPするかも


入院時・入院中・そして退院時・後にわけて解説していきます

まず第一弾入院時編

まず病棟に入院が決まったら
患者さんにあって挨拶しなさい!とか診察しなさい!なんていうのは
もっとも当たり前ですが
どうも最近オーダーを出すことが優先されて
患者さんの診察を怠る研修医もちらほら
ん?あくまで噂ですよ~
もし現場を見つけたら・・・・ちょっとしたフィードバックをします
おらおら!体育館の裏集合!

まずは入院時のオーダーのいくつかは
診療報酬上の大きな意味を持つのです
たとえばDPCの仮病名登録もそのひとつ
これだけで大きく点数が違ってきます
病名登録は指導医の先生と一緒に行うのがベストだと思いますよ

さて研修医の先生が行う第一段階
バイタルサインなどの入院時オーダー入力
患者さんの紹介状がある場合は必ず目を通して
情報収集して
必ず簡単でもいいからポイントを押さえて診察
そしてバイタルサインなどのオーダー入力

ここで注意して欲しいのが食事オーダーです
病名登録と食事オーダーは診療報酬上重要!

ボクの診療科ではとにかく病名から特食加算が多い
食事ひとつとっても普段患者さんは非常に気にしてる
だから栄養面も考慮して食事を出すのだからちゃんと指示出しましょう
知っておくべきなのは何が特食に該当するのかということ
腎臓食・肝臓食・糖尿病・脳梗塞などなど
いろいろあります

そして
すぐに入院治療計画書を記載する
このとき注意して欲しいこと
わかりやすい言葉で書くこと
絶対に専門用語の羅列はダメ
治療や検査の無駄をなくすために始まったのに
いつの間にか負担感だけになっているのはおかしいのです
このとき指導医と検査・治療計画を指導医と共有するチャンスだと思って
気合い入れて書き上げましょう

さらに「そのほか」の欄をとにかく空白にしないこと
看護計画やリハビリ計画などを書くことで
チーム医療を行っていると示すことです

病名登録においては
必ず主病名を登録しましょう

そして最後に紹介状のお返事
患者さんの持ってくるのは「診療情報提供書」であることが多い
だから診療情報提供料が診療報酬のもとに算定されています
だから礼儀として必ず早期にお返事をかくのが当たり前で
書かれないとその病院の品質が疑われます

外科部長のO教授は毎回診察後
必ず一度紹介いただいた病院や医院の先生にお返事書いてました
そんなのあたり前だ~!って声が聞こえてくるでしょ?

とにかく入院当日はせめてこれだけのことは行いましょう

これが大事なんですよ
ほんと