聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

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平成22年度臨床研修について説明会より解説

2009-07-18 23:57:01 | プログラム解説
お疲れ様です
臨床研修必修は医師法で定められたものですから
ちゃんと省令や通知の一部改正が行われます

今回はその説明会よりポイントと思うところをお伝えします


まずなぜ今回の見直しがなされたのか?
その趣旨は・・・・・
臨床研修の必修化が導入されてから
研修医が選ぶ将来のキャリア形成に必ずしもうまく連動していない部分があり
大学病院の医師派遣機能が低下して医師不足が顕著化するきっかけとなった
などという指摘があったことから
研修医の将来のキャリア形成にスムーズにつながり
大学病院などの医師派遣機能を強化する
研修の質のますますの向上を図るという観点から
見直しに至ったとなっています

もちろんこの見直しにおいては
省令や通知の改正を行うことから
有識者で構成される見直し検討会を設けて
21年2月にまとめられた案をもとに
アンケートや医学生・研修医・指導医などの意見をもとに議論されたようです
さらにある期間のパブリックコメントを求めて
寄せられた意見をまとめて通知されるに至ったのです


つまり
この見直しによって期待されることは
まずは研修医が自己のキャリアデザインを目指す研修がなされること
そして
医師の診療科における偏在と地域の医師の偏在も少なくできるのでは?
ということですが・・・・・
おそらく
医学生に向けてこの点をもっと強調して解説するほうがいいように思います
現実に本学の研修医に研修スケジュールの解説を行うときにも
また研修スケジュールを立てるときにも
かなり悩みでいるように感じるからです

聖マリではすでに4年生や5年生のうちに解説していますが
5年生や場合によっては4年生くらいのうちに
マッチング制度や研修必修化の解説をしておくことが
自分の将来を意識させるためにもいいのではと感じてます

さてさて
研修スケジュールにおいてはブログ内でも解説していますが
必修診療科は内科・救急・地域医療となっていますが
この地域医療についてもこの見直しによって
僻地医療か地域医療を研修するようになっています

これまでの地域医療では介護老人福祉施設など老人保健医療や
保健所などの地域保健の現場も研修先として選べましたが
平成22年度からは選べなくなります
もちろん必修とする研修プログラムもできますが
地域医療としての必修にはならなくなりました
ここは注意ポイントですね
だから
へき地医療や開業医などの地域医療での研修を
必ず1か月以上行うことになったわけです

注意すべきポイントとしては外科と精神科でしょう
研修到達目標には外科症例を1例以上経験して
症例レポート提出とありますし
精神科の認知症なども経験すべき疾患として挙げられていますから
これをどう経験させるか
きちんと考えられた研修スケジュールを組めるような
そんな研修プログラムであることが求められたわけです
ところが
実際には診療科や地域の医師の偏在を意識しすぎると
どうしても研修途中からのある診療科に偏った研修となり
外科や精神科疾患などが経験できない可能性も出てきます

やっぱり研修到達目標を意識した研修ができるのか
見極める目を医学生に持たせなければいけませんね

そういえばこれまで単独型とか管理型とよばれていた臨床研修病院は
基幹型臨床研修病院という名称に変わりました
なので
聖マリアンナ医科大学病院も基幹型病院となります
もちろん西部病院や多摩病院はこれまで通り協力型です

ちょっとかわいそうなのは
今年はじめて大学病院のみに試験的に設けられた重点プログラム
外科重点プログラムや
産婦人科や小児科重点プログラムというのが
まだこの4月に始まったばかりなのに
平成22年度からなくなったということ
このプログラムの研修医については
年度ごと調査対象であり報告義務を残したまま
同じような研修スケジュールを組める平成22年度からは
なんの報告義務もないというちょっとした混乱状態


あとね・・・・・
指導医について
昨年4月より指導医WSを終えているものが指導医としてされたわけなんですが
実は内科・外科・小児科・産婦人科そして精神科においてのみ
必ず指導医がいることとなっているんですね
ん?
平成22年度からは内科・救急・地域医療が必修なんだから
この3つの診療科ではいるべきでは?なんて思っちゃったわけです

でもご安心ください
本学聖マリアンナ医科大学は全国一指導医が多い研修病院
もちろん地域医療の先生方も
指導医WSに参加されて指導医バッチを取得されていますから
本学では少なくとも指導における問題はあり得ません
ヴイ~

などなど
ちょっと細かい点までご紹介しましたが
これから多くの臨床研修病院で研修プログラムがupされていくでしょう


どうぞこの点を注意してみてみてくださいね

ちなみに
ここが最大のポイントですが
すべての研修プログラムにおいて
その募集研修医数は決定されていません
あくまで8月下旬に厚労省より募集定員の見直しが行われて
それぞれの病院における定員が決まります
本学も含めて募集数は決定されたものではありませんから
注意してくださいませ

ということは
8月過ぎてから最終的な募集定員を各自で行う必要性があるということです


もちろん本学においては
見直しで定員数が変わる場合は速やかに公開します
大丈夫だと信じてますけどね~
祈っててください