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V字回復の経営 / 三枝匡 / ものづくり・工場改善 事業再生

2024年03月04日 | ものづくり・工場改善 事業再生


今年の冬は短そうですね。
スキー場は既に閉鎖したところがあります。

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」 
   第489回(2024年2月19日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
 V字回復の経営 / 三枝匡 / ものづくり・工場改善 事業再生
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 今回は、「事業再生」の第二弾として、三枝先生の「V字回復の経営」という本をご紹介したいと思います。三枝先生は著名なコンサルタントで、現在はミスミという会社経営者をされています。複数の会社での事業再生の経験から、成功する事業再生のポイントがわかりやすく書かれています。というより、成功する事業再生のポイントが実に生々しく書かれています。他の方の事業再生の本を読んで思うのは、経営関係の指標や再生計画の作成がメインで、個人的にはなぜこれで再生計画が成功するのかよく分からない実感できないという感想を持っていましたが、この本を読むとこうすれば事業再生の成功の確率が高くなることを強く感じます。

1.目次
 プロローグ 不信事業をいかに蘇らせるか
 第1章   見せかけの再建
 第2章   組織の中で何が起きているのか
 第3章   改革の糸口となるコンセプトを探す
 第4章   組織全体を貫くストーリーをどう組み立てるか
 第5章   熱き心で皆を巻き込む
 第6章   愚直かつ執拗に実行する
 エピローグ 事業変革の成功要因
 あなたの会社でもこうした症状が見られませんか
 変革を成功に導くための要諦50

2.ポイント
 文庫本ですがページ数は458ページにも及び、大変読み応えのあるものになっています。短時間で読もうとすれば、「エピローグ 事業変革の成功要因」と「あなたの会社でもこうした症状が見られませんか」と「変革を成功に導くための要諦50」を読まれればいいのですが、第1章から第6章のストーリーの中に特に「「変革を成功に導くための要諦50」が埋め込まれており、最初から読まれるのが良いと思います。
 前回紹介した植田先生の本では、事業再生の「7つの鉄則」を記載しましたが、記載されている鉄則は全て重なると思われます。変革のリーダーの選定、経営危機の原因究明、明確なビジョン・戦略の明示、専門家を活用する、組織整備と人事を行う、社員の意識を改革する。しかし、この本では、具体的にどの順番でやっていけばよいのか、どれとどれを並列に進めたらよいのかがわかりやすくなっています。
 不振企業の症状50として、「あなたの会社でもこうした症状が見られませんか?」が記載されていますので、自社の状態のチェックリストにも使えると思われます。数点挙げてみますと、症状14 会議の出席者がやたらと多い、症状19社内では顧客の視点や競合の話がなく、内向きの話ばかり、症状23 商品別損益がボトムラインで語られていない。

3.データ
 著者   三枝匡
 出版社  日本経済新聞出版社(日経ビジネス文庫)
 出版年  (2001年)
 ページ数 458p
 外観
  

 最後に、再度になりますがストーリー仕立てで大変面白く読めますので、興味のある方は一読ください。

井上直久

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企業再生7つの鉄則 / 植田統 / ものづくり・工場改善 事業再生

2024年02月11日 | ものづくり・工場改善 事業再生


まだまだ寒いですね。

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」 
   第488回(2024年2月5日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
 企業再生7つの鉄則 / 植田統 / ものづくり・工場改善 事業再生
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今回から新しいシリーズとして「事業再生」のシリーズを始めたいと思います。
 コロナ禍が終わり、ほぼ通常状態に戻りましたが、企業はゼロゼロ融資の返済が始まっています。企業経営は苦労が多い面がありますね。そんな中で1年ほど前から勉強している「事業再生」に関する本を今後数冊ご紹介していきたいと思います。関係する本の中には経営改善計画の立て方などを記載したものもありますが、これらは省きます。

 まず最初にご紹介するのは、上田統先生が書かれた「企業再生7つの鉄則」です。この本は日米の事業再生の11の成功事例事例と1つの失敗事例を紹介して、その中から成功につながる鉄則を抽出されたものです。

1.目次
 序章  なぜ今、企業再生なのか
 第1章 なぜ企業は危機に陥いるのか
 第2章 日本の成功事例に学ぶ
 第3章 アメリカのターンアラウンドの教訓
 第4章 企業再生 7つの鉄則
 第5章 <実践編>企業再生の障害をどう取り除くのか
 第6章 危機に陥らないために何をすべきか

2.ポイント
 日本とアメリカの事業再生事例から共通性があるとして抽出されたのが7つの鉄則ですが、この鉄則は説得性が高いものと思います。

 ①変革のリーダーとなるべき経営者を選ぶ
 ②経営危機の原因を究明する
 ③明確なビジョン・戦略を示す
 ④コスト・人員の削減を素早く実施する
 ⑤専門家を使い、法的仕組み、M&Aを使いこなす
 ⑥組織整備と人事を行う
 ⑦社員の意識を改革する

 これらの鉄則は、読めばわかるところもありますが、しかし体に染みついたものでないといけません。体に染みついたものでないと実践ができません。その点から、第2章と第3章をしっかり読み込んでおく必要があります。その結論がこの7つの鉄則になります。
 事業再生はこの鉄則に尽きるのではないでしょうか。

3.データ
 著者  :上田統
 出版社 :日本経済新聞社
 出版年 :2011年
 ページ数:288p
 外観
 

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おばあカフェ / 但馬情報

2024年01月21日 | 但馬ものづくり情報

正月元旦から能登地方は地震で大変です。
地元のスキー場も雪不足で大変です。

正月くらいは少し華やいだ雰囲気でということで。

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」 
   第487回(2024年1月15日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
 おばあカフェ / 但馬情報
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正月から少し馬力を出して、
以前から気になっていた新温泉町の湯村温泉の中にある「おばあカフェ」に行ってきました。おばあカフェは株式会社但馬寿というお菓子会社を定年退職した女性の方が中心に対応をされています。但馬寿の親会社は寿製菓というお菓子関係では全国的に有名な会社になります。聞いたところでは、寿製菓の創業者は但馬の出身ということでした。菓子製造業もちゃんと製造業の中に入りますので。

ところが、スマホで営業していることを確認して行ったのですが、正月休みでした。
行ったのは1月3日です。
残念!!



店舗の外観の写真を撮って、むなしく引き上げるしかありません。
ガラス越しに写真を撮るとなぜか影が映り込んで良い写真が撮れません。

↓こちらは顔出し看板
 人生ピークは90歳!!
 反省しないことが元気の秘訣!!

↓こちらはポスター
 ネコになってて何をされているんですかね。
 真ん中にいる若い男性が唖然とした顔をしてますよね。


でも駐車場への帰り道、ここで思い出したのが、
おばあの日めくり枯れんだーの26日の標語。
「したたかに生き抜いてやる」
ということで、


再度、おばあカフェに戻って写真を撮れないかあれこれしていると、
ガラスとカメラのレンズを完全に密着させると影の映り込みが無くなることがわかり、
中の様子を映しました。

店内はところ狭しと
おばあの日めくり枯れんだー
のようなものが貼ってあります。
すごい。すごい。そして、なんの店かまったくわからない。

        このおばあの絵が枯れんだーの表紙 ↑


      ↑この写真が名物の栃おはぎ
                        人気商品だそうです。


こっちはわりかし穏やかで、右側の祠はおばあ開運元気神社だそうです。

ということで、しっかり写真が撮れたので
取材終了
ということで帰ってきました。

おまけの付録
ところが、したたかに生きるといいこともあるのでしょうか、
1月6日にテレビ大阪のおとな旅あるき旅という三田村邦彦さんが出ている番組で、
なんとこのおばあカフェが出てきたのです。山陰のカニを中心にした旅で、しっかり湯村温泉にも寄られていました。
あまりよくないことなのですが、しっかり写真を撮ってしまいました。
おばあの定義は、


右側の背中の人が歌手の丘みどりさん(兵庫県出身)です。


お会いしたかったおばあにもしっかりテレビの中でお会いできました。


井上三右衛門

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杜氏館 / ものづくり・工場改善 但馬産業博物館

2023年12月01日 | ものづくり・工場改善 但馬産業博物館


新温泉町の「杜氏館」の近くで。

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」 
   第485回(2023年10月16日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
 杜氏館 / ものづくり・工場改善 但馬産業博物館
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但馬産業博物館シリーズも3回目になりました。
今回は、新温泉町にある「杜氏館」に行ってきました。
杜氏とは酒造りの職人さんの親方ですが、
但馬地区では冬は雪が多く出稼ぎに各地の酒蔵に酒造りに行かれていて、
但馬杜氏は、数は少なくなったものの、日本4大杜氏の一つです。
山口県に獺祭という有名なお酒がありますが、
この酒を造っている酒造会社にも但馬杜氏の方が行かれていた
とのことです(過去のことです)。

まず基本的な知識を。お酒を造る工程は、
1.洗米→2.蒸米→3.麹仕込→4.酛仕込→5.醪仕込
6.しぼり→7.滓引、火入れ、貯蔵
となります。特に、3と4と5の工程がわかりにくいのですが、
酒米と麹菌と水を混ぜて、その量を少しづつ増やしていくと考えておくと
よいのではないかと考えています。

酒造りは立派な「ものづくり」です。
まず簡単に、各工程を紹介した資料の写真をお見せします。

1.洗米(右ページ下)


2.蒸米(左ページ下) 3.麹仕込(左ページ上) 
4.酛仕込(右ページ)


5.醪仕込(左ページ) 6.しぼり(右ページ右) 
7.滓引・火入れ・貯蔵(右ページ左)


では、杜氏館へ

0.杜氏館
これが杜氏館入口


入口近くの但馬杜氏と書かれたTシャツ(なかなかカッコイイ)


杜氏館で説明いただいた元杜氏の田中博和様


田中様が働いておられた播州姫路市のヤヱガキ酒造


日本各地の杜氏集団分布図 中央近くに「但馬杜氏」とあります


お酒の銘柄1 有名な銘柄や地元の銘柄がいろいろあります


お酒の銘柄2


いよいよここからが製造工程の説明です
1.洗米
酒米を(一番有名なのは、山田錦ですが)

磨いて(というより削って削って)丸くして


樽の中で水で洗い


お米を窯と樽などで蒸して、蒸米にします


2.麹仕込
蒸米に麹菌を混ぜる
広島にある「雨後の月」さんを見学させていただきましたが、
むし暑い中で上半身裸で作業をされていました。


蒸米に麹菌を混ぜる2


蒸米に麹菌を混ぜる3


4.酛仕込
説明では、「麹と蒸米と水を混ぜ、酵母を入れて酵母を増殖させる。」
と書かれています。
(正直に言ってこの辺りは正確には理解できていません。炭水化物である
酒米を糖に変え、糖をアルコール(酒)に変えるのですが、炭水化物から糖に
変えるのが麹菌、糖からアルコールに変えるのが酵母という説明がされて
いるものもあります。)


5.醪仕込
量を増やしたものを、かき混ぜています。
(アルコールが発生していますので、樽の中に落ちると酸欠になり
死亡する可能性があると書いた資料を読んだことがあります。
安全第一。)


6.しぼり
写真ではよく分かりませんが、
樽から出した絞る前の酒(どろどろの状態)を布袋に入れて、
この酒槽に布袋を何層にも入れて、
上からジャッキのようなもので圧力をかけると、
底面にある穴から酒が出てきます。


7.滓引・火入れ・貯蔵 そして試飲
滓とは酒の上に浮いているもののようです。これを取ることが滓引き。
その後、火入れをします。写真は酒に火入れ(加熱)をする蛇管というもので、
管がぐるぐるに巻いてあります。酒は下から入れて加熱された酒が上に出て
くるそうです。


そして、やっと今年の酒の出来はどうかなと試飲ができます。
(きっとおいしいでしょうね。)


井上 直久

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農業に転職! / 有坪民雄 / ものづくり・工場改善 農業

2023年10月02日 | ものづくり・工場改善 農業


実家の裏庭の草むらの中にポツンと咲いていました。

夏の暑さにばて気味で、前回は記事をお休みとさせていただきました。
まだまだ暑い日が続きますが、天気予報だともう少しだけのようです。

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 ブログ 「晴耕雨読 in 神鍋高原」 
   第484回(2023年9月18日(月)配信)・・・・・毎月第1第3月曜日配信予定
 農業に転職! / 有坪民雄 / ものづくり・工場改善 農業
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今回は有坪民雄さんの「就農は「経営計画」で9割決まる 農業に転職」を取り上げてみました。以前、有坪さんは経営コンサルタントをされていて、現在は農業をされています。この本は新規就農者が農業に転職する場合に、何をすればいいかが書かれています。結論は、しっかりとした「経営計画書」をつくることになります。ただ、農業を経営的に成り立たせる部分についても参考になる部分が多いと思います。

基本的には、新規就農者がどんな順番で農業を始めたらいいかが書かれており、その書かれている順番にポイントの項目と、その詳細項目について、列挙してみました。
1.全体のイメージを明確にする
   どんな農業をしたいのか
   どんな作物を作りたいのか
   就農地はどこにするか
2.経営計画書は3ステップで作る
 ①経営指標を集める
   前提条件
   労働条件
   資本装備
   経営収支
 ②就農のために必要な4つの資料をつくる
   たとえば輪作計画表
 ③実際に経営計画をつくる
   労働時間の計算と簡易資金繰り表と栽培スケジュール表など
3.新規就農者が知っておくべき9つのこと
 ここからは、実際に就農してからの話になりますが、
 たとえば、
  借金のことについてとか、
  作物別の特徴についてとか、
  経営モデルの知識についてとか
 になります。
4.農地の選定のポイント
 より具体的になってきました。
 土地区分とか、通路幅などになります。
 知っておかないと大失敗があるかもしれません。

結論として、就農支援機関の人が納得する、本気で農業をやる気があると推定できる、農業の経営計画書を作ることが大切ということになります。

データ
著者:有坪民雄
出版社:プレジデント社
出版年:2019年

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