プロコフィエフの日本滞在日記

1918年、ロシアの若き天才作曲家が、大正期のニッポンで過ごした日々

珍しい話

1918-06-24 | 日本滞在記
1918年6月24日(旧暦6月11日)

 ピアストロがマルーシャと一緒にやってくる。二人に会えて嬉しかった。散歩したり、カクテルを飲んだり、ビリアードをしたりした。ピアストロは、たびたびコンサートを開いたジャワやシャム、インドの珍しい話を聞かせてくれた。

 珍しい話といえば、ここのホテルの壁という壁には、風景画などの絵が飾ってあるが、今書いている小説のためにプリンス諸島を探そうとしてヨーロッパの地図を見たいと思ったのに、ヨーロッパの地図などどこにもないのだ。世界の中心たるヨーロッパなどご勝手に。ここの世界は、ヨーロッパなしで成り立っているのだ。

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