「宇宙船地球丸」の管理人スパイラルドラゴンです。今日は、2009年1月9日です。
日本のテレビ各局の報道番組は、東京に雨交じりの初雪が降ったことを横並びで報道していますが、ヨーロッパ諸国が死者が出るほどの大寒波に見舞われていることを、何故か殆ど報道していません。
(以下転載)
欧州各地で氷点下20度を記録、8人が凍死 2009年01月08日 12:08 発信地:ワルシャワ/ポーランド
【1月8日 AFP】欧州各地では6-7日、気温が急激に下がって象当局者によるとこの冬一番の冷え込みとなり、氷点下25度を記録したポーランドで7人、同20度のベルギーで1人が死亡した。
ポーランドでは、警察当局によると空き家で68歳の路上生活者が、また自宅前で51歳の独り暮らしの男性が、それぞれ凍死。同国内務省統計によると前年11月以来、凍死者は76人となった。
ベルギーでは、10年ぶりの記録的な寒さの中、30代男性が公園で凍死しているのが見つかった。
降雪のため、欧州全域で空の便に乱れが生じ、イタリアでは空港が一時閉鎖。フランスでは高速鉄道TGVの運行が乱れた。
フランスではパリ(Paris)で1997年以来の寒さとなる氷点下9度、北部アルデンヌ(Ardennes)県では氷点下20度を記録、気象当局は「この冬一番の冷え込み」と述べた。地中海に面した南部マルセイユ(Marseille)でも異例の降雪があり、地元空港が閉鎖され、1万2000世帯が停電した。
ドイツでも、東部ドレスデン(Dresden)近くのDippoldiswalde-Reinbergで夜間の気温が氷点下27.7度まで下がったのをはじめ、各地で記録的な寒さとなった。
フランス気象当局によるとスカンジナビア半島とシベリア上空からまとまった寒気が流れ込み、寒さは今週いっぱい続く見込み。(c)AFP
(転載終わり)
ドイツ在住のamselchenさんの二つのブログ「Die Welt des Amselchens アムゼルくんの世界」と、アムゼルくんのブログでは、ヨーロッパを襲っている大寒波について、綺麗な写真付きでレポートされています。
大寒波がヨーロッパに腰をすえる
大寒波に覆いかぶされたヨーロッパ
さて、左のヨーロッパ大陸の気温gifアニメは、WeatherOnline Europeからコピーした1月8日の気温gifアニメすが、水色は0度以下、ピンク色は-10℃以下を表しています。
この気温gifアニメから、ヨーロッパ大陸全体の気温が氷点下であることと、内陸部の気温は-10℃以下を示していることが読み取れます。
左の図は、NOAA National Climatic Data Centerが公開している2009年1月5日の全地球の海面水温偏差イメージを変形させた図です。青色、紫色の領域は水が標準より冷たいことを示し、オレンジ・赤い領域は水温が標準より高いことを示しています。
この図の右端はヨーロッパ大陸を表していますが、ヨーロッパ大陸周辺の海水温が平年値より低下していることが読み取れます。
左の図は、北極振動(Arctic Oscillation)がネガティブ(負)/ポジティブ(正)へと変動した際に表れる、環北大西洋大陸の気候変動の説明図です。
この図の中で、北極振動指数が負の時には、ヨーロッパでは晴天が続き、寒気の流入で寒冷化すると説明されています。
さて、北極振動研究の第一人者である田中博教授(筑波大学計算科学研究センター教授)は、IPPCの気候モデル(CO2悪玉説)では20世紀の北極振動が全く再現できなかったと指摘されています。
参照:異常気象をもたらす北極震動の力学(田中博 筑波大学計算科学研究センター教授)
左のグラフは、田中博教授の学術論文「日本の異常気象と北極振動の関係」に掲載されている「北極振動指数と日本の異常気象」ですが、田中博教授はこの図の説明の中で北極振動指数は10年スケールの変動においては、1990年以降は減少トレンドを示していると発表されています。
私は今回ヨーロッパ大陸を覆っている大寒波が発生したのは、北極振動指数がネガティブへと変動したことが主な要因だと思っていますが、同時に昨年7月に西ワシントン大学教授 Don J. Easterbrook博士が「北太平洋数十年変動(PDO:Pacific Decadal Oscillation)が warm mode からcool mode へと移行したことで、地球は今後25年から30年の間、寒冷化することが確認され、過去30年続いた温暖化が終了した」という内容の学術論文の正しさを追認する気象現象の表れだと思います。
参照:北太平洋数十年変動で、温暖化は終了!(by Don J. Easterbrook)
スパイラルドラゴン拝