懐・月光仮面

私は、子供達が喜ぶ “アニメ” とか “ヒーロー劇” に 興味はありません。　「年だから 、関心が無いのだろう」と言われても 仕方がありません。　しかし 古希のジジイにも、少年時代はありました。（笑）　当然の如く、我々にもヒーローはいました。　アニメは「鉄腕アトム」動画は「月光仮面」それから ディズニー映画など、白黒テレビに噛り付いて観たものです。　

　　　

 ◎ テレビドラマ「月光仮面」

　　　　　　　　　　　

♪ 何処の 誰かは知らないけれど～ 誰もが皆知っている～ 月光仮面のおじさんは 正義の味方よ良い人よ　疾風の様に現れて～ 疾風の様に去ってゆく～ 月光仮面は誰でしょう～ 月光仮面は誰でしょう～ ♪

　　

我等のヒーローは「月光仮面」でした。　ストーリーは、至って単純です。　毎回 キャラの濃い悪役が、女・子供を誘拐したり暴力を振るったり、そこに正義の味方「月光仮面」 が 何処からともなく現れ、悪役を一網打尽に成敗するワンパターンでした。　何故か「月光仮面」は、助けた人達に感謝されながら、名も告げず去って行くのです。　白い衣装と白いマスク・白いオートバイと白いマント、それに黒いサングラスと黒い拳銃、何とも カッコ良かった。 「月光仮面」が登場した途端、観ている子供（私）は 拍手喝采でした。 「早く助けて遣って下さい・・・」そして、毎回 “ハッピーエンド” でした。（懐）　
不思議な事に、ヒーロー 「月光仮面」 の “素顔” は 誰も知りません。　そんな神秘性が、子供達に受けたのでしょう？　 番組が終了しても、月光仮面の再登場を期待していました！　 しかし、二度と “ブラウン管” に現れませんでした。

ヒーロー「月光仮面」の素顔を知ったのは、数年後でした。　テレビ時代劇「隠密剣士」の主人公「秋草 新太郎」が「月光仮面」の正体だったのです。　配役のテロップを読める年になると「隠密剣士」＝「月光仮面」＝ タレント「大瀬 康一」だと分かりました。　当時は、スマートでハンサムな俳優だったと記憶しています。　しかし ヒーローだった「大瀬」は「隠密剣士」の出演以降、何故かテレビ界から消えてしまいました。　一体、如何したのでしょうか？

その後「大瀬 康一」の所在を知ったのは、半世紀も過ぎた 平成28年 の事でした。 番組「所さんの日本の出番」で、今でもオーストラリアに「隠密剣士」の “ファンクラブ” があると言うのです。　驚きました。 「大瀬」（85歳？）は、今でも “人気者” だったのです。　番組のインタビューに応じた「大瀬」は、昔に比べ 太ったものの、顔や声は若い頃の面影がありました。　疑問だった “俳優廃業” の件は、当時トップスターにも関わらずテレビ業界に嫌気がさし、別の業界に転向したそうです。　テレビ界に残れば「山城 新伍」や「里見 浩太朗」等 を凌ぐ役者になっていた筈です？　 何はともあれ、元気な「大瀬 康一」の姿を拝見でき 懐かしく思いました！

◎ “隠密剣士” 役の「大瀬 康一」

思えば 60年以上前（テレビ放送初期）今より多彩な “ヒーロー劇” がありました。　◎ 豹（ジャガー）の眼　◎ 怪傑ハリマオ　◎ 七色仮面　◎ 少年ジェット 等々、今に比べ 映像のレベルは低くても、真剣な番組作りは良かった！　　　

 

やはり、それぞれの時代に それぞれのヒーローが、子供達に “夢” と “希望” を与えてくれます！　「昔は 良かった～」年寄りの “戯言” ではありません。　「思い出は、今の子も 昔の子（年寄り）も 同じ」と言う事では ないでしょうか？　
「鬼滅の刃」人気の “アニメーション” です。　私も観たいと思いつつ、ブラック・コーヒーを飲み続け「一度 砂糖の入ったコーヒーを飲みたかった」と同じ様に、今わの際で「“鬼滅の刃” を一度 観たかった」と 回想すると思います！