9月10日
静内古川公園の東屋下でテントをたたみ、パンとジュースで朝食を済ませ、6時20分頃に出発の準備を整えました。
今日はこれから、道内二か所の「さくら名所百選」の内の一つ、二十軒道路桜並木にコスモスを見に行きます。
二十軒道路桜並木へは30年ほどの昔、桜の季節に札幌から車で訪ねましたが、静内から内陸へ10㎞ほどの場所だった記憶があります。
静内の街を抜ける頃から、歩道の脇にコスモスが可憐な姿を見せてくれました。
静内市街を抜けると直ぐに、輝く稲穂が見えました。
数日前、茨城の大洗辺りで黄金色に輝く穂波を見てきましたが、こんなにも気候が異なる北海道で、時を同じくして稔りを迎える日本の稲作技術は、相当高度なのかもしれません。
進みゆく道の先に、雲を纏った峰が見えてきました。
多分、ペテガリ岳だと思います。
学生の頃、冷たい雨に打たれながら、長い尾根道を歩き通したことがありました。
日高山脈は、あの山もこの山も、懐かしい想い出に包まれています。
静内の街を出てから30分ほどで、二十軒道路桜並木への分岐点に至りました。
地図も持たず、記憶も定かではありませんが、日本の道路は標識がしっかりしているので、道に迷う心配は殆どありません。
日高山脈を背に、サラブレッドの親子が牧草地の中で、見知らぬ小父さんの自転車を見送っていました。
30m程の高さの河岸段丘に登って行きます。
坂道の横で、白い花に縁どられたイタドリが枝を広げていました。
坂を登りきるとその先に、二十軒道路の桜並木が続きます。
その桜並木に寄り添いながら、薄紅色のコスモスが朝日の中に輝きました。
コスモスのフラワーラインの先で、蒼く佇むのは日高山脈の秀峰カムイエクウチカウウシ山でしょうか。
私はまだ、あの峰の頂きを踏むことができずにいます。
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