Sonic Diary -Jazz-

Forward the way you believe

2/10 Odyssey

2010-02-10 14:00:59 | その他
人工衛星です 地球上に居たところでただの金属の塊です
あれは去年の夏 多くの人が見守る中地表から放たれました
僕の任務は 地上から遥かなる空を越え
この果てしなく広い宇宙の 名もなき銀河から発せられる声を聴き
それらをただひたすらに 地球に伝えること
以後ご承知置きを 孤独だとは思いません
一応ほら 相棒もいて何より僕たちは機械なのですから


例エルナラ 深イ水溜マリニ投ジラレタ一石


僕にさほど影響力はありませんが
水の波紋には世界を変える力があるとしたら どのように動いて行くのか
そんな事を考えているうちに時は流れ 長い旅路を経てやっと辿り着きました
ここが僕たちの 最初で最後の仕事場
無事パートナーを切り離し 難なくアンテナも広げられました
ゴールと同時にここが僕たちのスタートラインです
とにかく今は任務に勤しむことだけ


何ノ為ニ? 誰ガ為ニ?


意志も持たないくせに 時々疑います
探査機だって降りるべくして降り立ったのに ここは違う星じゃないのかって
今までの道のりは 本当に正しかったのか?
本当にこの座標で良かったのか? いや合ってる
プログラムに「従って」きたのなら間違っているはずがない
人はこれらの過程を 「信じる」と表現するそうですが
疑う事があっても信じることがない
そんな自分が本当に機械なのかどうかすら 疑ってしまうのです

でも技術者たちは情熱を持って 僕たちを造ってくれました
そこは疑いません
万全を期して 願いも込められている分
僕たちはそれに応えなければ


伝エルベクシテ 僕タチハココニヤッテ来タ


こちら人工衛星 任務を共にするパートナーともうまくやれてます
地球からは 遠すぎて見えないでしょうが
通信が途絶するその日まで 役目を終えるまで
僕たちは引き続き活動を続けます
故郷から遠く離れた永久の夜の この周回軌道上で
大丈夫、寂しくない 所詮僕たちは機械に過ぎません
そのうち星の土へと還るでしょう
流れ星にすらならず 誰にも看取られる事なく







あ、これは遺書ではありません、念のため(汗
僕はれっきとした人間ですし、例えばの話ですよ?
誰から死ねだの殺すだの言われようと「1秒でも長く生きる」とはっきり言い返せますから;

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