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公立相馬総合病院の研修医のブログ

被災地医療を支える公立相馬総合病院
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カイザーとカエサル

2017年03月03日 | 日記

研修医の名取です。

産婦人科をまわっていて感じたのですが、産婦人科は略語の浸透力が半端ではないと感じます。
ギネ(婦人科)とかプレビア(前置胎盤)とかベッケン(逆子)とかカイザー(帝王切開)とか。
ベッケンやカイザーなんかは医療というよりサッカーの話かなと思わなくもないですが。
とりあえずスタッフ全員が使用するくらいに浸透しています。
一般的に知っている方もいるのではないでしょうか。

ところで、カイザーの響きと帝王の響きどちらも格好良いので語源が気になり調べてみました。
意外と複雑でしたので説明します。
カイザーはドイツ語で帝王という意味、さらに帝王はローマのガイウス・ユリウス・カエサル将軍の「カエサル」から来ているようです。さらにカエサルというのはラテン語で分家という意味を持ち、本家から「切り取られた者」という意味を持つそうです。さらにこの切り取られた者の語源があり、古代ローマでは妊婦が死亡した際に胎児をお腹から取り出して埋葬しており、この胎児を「カエサル」(=切り取られた者)と呼んだのが最初の語源になるそうです。ですので古代の胎児を取り出すことと現在のドイツ語の帝王を混ぜ合わせて日本語の帝王切開となったみたいですね。

なかなか勉強になりました。