公立相馬総合病院の研修医のブログ

被災地医療を支える公立相馬総合病院
http://www.bb.soma.or.jp/~psghjim1/

合格発表

2017年03月17日 | 日記
研修医の名取です。
本日は第111回医師国家試験の合格発表でした。

そして、事務方から嬉しい報告が!
当院の来年度の研修医内定の2人が合格したとのことでした。
頑張った!さすが!おめでとう!

当院に来年度から新しい仲間が加わります。
一緒に切磋琢磨して行きましょう!


第111回医師国家試験の合格率は88.7%とのことでした。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201703/550611.html

近年の中では難易度の高い試験になりました。
そのようななか合格された皆さん、本当におめでとうございます。
お疲れ様でした。
そしてこれからが始まりです。
皆々様方の研修医としてのご活躍を心からお祈り致しております。

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相馬の隠れ聖地

2017年03月16日 | 日記
大学病院に研出張修中の研修医名取です。

相馬を不在にしているとまったく相馬の情報がなく、そのため当院が院内保育所事業を2018年4月から開設することなども後から知るといった具合です。相馬のブログなのに相馬の話にだんだん疎くなっていくため、時々検索をかけて情報収集するなど涙ぐましいことをしています。

最近は震災の日が近かったためか漫画家の吉田戦車さんや、ほぼ日の糸井重里さんが来相していたということを知りました。吉田戦車さんが利用した「かつ吉」はとんかつが美味しく私もときどき行っています。検索を続けていると、元SMAPの中居くんがプライベートで相馬駅で写真を撮ったり、くるりがsomaという歌を作っていることなども知ることができました。くるりが相馬の歌を作っていたなんてちょっと凄くないですか?

そして来たる3/23と3/24には、NHKでガッキー主演で野馬追いを題材にした「絆」というドラマが放送されるみたいです。由緒正しき相馬の中村神社でもロケが行われたとの情報もチラホラあり、そこは私のランニングコースだったりもするのでかなり嬉しいことです!個人的には、前回のガッキードラマ「逃げ恥」も昔住んでいた時の家の近くでロケが行われていて、今回のドラマでもランニングコースでロケが敢行されており、ガッキーに意味不明な親近感が湧いてきますが、ご本人と会ったことや見たことは微塵もありません。まあなんでもいいですが、とりあえずドラマは気になるので見てみようかと思います。おそらく他にもスポーツ選手や著名人が訪れたところや、歴史や文学に出てくるようなところが相馬にはたくさんあると思うので、ミーハー者としてはもう少し調べて聖地巡礼したいと思いました。

ところで、明日3/17日は第111回医師国家試験の合格発表日であり、ドキドキでございます。当院の研修医候補およびブログを見てくださっている皆さんの合格を心よりお祈りしています!




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6年目の3.11

2017年03月11日 | 日記


3月11日、大学病院研修のため奇しくも相馬不在の研修医名取です。
東日本大震災から6年が経ちました。
6年目の相馬はどんな様子だったのでしょうか。
今日の様子は分かりませんが、この期に当時の当院の様子をお話ししようと思います。

震災時、当院の手術室や救急外来がある建物は倒壊の危険が懸念されるまで破壊されました。すんでのところで外科手術は終わっており患者さんは難を逃れました。他の病棟で診療を続けることができましたが、レントゲン装置が故障し透視の機械を代用するような急造の状態での診療でした。幸運にも高台にある当院には津波は届きませんでしたが窓から見える水平線に大津波の様子を見ることができたそうです。じきに津波に飲み込まれた方が運び込まれましたが、既に亡くなった方が多かったとのことです。

全国から救援物資を積んだトラックが被災地入りする中、原発の問題が勃発し福島県だけは県境でトラックが立往生する羽目になりました。薬や食料が不足する中、相馬を経由する避難者やかかりつけ以外の地域住民が外来に大勢殺到し、対応や物資のやりくりに追われたそうです。そのような混乱において、家を無くしたり家族を亡くしたりしたスタッフも懸命に働いたと聞いています。地域に残った開業医の方々も当院を拠点に集まり避難所の医療を支えたそうです。

当院は震災後のこの一帯で診療を続けた唯一の病院だったそうですが、放射能が広がり迫るなかスタッフはどれほどの不安だったかと想像します。院長の強い決断力とスタッフ一人一人の不屈の精神を感じます。原発との距離や、妊婦や小さな子供などそれぞれ家庭の事情があるためスタッフが避難することは全く責められることではありませんが、町の大きな病院が診療を続けたことは地域住民の大きな心の支えになったのではないかと思います。

これが当院から伝え聞いた6年前の3.11の様子です。6年が経ち普段のスタッフは震災について多くを語らず、普段は私もブログに綴りません。被災地には震災を忘れたい生者の想いと忘れ去られたくない死者の想いがあります。ですが震災に直面した病院組織の経験を後世に伝えることも生き残った者の使命と思います。

亡くなられた方々のご冥福をお祈り致します。
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百考は一行に如かず

2017年03月07日 | 日記



大学病院で研修中の名取です。
気管挿管を行いましたが、久しぶりなので成功してほっとしています。
相馬で出来るようになっておいて心から良かったと思います。

大学病院でも実技のチャンスが回ってくる時があり「君、これできる?」と聞かれますが、もちろん出来るものと出来ないものがあります。
「できません」と答えると、基本的にそのときは流されます。
教えて貰えるよう食い下がるときもありますがそれはその時の雰囲気次第であり、余裕のある時間に教えて貰いながら行うことのできる次のチャンスを待つしかないのです。
できない手技はいつまでもできない、悪循環の始まりです。

大きな病院は難しい手技も多くコンプライアンスの遵守も厳格であるため研修医に任せられない一面があることは確かのようです。
他にも、職場の余裕、教育の優先度、指導者の心持ち、など山ほど理由がありますが割愛します。
そういったなか成長の場が少なくもんもんと過ごしています。

先日相馬の当院の先生と会ったときにそんな愚痴をこぼしたところ、その代わり相馬では見れないものを見ただろう、との返答が返ってきました。
確かに学術的に勉強になることはありました。
要するに、手技が先か、勉強が先かの問題ではあります。

さらに続けて、やれば見るだけよりも100倍経験や勉強になる、とも言っていました。
手技が先か、勉強が先かの問題ではあるのですが、手技を行うことは勉強になります。
そして私は最初に手技を習得した方がその後ストレスなく物事が流れることを感じます。
これが私が研修医時代に手技を重視する理由ですが、皆さんはいかがでしょうか。
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灯台下暗し

2017年03月04日 | 日記
研修医の名取です。

昨日は東北大学で病院説明会がありました。
東北大学は関連病院がとても多いために、当院は毎年苦戦を強いられていたようです。特に福島県沿岸部の臨床研修病院は地元の福島や宮城といった地元の学生さんから注目されないようで、それは臨床研修指定病院となってまだ3年と歴史が浅いこともその一因だとは思っています。

しかし当院は、震災前は全国的には無名の病院だったのですが、原発から近いといったマイナスイメージと引き換えに、これまで世界の人が経験したことのないような災害のなか必死に地域医療を支えた病院として全国的に知名度を上げ、関東や関西の大学から研修医がフルマッチするような病院となりました。そして本当は地元の大学からも研修医を迎えたいという思いはあります。

昨日は何名か説明を聞いてくれた学生さん達がいました。自分の大学の近隣に、全国から研修医が集まる病院があるのを知り興味を持ってもらえたら嬉しく思います。そして未曾有の困難のなか病院を支えたスタッフ達を見てみたいといった気概のある学生さんが見学に来てくれないかなと思っています。
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カイザーとカエサル

2017年03月03日 | 日記

研修医の名取です。

産婦人科をまわっていて感じたのですが、産婦人科は略語の浸透力が半端ではないと感じます。
ギネ(婦人科)とかプレビア(前置胎盤)とかベッケン(逆子)とかカイザー(帝王切開)とか。
ベッケンやカイザーなんかは医療というよりサッカーの話かなと思わなくもないですが。
とりあえずスタッフ全員が使用するくらいに浸透しています。
一般的に知っている方もいるのではないでしょうか。

ところで、カイザーの響きと帝王の響きどちらも格好良いので語源が気になり調べてみました。
意外と複雑でしたので説明します。
カイザーはドイツ語で帝王という意味、さらに帝王はローマのガイウス・ユリウス・カエサル将軍の「カエサル」から来ているようです。さらにカエサルというのはラテン語で分家という意味を持ち、本家から「切り取られた者」という意味を持つそうです。さらにこの切り取られた者の語源があり、古代ローマでは妊婦が死亡した際に胎児をお腹から取り出して埋葬しており、この胎児を「カエサル」(=切り取られた者)と呼んだのが最初の語源になるそうです。ですので古代の胎児を取り出すことと現在のドイツ語の帝王を混ぜ合わせて日本語の帝王切開となったみたいですね。

なかなか勉強になりました。
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