公立相馬総合病院の研修医のブログ

被災地医療を支える公立相馬総合病院
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病院説明会(仙台)

2019年02月22日 | 日記
お疲れ様です。研修医の鈴木です。東北大病院での研修も残りわずかとなってきました。
今日は東北大の艮陵会館で公立相馬病院説明会に参加してきました。会場に来てくれた学生さん80人程度で少なかったためか私たちのブースも厳しい状況でした。この時期は4年生が今週から病院実習(SGTと呼ばれています)が始まったばかりで正直疲れもあってか臨床研修病院の説明会に行ってる余裕もなかったのかなーという印象を受けました。開催日をもう少し変更して頂けたら状況は少し違っていたかもしれません。

初期研修の段階は医師としてふさわしい人格を2年かけて育てていく時期であり、また同時に基本的診療能力を養成していく時期でもあります。大学病院のような大きな病院の研修ではマンパワーが小さい病院よりも豊富であるため、教科書に載っているような珍しい症例を経験できたり、カンファレンスに参加して活発なディスカッションを通してより良い診療方針を打ち出すことができたり、多くのデータベースを有しているので見たい論文の閲覧ができたりなど大きな病院だからこその強みがあります。他方で上の先生方がどんどん仕事をしてしまうので研修医自身が主体的に診療に当たっている感覚が薄れてしまうことがあり("別に自分がやらなくてもいいや"みたいになって学生と同じ状態になってしまった大学の研修医もいる)、2年間無為に研修期間を終えてしまうリスクもあります。また手技なども大病院にいると自分に回ってこないなんてこともあり数をこなして技術を磨くということも難しいこともあります。当院のような小さい病院では自ら診療にあたりアセスメントして治療プランを作り実行するところまで指導医のサポートを受けながら主体性を持って仕事ができ、なおかつ手技を数多くこなすことができるためスキルアップに繋げることができます。

私は2年目は大学での研修が多くなりましたが、1年目は公立相馬病院で過ごしました。1年目の研修はほとんど分からないことばかりだったので(今でもですが…)、目の前の患者さんに対するアセスメントがこれで合っているのかこの治療が本当に正しいのか毎日悩み考えましたが、患者さんのために不屈の精神で惜しみない努力を続ける姿勢は培われたような気がします。手技に関しても当然最初は全然できませんが(採血だって簡単じゃなかった)、どうしたらうまくいくのか勉強して考え、めげずに何度もトライすることで少しずつできていくのを実感しました。外科を回ってた時は気管挿管だけはある程度自信を持ってできるようになってました。2年目は大学での研修でしたが一人の医師としての自覚があったからこそ大学病院のチーム医療に参加することができたのかなと思います。

また、公立相馬総合病院は一部の診療科は南相馬市立病院にお願いしていますが、相馬地区全体の急性期医療を担っている唯一の医療機関です。都市部の病院では一つの点でしかありませんが、当院では診療活動を通して相馬全体が抱える医療の問題を見つめることができます。私も様々な医療機関を見てきましたが、当院は病棟が古いなどのハード面の問題もありますが深刻な人材不足に悩まされています。しかし、地域の総合病院と銘打っている以上住民からは何でも揃っていて24時間常に完璧に管理されている(そうあらねばならない)と思われていることでしょうが、どんなに工夫して効率よく仕事をしても人材不足がある以上非常に厳しい状況です。残念ながら住民の全てのニーズに応えきれていない部分もあるかとは思います。そうした現状を初期研修医が打開することなど到底不可能ですが、そうした地域医療の現実を直視することが今後自分が医師としてどのような形で日本の医療に寄与すべきなのか考える上でも当院での初期研修は非常に意義深いものであると思います。
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医師国家試験

2019年02月09日 | 日記
お久しぶりです。仙台で研修をしている研修医の鈴木です。今日も朝からすごく寒かったです。雪も降りました。
今日と明日は医師国家試験ですね。受験生の皆さん、初日お疲れ様でした。来年度当院で研修する予定の方々も頑張ったことと思います。体調を崩さないように十分に休養して下さい。私の時は3日間にわたって試験でしたが去年から2日間となったので私の時と比べて全体として解く問題数は少なくなりましたが、1日に解く問題数は多くなったのかなーと思います。明日も最後まで解いて頑張ってください。


先月までは東北大の眼科で研修しておりました。1ヶ月という短い間でしたが、弱視、斜視、緑内障、白内障など様々なことを学びました。細隙灯顕微鏡や眼底鏡を使って診察したり、手術に参加したりと多くのことを経験させて頂きました。東北大学眼科学の先生方に感謝しております。
今月は耳鼻咽喉科で研修しています。止まらない鼻血で入院してくる方が2日に1回くらいの頻度でやってきています。ほとんどが出血点を焼灼して止血を確認できたら退院という形になるので病棟の回転は比較的速いです。後は人工内耳埋込術や鼓室形成術など色々やってます。こんな感じで2月はやっていきます。

来月は相馬に帰ってきます。いよいよ研修医最後になりますのでよろしくお願いします。
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