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公立相馬総合病院の研修医のブログ

被災地医療を支える公立相馬総合病院
http://www.bb.soma.or.jp/~psghjim1/

カイザーとカエサル

2017年03月03日 | 日記

研修医の名取です。

産婦人科をまわっていて感じたのですが、産婦人科は略語の浸透力が半端ではないと感じます。
ギネ(婦人科)とかプレビア(前置胎盤)とかベッケン(逆子)とかカイザー(帝王切開)とか。
ベッケンやカイザーなんかは医療というよりサッカーの話かなと思わなくもないですが。
とりあえずスタッフ全員が使用するくらいに浸透しています。
一般的に知っている方もいるのではないでしょうか。

ところで、カイザーの響きと帝王の響きどちらも格好良いので語源が気になり調べてみました。
意外と複雑でしたので説明します。
カイザーはドイツ語で帝王という意味、さらに帝王はローマのガイウス・ユリウス・カエサル将軍の「カエサル」から来ているようです。さらにカエサルというのはラテン語で分家という意味を持ち、本家から「切り取られた者」という意味を持つそうです。さらにこの切り取られた者の語源があり、古代ローマでは妊婦が死亡した際に胎児をお腹から取り出して埋葬しており、この胎児を「カエサル」(=切り取られた者)と呼んだのが最初の語源になるそうです。ですので古代の胎児を取り出すことと現在のドイツ語の帝王を混ぜ合わせて日本語の帝王切開となったみたいですね。

なかなか勉強になりました。

原発近隣の地域医療

2017年02月18日 | 日記
研修医の名取です。
最近、録画していた福島県広野町にある高野病院のドキュメンタリー番組を見ました。高野病院は原発から22kmのところにある原発に最も近い病院です。昨年末にたった一人の医師である院長が急死したため残された入院患者を診る医師がいないことが話題となっています。テレビで取り上げられたこともあり、私が相馬の研修医だと知ると話題を振られることもあります。

院長が亡くなる前からこの地域唯一の病院である高野病院の存続が危ぶまれていましたが、県からの支援はなく、院長が亡くなり再三の要請でやっと支援を決めたようです。しかし人的支援があるわけではなく、現在は全国からのボランティアの院長がなんとか交代で支えているようです。

現在のボランティアの院長は東京から来た私と同世代の36歳の先生とのことです。私も原発事故で医師不足となった相馬市の力になりたい気持ちでここに来ているため、勝手に親近感を持ってしまいました。震災のとき、原発事故が起こったことにより様々な社会問題が長期化することを確信しました。ですので数年後も支援が必要な状況であるかもしれないとは思っていました。

結局この相双地区は震災から6年もの年月が経とうとしていますが、医師不足が解決されていません。今はもともと地域を支えてきた当院の先生方のような医師と、私達のような自分達の意思で来る医師に支えられています。原発事故後の地域医療を医師個人の良心にのみ委ねるのは地域のインフラとしては不確実であると思います。このような大きな問題に対して6年もの間に抜本的で即効性のある地域医療の体制を構築できなかったのだろうかと思います。

とは言え私は私のできる事をやるだけです。原発に近い研修病院は、原発から23kmの南相馬市立総合病院と、40kmの当院である公立相馬総合病院の2つです。この2つの病院に自分の意思で全国から来た研修医達が研修をしています。私達は私達なりに得るものがあるだろうと研修病院を選びましたが、私達がいることで相双地区の医療が少しでも支えられたら嬉しい限りです。

病院とタリーズコーヒー

2017年02月12日 | 日記
土曜の日当直が開けた研修医の名取です。

ここの大学病院には日当直というのがあります。
相馬にはこの制度が無いため今まで知りませんでしたが、日当直は文字通り日直と当直を連続で行います。そして日当直の翌日には、次の先生との引継ぎがあり、そのため午前中が潰れます。ですので土曜の日当直は、土曜は昼夜働きそのまま日曜の昼も働き、週休なしの完成、という研修医に恐れられている勤務形態なのです。

そのような殺伐とした状況のなか、広い院内をふらふら歩いていますと院内にタリーズコーヒーのお店を見つけました。
さすが大学病院。
落ち着いて小洒落た店内、あたたかいコーヒーに日当直の憂鬱な気持ちもなんと癒されることか……。
勤務中なのでもちろんテイクアウトですが。

最近、病院にタリーズコーヒーが出店されているのをよく見かけます。私の母校の付属病院にもタリーズコーヒーが出店されていまして、これには理由があります。タリーズコーヒー日本法人創業者の松田公太氏が、身内の見舞いに毎日病院を訪れていた際に、院外に出れない患者さんや看病で疲れている家族、ひいては緊張感を強いられる職員にも病院内で本格的な美味しいコーヒーを提供してあげたいと感じたそうです。そのような経緯のもとタリーズコーヒーは「日々の緊張感のある医療現場での癒しの空間の提供」の理念を掲げて積極的に病院に出店しているのだそうです。
素晴らしい着眼点だと思いますし、お陰様で私も癒されております。

相馬の当院にはまだタリーズがありません。
公立相馬総合病院への出店も、ぜひ!

医師国家試験前日

2017年02月10日 | 日記
大学病院の産科に異動した研修医名取です。
初日から途切れない仕事に、やっぱり産科は忙しいですねとコメントをしたら、
常にこんな感じなら俺は産科を辞める(笑)と指導医の先生がおっしゃっていました。
というわけで呼び込む体質は大学病院でも健在です。
今日流れがやっと止まりましたが正直疲れました。
そのような日々のなか相馬で培った手技が活きていることを感じます。
相馬の先生方に感謝です。

さて明日から3日間、医師国家試験が始まります。
総計25分野、500問、15時間にわたる試験になります。
合格基準は複雑……
必修問題80%以上
一般問題例年だいたい65%以上
臨床問題例年だいたい65%以上
禁忌問題の誤答3問以下
そして相対基準として受験生全体の約90%以内
全てを満たさないといけません。

学力がほぼ合格圏内に達した受験生を苦しめるのが、必修80%と禁忌3問。
最後はこの2つが不確定要素となります。
どんな試験でも8割をコンスタントに取ることは難しく、私は必修問題のときは頭のギヤが一段上がりました。
禁忌肢はどれが禁忌肢か分からないので対策の立てようがありませんが、それっぽい問題のときは時間をかけて一択一択細かく吟味しました。
といっても歴代禁忌肢で落ちた人はいないとの噂もありますが。
医師国家試験とはそのような試験になります。

受験生の方々は緊張がピークだと思います。
最後は3日間持ちこたえる体調が大事です。
復習も大切ですが、早めの良い睡眠を取って明日から万全の体調に整えてくださいね。
まずは試験会場に遅刻せずに行き、マークシートをなんとか塗り潰すだけでも合格はグッと近くなります。
それだけの力はつけてきたはずです。
我々も陰ながら応援しています!

鶏口牛後

2017年01月31日 | 日記
いまは大学病院にいる研修医名取です。

一時的に相馬に帰還したところ医学部の学生さんが当院の見学に来てくださっていました。
その際に、当院は研修医が少ないので自ら手を挙げる積極性がなくても仕事を任せてもらえる、というなんとも微妙な利点を話しました。
正論を申せば、そんな積極性のない人間には任せたくないのが本当のところでしょうが、しかし当院ではそんな研修医にも戦力になってもらわなくては困るのです。
そして私自身の話をすれば、もじもじ引っ込み思案ではありますがやる気はあります。
積極性とやる気は異なります。
ということで、この環境も当院はオススメだと思っています。

ところで話題の電通ですが、以前電通の社員の方からこんな話を聞きました。
電通は就職最難関の会社です。
入社できた方々はみんな何かしら秀でています。
しかしそんなエリート新入社員達の中から、会社は一握りのスター社員を育てていくのだそうです。
つまりそれ以外の新入社員はその他大勢となっていきます。
もちろんこれは公の方針ではなく社内の実感だと思います。
研修病院も同じはずです。
大勢いる研修医に等しく愛情と労力を注げるでしょうか。
昔から鶏口牛後の例えがありますが、歳をとるほど分かってくる言葉です。

さて医師国家試験も差し迫ってきました。
友人と連絡を取ったら、子供2人を育て3人目を妊娠中でゲロゲロしながら国試に挑むと話しておられました。
絶句です。
そんな環境で試験を受けるだけで本当に凄いですね。
ぜひとも合格をもぎ取ってもらいたいです。
他の皆さんも、体調を整えてラストスパート頑張ってください。

精神科デイケアでのひととき

2017年01月26日 | 日記


精神科デイケアでくつろいできた研修医名取です。
大学病院は大きな病院なので、院内の毎日どこかでイベントが開催されていてなかなか楽しいものです。

精神科デイケアというのは精神疾患から回復された患者さんが社会機能の回復を目的として訓練する施設です。
通常はコミュニケーションや軽作業などを通して一般社会に戻れるよう訓練しています。
今回は元患者さんが一日カフェを営業するイベントというので客として尋ねてみました。

いつもは入院中の陰性陽性症状バリバリだったり自殺未遂だったりかなり調子の悪い方々を診ているのですが、退院後の方々が想像以上にスムーズに接客業をこなしておりその回復ぶりに本当に驚きました。

そのカフェで元患者さん達から「365日の紙飛行機」の合唱が披露されました。
歌に引き込まれるような本当に不思議なひとときだったのですが、何気なく聞いていたらうっかり涙が出そうになりました。
私がそのような気持ちでいたら、精神科の先生方も口々に「涙がこぼれそうになった」とおっしゃっており、ああこの瞬間みんな同じ気持ちを抱いたんだなと感じました。
先生方は元患者さん達と長いおつきあいであるため特にそう感じたようです。

ずっと見てる夢は 私がもう一人いて
やりたいこと 好きなように
自由にできる夢

私が特に響いた部分です。
患者さんももしかしたらこのように思っているのかもしれません。

大学病院での研修の魅力

2017年01月14日 | 日記


センター試験に妖怪ウォッチが出たみたいですね。
それなら医師国家試験にはポケモンの光てんかんが出ると思った研修医名取です。
今年度の医師国家試験は2月11日、12日、13日の3日間です。

昨年のこの頃の私はグループで勉強をしていました。
他の人の勉強姿が励みになったり逆に息抜きになったりして皆で成績を上げました。
いま思っても最高のメンバーでした。
そして夜は走りに行きそのまま近くの銭湯でひとっ風呂浴びるのが一日のご褒美でした。
緊張感が増してくる頃かとは思いますが、自分に合ったストレス解消法で体調を崩さないように頑張ってくださいね。

ところで現在大学で研修している私の方ですが、当院とのギャップが凄いです。
いまの正直な感想では、大学病院というのは入局した若手の医者を育てる場所でしょうか。
入局していない研修医はどうしてもお客様になります。
そもそも私のような市中病院を選ぶ輩は大学病院よりも市中病院に魅力を感じているため、どうしても見方がネガティヴになってしまいます。

ですが、本当はそうではなく大学病院の魅力があるはずです。
大学病院での研修は研究室や医局に入る際のコネクション作りが第一かな…。
身も蓋もないのでそのような打算ではなく研修としての魅力を考えますと、
大学病院の利点は、特に大学の先生は教育熱心な方が多く質問すると親身に教えてくださいます。
新しい本なども紹介して貰えますし、新しい指標や指針も細かく知ることができます。
私もそういう「なんとかスコア」とか「なんとか分類」とか「なんとかアルゴリズム」とか「英語3文字」がじつは好きでした。
サマリーのまとめやカンファレンスの発表も細かくチェックされます……。
きちんとした知識の獲得は大学病院が一番でしょう。

それから都会にあるというのは一応魅力でしょうかね。
写真は相馬では見られない都会の夜景です。

あけましておめでとうございます2017

2017年01月08日 | 日記



あけましておめでとうございます。
研修医の名取です。
本年も公立相馬総合病院をどうぞよろしくお願い申し上げます。
写真は同期の濱近先生から頂いた長男ちゃーくんです(了承済みです)。
猫を飼っている人はいつでも猫年ですね、私も猫好きなので気持ち分かります。

ところで私は1月から某大学病院で研修を受けています。
知られていませんが、すべての研修医には、
①頻度の高い症状20例、②経験すべき疾患10例、③外科症例1例、④CPC症例1例
のレポートを提出する到達目標が設けられています。
当院では経験しにくい症例があるため、その分野に強い病院でその症例を経験する必要があります。
そして当院は3つの大学病院と協力関係を結んでおり、その中から選択し研修を受けることができます。
大学病院を3つも選ぶことができるのは、研修医1号の先生や当院臨床研修関係者の方々の御尽力の賜物でありとても感謝感謝です。
念のため説明しておくと、足りない症例を他病院で経験するというのはどこの研修病院でも行なっています。

医学生は大学病院で学んできているため、大学病院の研修生活は既に見てきているわけです。
ですが、今度は研修医の立場となると想定していた以上の驚きもありました。
もう既に色々感じることがあり書きたいこともありますので今後書いていこうと思います。
生活面では都会の大病院で久々の電車通勤をしており気分転換になっています。
田舎は好きですが、都会もたまにはいい感じです。

それでは本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

相馬の研修医の仕事納め

2016年12月31日 | 日記


今年最後の回診を終え仕事を納めた研修医の名取です。
大晦日の病棟ですが、雰囲気は平時とちっとも変わりはありません。
病気に休みはありませんから。
ですが当院の年末年始は応援医師の派遣があり、私は幸運にも年始の休みをいただけました。
看護師や技師などは応援がないので大変なのは看護師さんや技師さん達ではないかと感じた病院の大晦日です。

今年の大晦日は平時と変わらない病院で働いたわけですが、昨年の大晦日は何をしていたのだろうかとふと思い返しました。
昨年の手帳を見返してみると、国家試験の模擬試験を自宅で受けていました。
なんとストイック。
医者はよく国家試験の勉強をしなかった自慢をしたがりますが、私はインフルエンザにかかろうがノロにかかろうが最悪なコンディションでも圧倒的な学力をつけて国家試験を押し通るといった戦略とは言えない戦略を立てていたので、年末年始も一生懸命勉強をしていたようです。
横浜の年末年始はとても人が少なくなるので寧ろ快適に勉強ができた気がします。
色々な戦略があると思いますが、今年度の受験生の方々もくれぐれも頑張ってくださいね。

さらに6年前の医学部受験の大晦日は何をしていたかを思い返すと、当時は東京の王子にいました。
王子の大晦日は、全国から狐が集まり王子稲荷神社を詣でるという言い伝えがあります。
狐の提灯がぶら下がる幻想的な王子の街並みを狐に扮した行列が通ります。
歴史がある街には色々なしきたりがあり面白いものです。
そのときにクジを引いたら一等が当たり十二支のぬいぐるみが当たりました。
というわけでなんとなく思い出に残っています。

最後に、年末の回診で大切なことを学びました。
私一人で回診をした際に退院を希望する患者さんがいました。
現段階の病状では到底退院はできないため、その旨を説明して退院不可であることを伝えました。
そのことを指導医の先生に報告したところ、医学的には退院は勧められないけれど……外泊させてあげましょう、という方針になりました。
患者さんはお正月を自宅で過ごしに外泊に行かれました。
これが勉強の医学と実際の医療の違いなのか、としみじみ感じました。
患者さんのための医療を実践していきたいと感じました。

それでは今年も公立相馬総合病院をご支援いただきありがとうございました。
良いお年を。


臨床研修病院の選び方

2016年12月17日 | 日記


今年が終わろうとしています。
研修をしている科も変わるため病棟の送別にお花をいただいた研修医の名取です。
いつもは殺風景な部屋に彩りが出ました、ありがとうございます。

6年生の皆さんは第3回テコム模試の結果が出た頃ですね。
第3回テコム模試は通称「ヘコム模試」と言われて国試直前の受験生を凹ませることを目的としている(としか思えない)難易度の高い模試です。
発破をかける目的なんでしょうが、難しすぎるので試験結果に落ち込まないでぜひ追い込みを頑張って下さいね。

ところで、5年生や4年生向けに臨床研修病院選びについて書かれている良質のサイトを見つけたので紹介したいと思います。
「学校で教えてくれない デキる研修医のつくり方」
https://resident.mynavi.jp/conts/tsukurikata/index09.html

病院を選ぶ上での着眼点がよく書かれていて、研修している今よく実感し頷けることばかりです。
学習機会項目の"カンファレンスの盛り上がり"も同意ですし、スキルアップ項目の"基本手技を重点的に"なども本当に同意です。
早くスペシャリストになりたい人もいるとは思いますが、スペシャリストであっても全科当直ができないと仕事にならないため、やはり各科の基本手技は大切です。
ラパロ下担摘やPCIなどを研修医に任せる病院もありますが、研修時代はそれよりも一般的に使える手技を確実に習得する方が役に立ちます。
時間は平等なので、その時間をどの学習に使うかが研修医時代の鍵だと思います。
良ければぜひ参考に見てみて下さい。
ただ、"オリエンテーションが長いと研修医を大切にしている"というところは良いとは思えないかなと感じました。
大切というよりは過保護、ちょっとでも責任ある仕事は任せてくれなそうですね。

この一年、自身も研修医をやりながら他病院の研修医と話をしていると段々見えてくるものがありました。
認識を改めなくてはいけないこともあります。
私はよく研修病院比較の対比として、都会vs田舎、大病院vs小病院といった対比を使ってしまうのですがこれは少し間違っているように感じています。
研修内容に差が現れるのは、病院内の研修医の数のようにも思います。
サイトにも書かれていますが研修医個々人に対して病院側の熱心さに差が出てきます。
研修医の話を聞くと、研修医の数が少ないところは個人として丁寧に扱われやすく上の先生方の熱心さが表れるようです。
しかしながら研修医の数が少ない病院というのは、質が悪く人気がない病院という真逆の場合もあり得ますので注意が必要ですね。
募集人数が少人数でフルマッチしている病院が良い病院なのでしょうか?

そして最後に、いつも環境面を話題にしてしまうのですが実際の私は成長できているのでしょうか…?
この一年でCVや挿管など出来るようになったのでちょっとは成長できていると思いますが……上の先生からはまだまだと言われてしまうでしょうが……。




病院も 宴会芸を やるんだよ

2016年12月10日 | 日記
病院全体の忘年会があり、流行りの"恋ダンス"を踊ってきた研修医名取です。
日頃病魔に苦しむ患者さんに寄り添っている我々病院職員ではありますが、忘年会となれば一年の辛さをリセットする病院全体の催しを開き、そして次の年の活力とします。
良い雰囲気のなか、恋ダンスも別グループのPPAPもとても盛り上がり、やった甲斐がありました。

いま6年生は国試追い込みシーズンですね、何が宴会だと噴飯せずに読んでいただけたら。
来年は解放されますので是非国家試験を突破して下さいね。

今日はいつもよりさらに赤裸々に書いていきたいと思います。
忘年会と言えば新人芸を求められるだろうなとは想定してはいました。
やりたい人もいればやりたくない人もいるでしょう。
私は、notやぶさかではありますが進んでやりたいわけでもないといったスタンスです。
私の友人は、宴会芸や社員旅行のあるような文化の会社には絶対に入りたくないと言い、外資戦略系コンサルに就職しました。
そういう意見もあるでしょう。
しかしながら一般的に医療業界は古い日本的体質のところが多いので、新人医師は宴会芸や旅行からは逃れられないことが多いと思います。
私も、お前は新人なんだから新人芸をやるのが当前だ!と高圧的に言われたらやる気が萎えます。
思えば当院に就職する前は、そういった環境で芸をさせられたこともありました。

ですが当院はちょっと違いました。
忘年会の新人芸に何をやろうかなと思案していた頃、
「先生、私達と一緒に芸をやりませんか?」と看護師さんと先生方有志一同から誘われ、なんと企画も衣装も用意していただいてしまいました。
あまりの至れりつくせりぶりに、芸を披露する方ではありながらも、ここまで用意していただき本当に恐縮ですといった気持ちになってしまいました。
そういったわけで、心のわだかまりもなく宴会芸を披露し皆さんに喜んでもらえ、いやーやって良かったです。

というわけで何が言いたいかというとですね、引っ込み思案の方でも当院の忘年会は大丈夫です。
他の病院でも新人芸からは逃れることはできないので当院で皆で楽しくやりましょう。
もちろん宴会芸企画大好きの方も歓迎です。
ここまで書いておいてなんですが、有志企画なのでもちろん断ることもできます。
でもちょっと"恋ダンス"踊ってみたくないですか?

患者さんには大変申し訳ないですが、ちょっと病院裏事情を書きました。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。


外科の奇妙な通過儀礼?

2016年12月02日 | 日記


まさかの風習に驚きの研修医名取です。

外科の先生から「初めて〇〇ができたから寿司だな!」と何かを達成する度に言われ、心の中で「(ゴチっす)」と思っていたのですが、まさかまさかの自分が寿司をおごる方とは。
外科分野では初執刀させて頂いたお礼に寿司をごちそうする習慣があるみたいです…。
調べたらインターネットの検索でも出てくるし外科の教科書にも書いてあるくらい全国に普及した通過儀式らしいですね。
(……そんなの初めて知りました。)

下の者がごちそうする、と言っても本当に感謝の意をあらわす医局の楽しい風習なんだそうです。
こう言ってはなんですが、新人は普段から十分すぎるくらいおごってもらっていますので。
というわけで病棟の先生方と看護師さんにお寿司を御馳走してきました。
「研修医ブログに書くなよ!」と言われましたが、振りですよね??書いちゃった。
…恐怖の通過儀礼です(笑)
その代わり簡単な手術執刀など色々やらせてもらっています。

ところで、この研修医にやらせる、任せる、というのは研修病院の生命線だと私は思っています。
研修医は手技を実際にやらせてもらって成長することができます。
先日研修医勧誘のイベントに参加してきましたが、どこの病院も研修医の仕事の裁量を売りにしていました。
つまり研修医に仕事を任せる文化だけでは、別の病院との差別化は図れない時代に突入してきた印象を受けます。
逆に言えば、研修医に手技や仕事をやらせるのは当然で最低限のことになってきたとも言えます。

ですが、さらに私の印象としては、今回の外部向けのプレゼンと実情は乖離しているようにも思います。
外部向けのプレゼンとは裏腹に、任せてもらえない状況下で不満を燻らせている研修医をこれまで数々見てきました。
研修医に仕事を任せるというのは指導医が責任を負うことになります。
上の先生としては研修医に仕事をさせない方が楽な一面もあります。
その代わり研修医は成長せず、戦力にもならず、中長期的にも病院は評判を落とし研修医は集まらなくなるでしょう。

そういう訳で、当院はどの指導医にも研修医に仕事を任せるようなクオリティを目指して欲しいなと個人的には思っています。
もちろん任せることができるかどうかは研修医の努力次第、実力次第ということは承知していますが、研修医に任せることができるような実力まで、まず引っ張り上げるということも含めて研修の質が向上すれば素晴らしいなと思います。

自分のことは棚に上げて、他力本願な意見をしてしまいましたが、研修医も努力して、研修病院もクオリティを上げるのが好循環かと思います。
研修医が早く戦力になったらお互いにとって良いですよね。
色々任せていただいて感謝の気持ちはいっぱいですが、当院もさらに高みを目指して欲しいと思います。

それにしてもすごい通過儀礼でした(と言いつつ楽しいイベントでした)。

相馬の秋はタヌキ

2016年11月14日 | 日記
めっきり寒くなった相馬の秋をたんのうしている研修医名取です。
今週末はタヌキを5匹見ました。
相馬に来てから見た数ではありません、今週末だけでです。

東京23区にあった私の元会社敷地内にも都会ダヌキが住み着いていたので、タヌキを見てすごく驚くことはありませんが、でもなかなか2日間で5匹は見られないですね。
秋だからでしょうか、丸々と太りコロコロと走っていく姿はとてもかわいいです。
最近の私の趣味は夜のドライブなのですが、飯舘村方面に車を走らせるとサルを見ることができ、丸森町方面に走らせるとイノシシが見られます。
ウリボウもかわいいです。
相馬の秋は趣深いです。

前回、当院の研修をさらに良くする具体案を載せたいと綴りましたが、仕事並みのきちんとした内容を載せるとなると文章の推敲が本当に大変。
話も長くなってしまい自分も長考に入ってしまいます。
このままではブログが長いことストップしてしまう。
ということで、その話はいったんお休みにしてタヌキの話をしてみました。
真面目な話だけでなく、こういう話題があるとブログがとても書きやすくなります。

ところで先週は福島県立医大の家庭医療講座の先生が来院しへき地医療のやりがいについて講演してくださいました。
来週は福島ネットワークガイダンスで福島県立医大の学生さんの勧誘活動に行ってきます。
当院の研修環境は随一なのに、田舎にあるというのがネックになるときがあります。
田舎であることが魅力的でやりがいがあり、そして研修環境にプラスに働いている、ということに学生さんに気付いてもらいたいですね。
かわいいタヌキを見たい学生さん募集中です。



侘しい夜もあっての世の中だ

2016年11月04日 | 日記
「勢いだけが必要とされているわけじゃない。侘しい夜もあっての世の中だ。」
漫画の中にでてくる一言を思い出した研修医名取です。

ここ最近、身近な人の侘しい夜を何度か目にすることがありました。
なかなか切ないものです。
今日の夜は自分も何となく侘しさを感じました。

今日は研修医の要望を吸い上げてくれる臨床研修委員会という会が開かれました。
当院の研修体制はまだ出来て3年しか経っておらずまだまだ洗練されているとは言えません。
また、相馬といったらコレといった特別な特徴を自ら打ち出せているわけでもありません。
私がブログに書いているような数々の魅力は、病院自体がアピールしているというよりは、当院の素材の良さに学生や研修医の方が気づいていったと言っても過言ではありません。
でも、素材の良さだけで、学生や研修医の方に気づいてもらうといった姿勢で他の研修病院と勝負はできません。
見学に来てくれた学生さんが当院のそこはかとなく漂う魅力に気づいてもらえたのかいつも心配になります。
やはり病院全体としての研修への一つの方向性が必要だとここ最近おもうのです。
研修医一号の先生もそうでしたが、私は自分の研修が良ければそれで終わりではなく、後輩や相馬のためにも臨床研修体制を良くしていきたいと思っています。

そういうわけで、今日ちょっと研修をより良いものとしたい意見を発言してみましたが、何となく空回り感が否めませんでした。
人にものを伝えるって難しいですね。
共感を得るというのもなかなか難しいことです。
伝える相手も間違っていたかもしれません。
研修のことを日頃からよく考えて下さっている研修委員の方ではなく、病院全体に伝える類のものだったかもしれません。
たくさんお世話になり良くして貰った上で改善案を言うのも心苦しいところがあります。

話が長くなってしまうので具体案は次の機会にでもして、とりあえず、相馬のありのままの姿を選んで貰うのでは心許ないです。
やはり魅力に気づいてもらい、選ばれるにはそれなりの努力や対価が必要だと感じています。
言うだけではなく私も頑張ろうと思います。


地域医療を考える会

2016年10月27日 | 日記
絶賛、患者さんを呼び込み中の研修医名取です。
あまりに呼んでしまいICUが満床になってしまいました。
看護師さんたちの嬉しい悲鳴が聞こえるようです…。
私も帰るのがこんなに遅くなってしまいました。

ところで先日地域医療を考える会に行ってきました。
相双地区では地域医療を考える会という会合を年一回開き、開業医や勤務医が一同に会してお酒を酌み交わしながら地域医療のことを話し合います。

その地域医療のひとつの話題が相馬の次世代の医師の定着で、そのひとつの方策が公立相馬総合病院の研修医の募集です。
相馬は医師の高齢化が進んでいるため、開業医の先生方も新たな医師定着のために腐心してくださっているのです。
この話はもちろん研修医を相馬に縛り付けるような怖い話ではなく、せっかく来てくれた研修医が2年間のうちに相馬に愛着を持ってくれて、将来の勤務地の候補として考えてくれたら嬉しいということだと思います。

これは相馬が学生や研修医に対してどれだけの魅力を打ち出せるかの勝負でもあります。
というわけで魅力を打ち出す方法として、留学や車を買い与えるなどの甘い飴案も出ましたが、お酒も入っていたのでまあさすがに冗談ですよね。
それよりも在籍中の研修医を大事にして自由で充実した研修を受けさせて、自発的にこのブログに魅力を書いたり人に話させたり仕向けたほうが良くないですか?(笑)

今のところ症例や手技をひとり占めできるといった自分が思い描いた研修をさせて頂き満足ではあります。
が、満足で終わりではなく当院の研修制度の改善点も見えてきたので、せっかくなので次の研修医のためにもいろいろ意見していきたいとも考えています。
研修医の意見を聞いてくれようとする姿勢も当院の魅力ですね。

冒頭の写真は相馬の観光名所、文字島です。