今年最後の回診を終え仕事を納めた研修医の名取です。
大晦日の病棟ですが、雰囲気は平時とちっとも変わりはありません。
病気に休みはありませんから。
ですが当院の年末年始は応援医師の派遣があり、私は幸運にも年始の休みをいただけました。
看護師や技師などは応援がないので大変なのは看護師さんや技師さん達ではないかと感じた病院の大晦日です。
今年の大晦日は平時と変わらない病院で働いたわけですが、昨年の大晦日は何をしていたのだろうかとふと思い返しました。
昨年の手帳を見返してみると、国家試験の模擬試験を自宅で受けていました。
なんとストイック。
医者はよく国家試験の勉強をしなかった自慢をしたがりますが、私はインフルエンザにかかろうがノロにかかろうが最悪なコンディションでも圧倒的な学力をつけて国家試験を押し通るといった戦略とは言えない戦略を立てていたので、年末年始も一生懸命勉強をしていたようです。
横浜の年末年始はとても人が少なくなるので寧ろ快適に勉強ができた気がします。
色々な戦略があると思いますが、今年度の受験生の方々もくれぐれも頑張ってくださいね。
さらに6年前の医学部受験の大晦日は何をしていたかを思い返すと、当時は東京の王子にいました。
王子の大晦日は、全国から狐が集まり王子稲荷神社を詣でるという言い伝えがあります。
狐の提灯がぶら下がる幻想的な王子の街並みを狐に扮した行列が通ります。
歴史がある街には色々なしきたりがあり面白いものです。
そのときにクジを引いたら一等が当たり十二支のぬいぐるみが当たりました。
というわけでなんとなく思い出に残っています。
最後に、年末の回診で大切なことを学びました。
私一人で回診をした際に退院を希望する患者さんがいました。
現段階の病状では到底退院はできないため、その旨を説明して退院不可であることを伝えました。
そのことを指導医の先生に報告したところ、医学的には退院は勧められないけれど……外泊させてあげましょう、という方針になりました。
患者さんはお正月を自宅で過ごしに外泊に行かれました。
これが勉強の医学と実際の医療の違いなのか、としみじみ感じました。
患者さんのための医療を実践していきたいと感じました。
それでは今年も公立相馬総合病院をご支援いただきありがとうございました。
良いお年を。