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ヤマザキ、フリーターを撃て!

ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない

2010-10-10 03:05:12 | おっぱいなし映画



 映画「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」見る。2ちゃんから始まったスレッドの映画化。高校中退のニートがIT系ブラック会社に勤めるという実話。予想外にいい映画でおもしろかったんでネタバレで。高校でいじめられ中退して何年もひきこもってきた小池徹平26歳ニート。母から「いつまでもスネかじってるんじゃないわよ。いつまでも親がいるわけじゃないんだから」と怒られる。小池は「じゃあ死ぬまでには働いてやるよ」と怒鳴る。母は息子のためにスーツを買いに行くわけですよ。ヨーカドーで母が買ってきた服を着て外出しますが何か?というひきこもりのようなにおい。だがその帰りに母は車にひかれて死んでしまうのだ。生まれて初めてスーツを着たのが母親の葬式という悲しさ。小池は親が死ぬまでに働いてやるよという約束を守れなかった。一念発起して基本情報を取得して就職活動する。どこに行っても10年近くの履歴書空白は「今まで何やってたんですか?」と鼻で笑われる日々。だが彼の人生を受け入れてくれる社長がいたのだ。死んだお母さんのためにも頑張りなさいと。そして入社した企業は見事なまでのブラック企業でした。

 期待して入ったIT企業。大手の下請けの下請けの下請けのみたいなピラミッド最下層。発注先に対して「ノー」という単語は存在しない。プログラマーのリーダーである品川祐は社長前でだけペコペコ。いなくなるや調子のってんじゃねえぞこの野郎と豹変する。ガンダムオタクで仕事をしない調子のいい男、社長の愛人のおばさん、他人とほぼ会話もできない廃人など変人しかいない。だがなぜか一人だけナイスガイの田辺誠一がいる。田辺で持ってるような会社だとニートだった小池でもわかる状況。小池の部屋には三国志の漫画がそろえてある。三国志のような泥沼覇権フラグが立っているのだ。リーダーの品川がおまえどこ出身だ?と聞くや小池「早稲田です」。エリートか?なめてんのかコラ?となる。だが彼は早稲田という地名に住んでるのであって早稲田大学とは縁もない。小池はニートだったからなめられないように訂正しないで通すのだった。だが職場にリアル早稲田理工がきてしまうのだった。大手ITを退社して雑魚どものボスになるためにやってきたのだ。

 以下ネタバレ




 この早稲田男が勝手に仕事を取ってくる。人が足りないので派遣の美人女性を呼ぶんだけどこの人もちょっとメンヘラ入ってるわけですよ。変人しかいないんですかここはとなる。一人だけ優しいナイスガイの田辺。人柄もよく仕事もできるのになぜ彼はこんな会社にいるのだろう?だが自分の過去を聞かれたくない小池は他人の過去を聞かない。入ってはいけない領域という利害関係で繋がるアダルトな関係が描かれる。それがいわゆる働いてる人たちの社会なのか?そもそも働いてないニートと働いてる正社員様との間にある差って何なんだ?逃げ込んだトイレなどで働いてないニート小池とスーツ着てる小池が何度も対峙する。

 田辺の過去がだんだんわかってくる。彼女がいるらしく待ち受けは二人の写真。彼は大学を出て司法試験の勉強を続けてプログラマの彼女に食わせてもらっていた。彼は地方出身でそれなりの大学を出てる男であってインナー東京出身で学歴のない小池と対照的。彼女は過酷な労働環境で精神が病んできたのを言えずに我慢し続けるも発作的に自殺。田辺は司法試験を捨てて彼女への贖罪のようにブラック企業で働き続ける。小池も田辺も働き始めた理由は周囲の影響。二人とも自分はなぜ働くのか?と自問自答をしていたのだ。短い映画のせいか周囲の人間がなぜ働くのかまでは描かれない。タイトルの限界とは何かが描かれるんだけど、それは彼自身を受け止めてくれる人間の存在。就労時間が長いとか、同僚や会社が信用できないとか、そうじゃなくて一人でもいいから気持ちをぶつけられる存在があるかどうか。そういう存在がないと限界を迎える。だから小池の母が死んで父は弱って癌になってしまう。だからこそ彼は「僕はニートの時だって一生懸命に生きてたんだ」って言う。彼はブラック企業に勤めてようが勤めてなかろうが限界を迎えていた。だがその限界を理解したのは彼が対照的な人たちと触れ合ったから。「これが生きていくことなのか」と泣きながら言う。ラストでは社長の森本レオがどこにも行き場のない若者を採用して陰で言う「ソルジャーゲット」。民放のゴールデンタイムに放送すべき映画。

4 コメント

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フェンスの向こうがカリフォルニア (ikagenki)
2010-12-07 06:22:12
いまさらなんですけど、

福生在住なんですか?

「昭和をどう笑話するか」を読んで、

やっと気づきました。

かつてアメリカ (so-jaded)
2010-12-08 01:37:12
 福生じゃないんですよね。近くにあったもう一つのほうです。闘争があってえらくもめていた所と言えばいかさんならわかるかな。話を聞いた老人の家はその中心地から100メートルくらいの所ですね。

 周囲の環境が変化しすぎてると書いたのはもうなくなって再開発されてるという意味です。まあ今でもアメリカに面してる町ですね。
S (ikagenki)
2010-12-08 02:02:12
Sですか。

立川基地と横田基地は別物なんですね。

なんか、大きな基地があって、その半分の立川地区部分(現昭和記念公園)が返されたのかと勝手に思っていました。

おいらが、育った地域も元基地でした。
キチ (so-jaded)
2010-12-08 03:26:32
 札幌にもあったんですね。基地って青森までだと思ってましたよ。

 公園だけじゃなくて周囲も広範囲で基地だったんですけど離れてますね。拡張しておそらく横田とつなげたかったからもめたんだと思います。この二つを併せたら本当に広い。

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