NHK-BS世界のドキュメンタリー「タイ エイズ患者と家族の記録」を見た。ドイツの制作。エイズに感染した一家が崩壊していく様子が描かれる。父ちゃんが売春婦から感染、母ちゃんにも移って一番下の女の子にも感染してる。上の男女の子は感染してない。既に父ちゃんは発症していて痛々しい姿で病的に痩せている。
一家は雑貨屋を経営してたんだけど感染がバレてからは誰も買いに来ない。田舎なんでみんな知ってるんだ。友達もいなくなり、長女は学校でいじめられる。教室では二人で並んでるのに長女だけ一人で離れている。彼女は言う「エイズの子ってみんなに言われてる。いじめられるのも両親のせいだ」。はっきり言って死んで欲しいみたいな状況だ。一家全員並んで写真を撮るんだけど長女だけは泣いている。もうこのように家族が一同に揃うことは二度とないってわかってるんだ。そしてこれが子どもたちの強制的な巣立ちだってことも。
タイには世界最大というエイズホスピスがある。何でもオーストラリアで工学を学んだ住職が始めたらしい。数百人もの死を待つ人間が暮らしてるんだ。えらい美人だった人の生前の写真と共になんと彼女のミイラが展示されている。仏像の前には何かが袋に入れられて積み上げられている。「エイズで死んでいった者達」との掲示。これは骨の山なんだ。
一家はこのホスピスに入る。様々な人がいて、ここで働いてるオランダ人は言う「ここにいるとすべてがシンプルなんだ。自分の存在意義などについて考えなくていい」。この人は自分の死について悩んできたんだなと感じる。自己の救済としての活動なのかもしれない。しかし一家はここでの生活は持たない。病人の巣窟みたいな場所で暮らすのはごめんだってのと奥さんの自我の強さで共同生活が送れない。
父ちゃんは死に、母ちゃんはバンコクへ出稼ぎに、上の長女は学費は払えずに祖母と暮らし、長男は孤児院へ、下の感染してる子はエイズ孤児の施設へ入れられていく。母ちゃんは一家を引き取りたいと頑張りながら下の子に会いに来る。泣きながら父ちゃんは死んだよって言う。しかし彼女も発症して行方不明になっていく。家庭は完全に崩壊したのだと終わっていく。
エイズ孤児院ではおいらはエイズの子~って歌わせたり、ホスピスに学生が遠足で来て死体の映像を見ながら爆笑してるなどタイってのは死生観が違うのか理解しがたいところがある。向こうの新聞って平気で死体載せるらしい。だから淡々としてるんだ。おれバンコクってインドのムンバイ行く時に経由で飛行機が止まって窓越しだけからみたことがある。そしたら飛行場からゴルフ場が見えるんだ。飛行場のすぐそこでゴルフしてて、このシュールな光景はおそらくおれには理解できないなと思った記憶がある。こういうのがオランダ人のいうシンプルなのかもしれない。
一家は雑貨屋を経営してたんだけど感染がバレてからは誰も買いに来ない。田舎なんでみんな知ってるんだ。友達もいなくなり、長女は学校でいじめられる。教室では二人で並んでるのに長女だけ一人で離れている。彼女は言う「エイズの子ってみんなに言われてる。いじめられるのも両親のせいだ」。はっきり言って死んで欲しいみたいな状況だ。一家全員並んで写真を撮るんだけど長女だけは泣いている。もうこのように家族が一同に揃うことは二度とないってわかってるんだ。そしてこれが子どもたちの強制的な巣立ちだってことも。
タイには世界最大というエイズホスピスがある。何でもオーストラリアで工学を学んだ住職が始めたらしい。数百人もの死を待つ人間が暮らしてるんだ。えらい美人だった人の生前の写真と共になんと彼女のミイラが展示されている。仏像の前には何かが袋に入れられて積み上げられている。「エイズで死んでいった者達」との掲示。これは骨の山なんだ。
一家はこのホスピスに入る。様々な人がいて、ここで働いてるオランダ人は言う「ここにいるとすべてがシンプルなんだ。自分の存在意義などについて考えなくていい」。この人は自分の死について悩んできたんだなと感じる。自己の救済としての活動なのかもしれない。しかし一家はここでの生活は持たない。病人の巣窟みたいな場所で暮らすのはごめんだってのと奥さんの自我の強さで共同生活が送れない。
父ちゃんは死に、母ちゃんはバンコクへ出稼ぎに、上の長女は学費は払えずに祖母と暮らし、長男は孤児院へ、下の感染してる子はエイズ孤児の施設へ入れられていく。母ちゃんは一家を引き取りたいと頑張りながら下の子に会いに来る。泣きながら父ちゃんは死んだよって言う。しかし彼女も発症して行方不明になっていく。家庭は完全に崩壊したのだと終わっていく。
エイズ孤児院ではおいらはエイズの子~って歌わせたり、ホスピスに学生が遠足で来て死体の映像を見ながら爆笑してるなどタイってのは死生観が違うのか理解しがたいところがある。向こうの新聞って平気で死体載せるらしい。だから淡々としてるんだ。おれバンコクってインドのムンバイ行く時に経由で飛行機が止まって窓越しだけからみたことがある。そしたら飛行場からゴルフ場が見えるんだ。飛行場のすぐそこでゴルフしてて、このシュールな光景はおそらくおれには理解できないなと思った記憶がある。こういうのがオランダ人のいうシンプルなのかもしれない。