映画「血は渇いてる」
監督、脚本:吉田喜重。佐田啓二、岩崎加根子、三上真一郎。60年
従業員解雇に抗議して会社の人間の前で拳銃自殺しようとする男。一命を取り留めるが彼はマスコミの寵児となっていく。本人は何も考えてないんだけど周りが彼を利用し始める。CMで起用され、労働大会に呼ばれ演説する。しかし彼は何も考えてない。無気力人間というか、受け身態勢全開だ。美人な奥さんを貰えるということはそれなりに優秀、レイオフに対抗するくらいだから彼には衝動があるはず。しかし抜け殻状態。大衆の「祭り」の象徴になり、その反動を喰らわされる。
冒頭から面白い。戦死した兄の形見の銃(男根)を自分に向ける主人公。だからもちろん奥さんとは子供なし、奥さん欲求不満。彼は社会から取り残されてもいるんだ。解雇には自殺未遂という公開自慰で対抗し、体制側の象徴としての右翼に刺される(男根の使い方を自覚させられる)。反逆の塊みたいな反体制の週刊誌の男は男根の使い方をそれが社会的でなくとも自覚してる。もちろん主人公の対極で複数の女がいる。彼にとっての武器は脅迫的な写真だ。
体制としての企業による広告写真、この映画では写真は週刊誌の男の反体制としての象徴でもある。矛盾してるんだ。そしてそれによって左右される大衆。当時の時代を感じさせるけど非常に面白い映画。なんだかよくわからない感想になってしまった。
★★★★
監督、脚本:吉田喜重。佐田啓二、岩崎加根子、三上真一郎。60年
従業員解雇に抗議して会社の人間の前で拳銃自殺しようとする男。一命を取り留めるが彼はマスコミの寵児となっていく。本人は何も考えてないんだけど周りが彼を利用し始める。CMで起用され、労働大会に呼ばれ演説する。しかし彼は何も考えてない。無気力人間というか、受け身態勢全開だ。美人な奥さんを貰えるということはそれなりに優秀、レイオフに対抗するくらいだから彼には衝動があるはず。しかし抜け殻状態。大衆の「祭り」の象徴になり、その反動を喰らわされる。
冒頭から面白い。戦死した兄の形見の銃(男根)を自分に向ける主人公。だからもちろん奥さんとは子供なし、奥さん欲求不満。彼は社会から取り残されてもいるんだ。解雇には自殺未遂という公開自慰で対抗し、体制側の象徴としての右翼に刺される(男根の使い方を自覚させられる)。反逆の塊みたいな反体制の週刊誌の男は男根の使い方をそれが社会的でなくとも自覚してる。もちろん主人公の対極で複数の女がいる。彼にとっての武器は脅迫的な写真だ。
体制としての企業による広告写真、この映画では写真は週刊誌の男の反体制としての象徴でもある。矛盾してるんだ。そしてそれによって左右される大衆。当時の時代を感じさせるけど非常に面白い映画。なんだかよくわからない感想になってしまった。
★★★★