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goodシネマ 全集 ⑮ 映画『第三の男』「201」

2024-09-11 22:17:28 | goodシネマ

goodシネマ 全集 

⑮ 映画『第三の男』

イギリス人作家グレアム・グリーンのオリジナル脚本を名匠キャロル・リードが映画化したフィルムノワール。

第2次大戦終戦直後、米英仏ソの四カ国による分割統治下にあったウィーンに親友ハリー・ライムを訪ねてきたアメリカ人作家のホリー。

だが、ハリーの家に着くと守衛からハリーは交通事故で死亡したと告げられる。

腑に落ちないホリーはウィーン中の関係者をあたり、真相究明に奔走するが……。

出演はジョセフ・コットン、アリダ・バリ、そして謎の男ハリー・ライムにオーソン・ウェルズ。

カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。

1949年製作で、日本では52年に劇場公開。

第三の男 The Third Man

 

 

ウィーン市街でロケーションされた撮影の素晴らしさには目を見張る。

特に夜景シーンにおける「光と影」のバランスは特筆すべきであり、モノクロ作品の金字塔として評価されるのもなるほど頷ける。

圧巻は地下水道での追跡劇。俳優たちの吐く息の白さが冷え冷えとした空気をリアルに伝え、

 

 

 

 

 

 

「イタリアは、戦争や虐殺が絶えないボルジア家圧政のわずか30年間でミケランジェロやレオナルドダヴィンチ、そう、ルネサンスを生み出した。

しかし、スイスはどうだ。民主主義と平和の500年の慈愛に満ちた歴史は一体何をもたらしたのか。鳩時計だ。」

 

ハリーの葬儀を終えたアンナがホリーの前を無言で通り過ぎるラストシーンはまるで写実派の画家が描いた絵のように美しく切ない

『第三の男(イギリス・アメリカ1949)』 より「ラストシーン」

 

 

この作品でご紹介すべき点はいくつもあります。

冒頭のチターの名曲/ハリー・ライムの登場シーン/

劇中で吐かれる名セリフ/枯葉散る中のラストシーンなどは多くの人が取り上げていますが、

個人的には、例の観覧車の中でウェルズがちらりちらりと見せる「殺気を帯びた眼光」も挙げておきたいと思います。

 

第二次世界大戦直後のウィーンを舞台にして、あくどく金儲けに走った闇屋ハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)が

自動車事故で死にますが、その経緯にはなにかしら釈然としないものが残ります。

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