ヒューマニエンス『死』 後編 2021.4.3 2021.4.3
有性生殖が死を産んだ?
しかし人間の体内で一カ所だけテロメアが短くならない場所があるという。
テロメアを修復する酵素にテロメラーゼというものがあるが、通常はこれが働かないようにロックされているのだが、
生殖細胞だけはこれが働くようになっているのだという。
だから生殖細胞だけはまっさらな状態で生成することになる。生殖細胞はずっとそのまま引き継がれる一種の不死の存在であるといえる。
次の世代を産むのは有性生殖で多様性を作り出すことであり、次の世代は前の世代よりも優れていると考えられるため、
生物は次の世代に引き継いでくることになるのだという。
つまりは有性生殖が死を産んだと言えるという。
もっとも老いた者は退場して次の世代に譲れという単純なものでないのが人間だという。
ほとんど生物は生殖能力を失うとすぐに寿命が来るのに隊し、人間は生殖器が過ぎてもそこから長い寿命を持つ。
これには生物的に意味があると考えられるという。
この意味を考える仮説には「おばあちゃん仮説」というものがあるという。人は残った能力を子孫の世話に振り分けるのだという。
次の子孫に知恵を伝えたり、育児をサポートするなどのために存在しているのだという。
となれば年寄りの知恵は侮ってはいけないということになる。
o-Yo Ma, Kathryn Stott - The Swan (Saint-Saëns)
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