恋の病 与謝野晶子 後編 2020.12
鉄幹をパリに送り出したことで再び盛り上がる二人
危機的状況で晶子は鉄幹が以前から夢見ていたパリ行きを実現させることを考える。
しかし多くの子供を抱えた苦しい生活の中で渡欧にかかる莫大な費用を用立てるのは簡単ではなかった。
そこで晶子は百首屏風という自作の歌を書いた屏風を作ってこれを売って金を稼ぎ、鉄幹をパリに送り出す。
こうして晶子の生活は落ち着くのだが、鉄幹と離れると今度は急に鉄幹への思いがこみ上げてくることになったという。
そしてとうとう我慢できなくなった晶子はシベリア鉄道でパリの鉄幹の元に駆け付ける。
そしてパリで合流した二人はラブラブ生活に(もう勝手にやってくれと言いたくなってきた・・・)。
倦怠期になってきた夫婦は旅行が効果的なのだとか。心理学的に自己高揚動機というのがあるのだとか。
交際初期のカップルは、相手の意外な一面を知ることで自身の自己高揚動機が刺激されるのだが、
お互いに相手のことがよくわかってきて新鮮さがなくなることによって倦怠期になるのだという。
しかし旅行という非日常環境に身を置くことでこれが新たな刺激になるのだという(・・・)。
パリ行きの後も二人は頻繁に旅行するようになったという。
そのような穏やかな日常を送れるようになった二人だが、晶子が62歳の時に鉄幹は肺炎で倒れて亡くなってしまう。
鉄幹の葬儀では晶子は呆然と棺のそばに立ち尽くしているだけだったという。本気で心底惚れていたようである。
独身男としては「勝手にやってろ!」というしかない内容でした。
恋は盲目、あばたもエクボなどと申しますが、やはり恋は人間を馬鹿にしてしまうようです。
恋愛脳なんて言葉もありますが、与謝野晶子ってその元祖と言える人ですね。
HAUSER & Petrit Çeku - Concierto de Aranjuez
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