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ヒューマニエンス 「“骨” 硬くてしなやかな仕事人」   2022.7.25 「74」

2024-09-10 11:47:35 | 科学

ヒューマニエンス 

 「“骨” 硬くてしなやかな仕事人」  2022.7.25

“破壊”と“創造”。矛盾するような営みを日々続ける「骨」。毎日破壊し、生みだす目的は、全身の細胞のシグナル伝達に欠かせないカルシウムイオンの供給だ。

心筋の鼓動も、筋肉の収縮も、脳神経の伝達も、カルシウムなしにありえない。

また私たちの祖先は骨の進化によって陸への上陸を果たしただけでなく、赤血球などの血球を作る生産工場にした。

進化史のなかで、革命を起こし続けてきた仕事師、骨の不思議な変遷を妄想する。

 

 

 

 

骨から溶けだしたカルシウムが供給されることでカルシウムイオンが心筋を動かす原動力となるのである。

心臓だけでなく全身の筋肉の動きがカルシウムイオンで制御されているので、カルシウムの欠乏はすなわち生命活動の停止を意味するのである。

だから骨はカルシウムのATMと言えるという。

骨が蓄積しているカルシウムの量は1キロほど。

これは1000日分の生命活動の維持に必要な量にあたるという。

破骨細胞と骨芽細胞が骨を溶かしては再生を繰り返して、すべての骨が3年で新陳代謝するという。

骨は、傷んだところを破骨細胞が溶かし骨芽細胞が修復する、
ということを繰り返し新しく生まれ変わっているんだそう。

 

カルシウムは生命の電原動力   濃度変化

破骨細胞が溶かした骨、つまりカルシウム(イオン)は
心臓や筋肉や脳を動かすために使われる。
カルシウムが不必要な細胞はないんだとか。

カルシウムは“金属”だ

海水中には豊富なイオンが存在し、カルシウムイオンを取り込むことに苦労しないが、

淡水中にはほとんどカルシウムが存在しないために骨に蓄積する必要がある

上陸のために硬くなったのではなく、硬くなったから上陸できた

生存のためにカルシウムを骨中に蓄積し、そのことによって骨が硬化し、それが上陸につながったのだという。

骨の中の骨髄で血液をつくる
・重力に対応して形や数が変化する
などの役割もあって、実に多機能な器官

人間では体の中央の骨格の骨髄で血液を製造するが、これは哺乳類の特徴

造血する場所が変わる。

骨は年ともに数が減る。骨が環境で変化する

全身の骨は300本から200本ほどに減少するという。

骨とは体を支える骨格であるが、そもそも一番の役割は生きていくために不可欠のカルシウムを貯蔵することにある。

だから骨では破骨細胞と骨芽細胞が活発な骨の分解と再形成を行っている。
・骨から溶け出したカルシウムは筋肉などの制御に用いられている。

もしカルシウムが存在しなかったら心臓は直ちに停止してしまう。
・骨にはコラーゲンからなる軟骨と、そこにカルシウムが加わった硬骨が存在し、元々海中の生物はカルシウムが周囲に豊富にあるために体内に蓄積の必要がなく、その体は軟骨からなっていた。
・しかし生物が淡水中で長く生きるためにはカルシウムの備蓄が不可欠であり、骨にカルシウムを蓄えたことから硬骨が中心の生物が誕生した。
・そして硬骨を備えた生物の中から陸上進出するものが登場し、さらに一部の生物は再び海中に戻って今日の魚類のほとんどの硬骨魚類の祖となった。
・骨のもう一つの重要な働きは血を作ることだが、体の中央部の骨格の骨髄で血を作っているのは哺乳類の特徴である。

そもそも胎児の時には肝臓で血を作っているのが、誕生後に骨髄に移動する。
・また骨は環境に合わせて随時作り替えられており、誕生時は300ある骨が合体して、成人では200にまで減少する。

また外からの刺激で骨の形成の順序が変わることも分かったという。

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