“忘れられた日本人” (4) 「世間師」の思想 宮本常一
宮本常一が対象にした共同体は旧来の説のように固定的で閉鎖的なものではない。
外部からもたらされた知が既存の知と入り混じりダイナミックに変貌にしていく動的なものだ。
かつての日本では「世間師」を呼ばれる人たちが集落に存在し「旅」を通じて新たな刺激や知恵を集落にもたらしてく仕組みが働いていたという。
その営みは、宮本自身が民俗学という学問を通じて実践しようとしていた、地域社会を豊かにしていこうという営みとも重なり合う。
第四回は、「世間師」や「伝承者」と宮本が呼んだ人々が共同体にもらたらした豊かなものに迫っていくとともに、宮本が民俗学を通して何を実践したかに迫る。
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