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大企業が海藻育成・・・なぜ? 2022.9.20  「76」

2022-10-30 11:52:48 | wbs

大企業が海藻育成・・・なぜ?

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いま、大手建設会社や鉄鋼メーカーが力を入れている取り組みがあります。それが、海藻を育成することです。実はこの海藻、食用ではなくある大きな目的のため利用されるのですが…。

その意外な理由を直撃リサーチしました。

太平洋を望む神奈川県・葉山町。そこにゼネコン大手、鹿島建設の研究所があります。施設の中に案内されるとそこには海藻が…。

「これはカジメという海藻で、葉山に生息する海藻です。今回はどの時期でも海藻を生産できる技術を開発しました」(「鹿島建設」地球環境・バイオグループの林文慶上席研究員)

鹿島建設は国内で初めてという大型海藻の大量培養技術を確立しました。いったい、なぜ海藻を育てる研究を行っているのでしょうか?

「水温の上昇などで海の環境も変化している。保全していくためと、生物多様性のためです」(林上席研究員)

海藻がなくなり砂漠のようになる「磯焼け」が全国各地に広がり、生態系が崩壊するなど大きな問題になっています。その解決に向け、鹿島建設では研究開発を行っていました。

海藻のタネ、そのオスとメスを別々に管理。無菌状態にし、独自の温度管理をすることで長期保存が可能となりました。

特殊な交雑方法でいつでも大量に海藻を育てることができるといいます。

去年11月、葉山町沿岸部で行われた実証実験では、小さな海藻を植え付けたユニットを海に入れました。およそ半年後、海の中には大きく成長した海藻の姿がありました。

鹿島建設では3年をかけ、この技術を確立。実はこの研究に力を入れるもうひとつの理由があるといいます。

「陸上の森林だけではCO2の吸収に限界があります。

こういった海藻はCO2の吸収とか確認されていますので、ブルーカーボンというキーワードがあるが、CO2の貯留としての役割が大きいと思います」(林上席研究員)

ブルーカーボンとは?
森林など陸上で吸収する二酸化炭素をグリーンカーボンと呼ぶ一方で、海でも海藻などにより二酸化炭素は吸収されていて、それをブルーカーボンと呼びます。

その吸収量はグリーンカーボンが年間19億トンに対し、ブルーカーボンは25億トンにも上るといわれています。

このブルーカーボンに取り組む企業がほかにもあります。大手鉄鋼メーカーの「JFEスチール」です。工場の敷地内で山になっていたのは鉄を作る過程でできる副産物の鉄鋼スラグ。

主に道路やセメントの材料などに使われています。JFEスチールではこれを加工し、海藻の育成に活用しているのです。

鉄鋼スラグにはどのような特徴があるのでしょうか。

「表面がゴツゴツ、ザラザラしたところに海藻の幼生が付着しやすい」(「JFEスチール」スラグ事業推進センターの宮田康人主任部員)

さらに鉄鋼スラグからの鉄分も、海藻の育成に良い影響を与える可能性があるとしています。

実証実験を行った静岡県の南伊豆町の海。海底にあるのが鉄鋼スラグでできたブロック。そこから海藻が育ち、環境が改善されました。

「日本は海岸線が長いという特徴から、ブルーカーボンを進めていくのは非常に有益ではないかと考えています。製造メーカーとしてカーボンクレジットに寄与する」(宮田主任部員)

「カーボンクレジット」は温室効果ガスの削減の効果を数値化し、取引できるようにしたもの。

今後、海藻などを育てることによって海に吸収された二酸化炭素をクレジットとして取引することも可能になるといいます。

実際に国内ではブルーカーボンクレジットが動き始めています。

ブルーカーボンのクレジットを認証・管理しているジャパンブルーエコノミー技術研究組合では去年、実験的に4件のクレジットを発行し取引が行われました。

「漁業協同組合、あるいは自治体とかが連携して、地元の海での、例えば藻場の喪失からの回復とか、そういったことに関する認証でした。

購入者側は大体30社ぐらいあった」(ジャパンブルーエコノミー技術研究組合の桑江朝比呂理事長)

大手海運会社や保険会社、商社などがクレジットを購入しました。CO2、1トンあたり平均7万2000円で取引されました。

日本の温室効果ガスの排出量は現在年間11.5億トン(2020年度)。政府は2050年に排出実質ゼロを目指していて、今後このブルーカーボンの市場は重要性を増していくといいます。

「1トン当たり5万円目指し、5000万トンレベルでの吸収を理想としている。兆を超える市場規模になり得る」(桑江理事長)

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