PAPP GÖRGY

旧ブログ名 モ
期間限定でブログ名を変えてお届けしております。
IEでは文字化けしてますが。
パップ・ギョーリキー

正義

2005-03-21 21:21:36 | 出来事
少し混雑した電車内で。
電車がガタンと揺れたとき、バランスを崩しそうになった老年の男は咄嗟に手を泳がせる。
その手が、傍にいた若い女性の尻を触ってしまう。
女性は男を睨み、たまたま乗り合わせていた警察官は男を現行犯逮捕。
男を責める女、男を連行する警察官。
電車に乗っていた他の客や、駅にいた客は、眉をひそめて男を見、
「いやだわ…年寄りなら何しても許されると思ってるのよ、きっと」
などとヒソヒソ話す。
「いや、違うんです。電車が揺れてバランスを崩したんです」
状況を説明しようが、女も警察官も取り合わない。
「触ったでしょ」
その事実だけにしか意味が無い。
警察署で男は始末書を書かされる。
「おじいさん、あなたも男でしょ。女嫌いじゃないでしょ?」
そのことに嘘は無いが、しかしだからといって、女好き即ち触るというものではないことは子供でもわかる。
が、平気でそれを動機と判断する警察。

男は、正義感の強い人間だった。
悪いことをする奴は懲らしめられなければならない、そんな考えの持ち主だった。
他人様に迷惑だけはかけないように、そう思って生きてきた。
その彼が、思わぬことで犯罪者扱いされ、警察のお世話になる。
公衆に後ろ指を差される。
彼にはこの上ない苦痛だったに違いない。
ショックのあまり、食物も喉を通らない。
床に就いても眠れないまま朝を迎える。
そんな日が何日も続いた。
健康が自慢だった彼はみるみる衰え、回復を見ることも無くそのまま亡くなった。

警察官に、その女性に、責任は無いのですか。