とにかく日記

とにかく何でもいいから書く日記。3人の子へは仕送り、更新頻度は下がり、書き続けられるのか?(コメント等は承認制です)

「あなたがだいすき」という絵本

2005-10-16 03:11:34 | 
当直(24時間職場!)明けの土曜日。
一晩子供たちの顔を見ないですごすと、子供たちが特に可愛く見える。
なのに夕方からまた仕事がらみの会合に行かなくてはならない。
帰ってくる頃には子供たちは寝ているだろう。
せめて、昼寝の寝かしつけにはつきあってやりたい。

ということで、ルル(末っ子、2歳男)に添い寝して絵本を読んであげることにした。
どの本がいい?と尋ねたら「だいすき、だいすき」と言う。
・・・そうかアレか、と散らかった本棚から探し出した。
ポプラ社の絵本「あなたがだいすき」(鈴木まもる著)である。
2歳程度の子供にお勧めの本であるが、4歳、6歳の姉たちもこの本が好きである。

最初の部分を引用させてもらう。

  わたしは あなたが だいすきです
  せかいで いちばん あなたが だいじ
  あさも ひるも よるも あなたと いっしょ
  いつでも あなたを まもって あげる

こんな調子の一行ごとに、一ページ。
見開きの向かいページには動物(象、カンガルー、熊、猫、鳩など)に抱かれた子供が描かれている。
男の子とも女の子ともつかないような幼い子供。
その子が象の鼻に抱かれていたり、カンガルーのお腹のポケットに入っていたり、
鳩の翼の下で気持ちよさそうに目を閉じている絵である。

ただし、出てくるのは優しげな動物ばかりではない。
ピューマ(チーター?)に乗って走る、鷲の足に乗って飛ぶ子供も描かれる。
きわめつけは恐竜。ティラノサウルスの額に乗っている子供。
ルルは絵本の子供に自分を重ねてみているようだ。

最後の見開きページだけは、動物が出てこない。
子供を抱いているのは、ふくよかな女性。母親、ということであろう。
「とくべつ わたしは あなたが だいすき」という。
このページを読むときはいつも子供をぎゅっと抱きしめることにしている。
(上の子たちに読むときも。)
子供たちも喜んで抱きついてくる。そういう気分にさせる本なのだ。

ほんわかふんわりしたムードの絵に、甘い甘い文章。
母親にとっても、子にとっても、ヤバい麻薬のような絵本だよなぁ、と思う。

できるだけ優しい声で読みながら、心の中には矛盾した思いも出てくる。
「こんなの嘘っぱちだよなぁ」と。
「朝も昼も夜もあなたと一緒」だと?そんな日は週に1回あればいい方だ。
今日だって、この本を読み終わってルルが寝たら私は家を出なくてはならない。
目を覚まして、母がいないと気づいたらルルはどんな気持ちになるだろう。
・・・などということは極力考えたくないのだが。

この絵本を2回読んで「もう寝なさい」と言ったらルルは泣いて抵抗した。
眠りたくなかったらしい。が、泣きながら声が眠そうな声に変わっていく。
泣きながらではあったが、30分後、ルルは熟睡した。
家を出なくてはならない時間になっていたので、急いで支度をして出た。

本の話に戻す。
人間としては、絶対にありえないような愛を語る絵本、ともいえる。
(だから動物が次々に登場するのかな?)
幻想、非現実、ファンタジーの世界だが、絵本だから、これでいいのであろう。

子供は、世界から愛されているかのように錯覚していてもいいと思う。
そうすることによって(お返しのように)世界を愛することを学ぶだろう。

しかし成長するにつれて、その愛が錯覚であることに気づくはずだ。
世界から愛されていないことを知っても、絶望しないでくれることを親として願う。
心の底で自分を肯定する気持ちを、持ち続けて欲しい。
他に愛される存在から、他を愛する存在へと変わっていくためにも。
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