RICOH CX5で撮影
小学校一年生。
彼らは白と黒のように対照的な二人だった。
年齢よりも大人びていて、私はどちらもとっても好きだった。
今でも覚えているのは、クラスメートが囲む中で二人が真剣に言い争った事だ。
それまで一度もなかった緊迫した場面にみんな声も出ずにいた。
沈黙を破って「Sちゃんが正しいと思うな」と言ったのは私だった。すると他の子もそんな事を言い出した。
「なんだい、なんだい、ふざけやがって！」彼は泣くのを一生懸命にこらえて教室を飛び出して行った。
長い間私の初恋の人だと思っていた男の子は実は違っていた。私がほんとに好きだったのは、飛び出して行った子の方だった。それに気がついたのは、ほんの数年前だ。
何故だかこんな夜にそれが思い出されてならない。
