秋深し隣は何をする人ぞ

2009年10月18日 00時07分11秒 | 岩溪寛司
日に日に朝夕が涼しくて、新しい上着がいるなぁなんてつぶやいて。

僕はある程度我慢の出来る人間だ。
だけど僕の生活リズムは壊されたくない。

上に引っ越してきた外国人の足音が気になって。
こつこつ階段を上がってチャイムを鳴らした。
部屋のサイズに比例しない歩幅と歩数で夜中の3時ごろまで元気に歩き回っていた小柄なアジア系の彼は、その日を境に静かな生活を送っている。今のところ。

僕の歌声が彼に届く事もあるだろう。
僕がかき鳴らすMartinの美しい音色が彼の疲れを癒す事もあるだろう。
その事を彼に告げると彼はにこやかに頷いた。

前にも書いたけど僕の部屋の周辺は恐ろしく静かだ。

静寂を取り戻した僕の周りは今も虫の声と僕がキーボードを叩く音だけが響く。